かなしみのまち
紡木たく

 

  


続きです

 


この漫画のなかには、繰り返し

「守る」という言葉がでてきます。



峰が祐を守る。(また逆もしかり)


ふたりが大人になるまでずっと


守られることで、また守りたいと思うことでお互いを成長させます。


これはとてもかけがえのない気持ち





そして、「守りたい」という気持ちがとても切ないパターンもあります



簡単にいうとね、

祐が母親を守りたいという気持ち



祐の母は、祐が生まれてから精神のバランスを崩し


育児がままならなくなり


短期間ですが祐を祖母に預けます。



それが悪いことだとは個人的には思いませんが



祐は自分の存在が母を苦しめているのだと苦悩します



母と一緒に暮らせるようになってからも


対人恐怖症などピリついている母、それを周囲に奇異な目で見られることに


傷つき、そんな自分を責めてもいます。



そんな気持ちを打ち消すように


祐は「とにかく母を守りたい」と強く思います。



そんな中、母は二人目の子供を妊娠



え…

もちろん悪いことではありませんが、

祐に母へのわだかまりや自責の念が残っているだけに酷なことにも感じます



だけども祐はそれでも、生まれてきた妹をも

「とにかく守ろう」と心に決めます



それが自分の存在意義だとでもいうように。



心のわだかまりは行き場を失い、祐は峰に思わず吐露します


「祐も、聖お兄ちゃんのところにつれていってほしい」



聖大は、峰の亡くなった兄。

祐の心がどれほどギリギリかわかる描写です。




そこで、峰が言った言葉、これまた泣けます

やっぱ峰って天使キラキラキラキラ





子が親を守らなくてはと思うことは、自分の小さな世界が脅かされることへの不安でもある



もちろん、わたし含め

親だからと言って完璧ではありません。


親子だからといって、子の気持ちを隅々まで把握してフォローすることもきっと難しいショボーン



祐のママだって、ちゃんと祐を愛しています


このような

親子の蓄積した心のすれ違いを描くのが

とてもうまい漫画家でもあると思いますニコニコ



「ホットロード」の和希のママも、問題がないわけではありませんが

和希を愛していると思います


読めば今でも少女の気持ちが蘇るわ