家日和
奥田英朗

家においでよ
すき間風がふき、別居をはじめた夫婦
自宅に残った夫は
はじめは仕方なく家事を始めたり家具を買い直したりしていたが
そのうち、だんだん楽しくなってきて…?
物語の途中、夫の男友達が集まって
「妻の趣味に合わせた暮らしがどれだけ苦痛だったか」を愚痴ります
それと同時に
「妻のほうも夫の暮らしぶりには文句があっただろうなぁ」と述懐します
そう。
そうなのです。
夫に文句があるように
妻にも文句があるのよね
うちだったら
夫のクソ邪魔なダンベルとか

邪魔だし重いし危ないのよ



私はオシャレな暮らしや洗練された暮らしを目指してないから
夫は全然ラクだと思うよ?

だけどきっと、夫は夫で不満があるでしょう
口にはしないけど(下手なこと言うと私に砲撃されますしね

)



物語の最後、別居していた妻は久しぶりに夫の趣味で埋め尽くされた部屋をみて
「素敵な部屋じゃん」と褒めます。
これは想像ですが、
この小説のふたりが仮に復縁しても
たぶんまたお互いちょっとずつ不満を持ちながら生活すると思う

それが生活ってものだと思うし

共同生活って理想ばかりにはいかなくて当然だからね。
お互い不満
じゃなくて
お互い譲りあって
ね
でもやっぱ夫のダンベル邪魔捨てたい
