より
バイアブランカの地層と少女
京都の大学生、作朗
嵐山のアマチュアガイドをしている。
ひょんなことから「京都に興味のある外国人のネットコミュニティー」を通して
ブエノスアイレスに住む少女とメールのやり取りが始まる
作朗はまず、慎重で臆病だ
シャツを常にお腹にしまってしまうし、
片想いの相手に家の下を活断層が走ってると指摘されたら一気に恋心が萎えてしまうし、
活断層が怖くて一人暮らしするも、気にせずそのまま実家に住んでる家族が気になって仕方ないし
フラれた女の子とはもう同じ授業に出られないし
外食もしないでひたすら自炊
そんな作朗が、ブエノスアイレスに住むフアナという少女と交流がはじまるのだけど
それもまた、つたない英語を介してメールでのやり取りという
なんともまどろっこしいコミュニケーションだ
それでも、作朗はメールだけから得られるフアナの心情に共感し
(よくわからない英語のメールの内容にここまで揺さぶられるかというくらい)
どうするかというと…
祈る!
そう
いてもたってもいられず、祈るのだ!
ブエノスアイレスのフアナのために、京都のお寺で!
うまくいきそうな女の子とのデートもほっぽりだして!![]()
作朗が日々の生活で常になにかに怯えていること
それがフアナをとりまく環境により強く共感したのか
地球の裏側のフアナに、とにかく悪いことが起きないで、うまくいくようにと
正直、すぐそばにいるみづきちゃんよりブエノスアイレスのフアナに
そこまで強い思いを抱くのはよくわからないところがあった![]()
きっと、作朗にとってフアナの存在やそのメールは
なにかのスイッチみたいなものなのだろう
最後、スイッチ押されまくった作朗はある大冒険を思い立つ![]()
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ここで、同じくらい臆病な私は思うけど
臆病な人間がここまでの大冒険を決心するのは相当なことである
作朗のスイッチがどれだけ強力なものかがわかる
たとえ今回の冒険が失敗に終わったとしても、
スイッチを見つけたこと、それが強く押されたこと、
その衝動にしたがって動こうとしたことは全くの無になることはなく
今までの臆病な日常を、確実になにか変えるだろう思う
たとえささいな変化だとしても

