山本ヤマ編ではついマイナスなこと(ていうか衝撃的だったから)書いてしまいましたが
入院中に楽しかったことや良い出会いもあったんです

何十年も思い出さなかったのに、ちょっと振り返ったらどんどん蘇って不思議

まず私が入院して驚いたのは、「具合の悪い子ども」は、想像以上にたくさんいること。
入院してんだからあたりまえ
でも、幼稚園には元気な子どもしかいなかったんですよね

いつも私一人だけがすぐに具合が悪くなって
熱をだして何日もお休みして
食欲もなくて



でも入院してみたら、同じように体が辛くて寝ていたり、食事が摂れなかったり、お手洗いまで歩くのも辛いという子どもたちに出会いました。
病気の子は、自分だけじゃないんだ…という発見は、私にとって大きかったと思います。
同じく病気のちょっと年上のお兄さんお姉さんに構ってもらうことも多くて
ルール教わりながらトランプ混ぜてもらったりしたなぁ
お兄さんお姉さんも入院生活暇なので、チビに構ってくれたんですよね
二人部屋で初めて一緒になった女の子は、私より3歳年上の9歳でしたが、
病気の影響で体は私より小柄でした。(私がデカい子供だったのもある)
はじめ心の中で、ほんとにこの子が私よりお姉さんなの?
とちょっと疑っていたんですが

消灯近くで私が淋しくなったかなんだったかでウェーン
と泣き出したことがあるんですね

そしたらサッ
とティッシュ箱を差し出して「ホラもう泣かないでよ」

と、サバサバ言ってくれたのを覚えています。
引き出しの奥から小さな缶に入ったキャンディ
をひとつくれて

「お菓子持ってていいの
」(この病院は病院で出されるオヤツ以外禁止でした)と驚く私に


「まあね。でもみんな密かにやってることだから
」と物慣れた様子で微笑んだのを覚えています

「密かに」という言葉もお姉さんぽいな~!
と感動したの覚えてます

体は小さかったけど彼女は確かにお姉さんで、そしてたぶん年齢よりもかなり大人びていました。
(うちに同じ年頃の子がいますけど、泣いてる小さい子にお世話したりできなそう)
きっとそれは長い入院生活、病気と付き合いながらの生活が彼女を成長させたのかもしれません
大部屋に移ったら、それはもう賑やかで大騒ぎで楽しかった



遊んだり騒いだりたまにケンカしたり





でもやはり病院、一緒に騒いでいた子が何日も起き上がれないほど寝込んだり、
夜中に急に体調が悪くなったり、手術に行ってからなかなかICUから戻れなかったり…
ということもありました

そういえば、中学生くらいのお姉さんズに、お気に入りの曲を録音したカセットテープをもらったことも
これはもう擦りきれるまで、退院してからも聴きましたね



ただ、曲名がまったくわからなかったのですが大人になってから記憶した歌詞を頼りに調べましたら
TUBEのsummer dreamと南野陽子の接近(アプローチ)でした!
小学生にはけっこう大人の曲~
フッフゥ~


そんな感じで、何ヶ月もそのとの世界に一歩も出られない生活だったからこそ、思い出が濃いんですよね
結局今はそこそこ丈夫な中年女性に成長しましたが、それがとても幸福なことだと
その記憶をもって断言できます。