あしながおじさん ジーン・ウェブスター著 1912年
寄宿舎作品の感想文シリーズ1
あしながおじさんはジュブナイル小説の分類だったと記憶してます。
主人公のジュディが孤児で、満たされない少女時代を送るのはジェーン・エアと似ている
ただ、お話のメインは優秀な女学生だったジュディが特別な援助を受けて大学に行きはじめるところから
(その援助をしてくれる謎の人物があしながおじさん)
生まれてはじめての自由
友達との寄宿舎生活


ジェーン・エアとくらべると、はじめての孤児院の外の社会に戸惑いながら
娘らしい新しい学びと経験に弾むような明るさがあります



ただ不思議と、明るいところに影が濃く出るように
「孤児として育った」ということのコンプレックスや悲しみが随所に描写されます



(よほど過酷な寄宿舎生活を送ったジェーン・エアよりも)
例えば、
みんなが当たり前に知っているようなことを知らない。
やっぱりこれって私が孤児だから

とか
お金持ちでワガママな同級生を見て、マジか…って引いたり。
(世界で一番つまらない人
とまで断罪)

あと
素敵なデザートを前にした時も、
孤児院時代の冴えないデザート(墓石
って呼んでる寒天?)

のことを思い出してたり。
そんな気持ちまでジュディは赤裸々に「あしながおじさん」への手紙で告白します
(書簡形式の物語です)
今まで現実の誰かに多くを語らないで生きていると、
顔の見えない相手には取り留めもなくいろいろと話したくなる気持ちはなんだかわかります

(私のブログもそんなところある)
それで、やっぱり後半は急なロマンス



でも、これもジェーン・エアにくらべるとだいぶ爽やか

今で言う、むずきゅん
くらいのところでハッピーエンドだった気が

(ちなみに、結婚後の話は続編としてある)
あと、ジェーン・エアと比べると食べ物がだいぶおいしそう!

糖蜜キャンディ、ボール型のチョコアイスクリーム、マフィン、プールくらいの大きさのレモンゼリーとか
海外文学は「どんなものかよくわからないけど美味そう…」って食べ物が多くてそれも楽しい
