大人になって母と離れてからも、まわりともうまくやることがとても難しい
気をつけないと、気付けば周りすべてが敵だらけになってしまう。
本当の敵というより、自分の心の中での敵。
本当に戦うことがないかわりに、決して和解もない敵だらけになる
小百合は考える
母はあたしが嫌いだったのか
それとも大嫌いだったのか
母は後悔しているだろうか
母は申し訳ないと感じることはあるだろうか
私も、小百合と同じ気持ちになることがよくある
考えてもしかたのない、母の気持ちを考え続けてしまう。
お母さんは、どうしてあんなことを言ったんだろう
どうしてあんなことをしたんだろう。
幼い頃の写真
小百合の顔だけでなく母自身の顔が塗り潰されているのを見て
小百合は母には母の葛藤の歴史があることを知るのだが、
私の母も
幼い頃は、家族に
「いま話していい?」と聞いてからおしゃべりするよう躾られていて
しかも、たいていは「しゃべったらダメ」と断られていたとのこと。
その思い出を、それこそ私が30代後半で母と絶縁するまで繰り返し語っていた。
私の母にも、
幼い頃から誰かと比べられ、否定され、軽んじられた過去があったのだろう。
小百合はこう思う
だからといって同情はしない。それは母の問題だ。
私もそう思う。
母のカタルシスは、私の使命ではない。
私がこれからできるのは、
誰のことも、私のことも比べたり否定しないこと。
いまからでも全然遅くないんだ。
小百合は五種の焼きそば弁当で、
世界で一番自由でサイコーな女になった。
私もそろそろサイコーな女になれるかな?
その時はなにを食べようかな
もう誰かを怨んだりするのはやめたいんだ