昨日、幼少期の入院生活についてちょろりと書きました。
あれはあれで変わった体験だったと思うのですがかなり昔のことなんですよね
でも昨日の文章を書いてるうちに、ズルズルと蘇ってきました…

はじめての入院は6歳。
それまでは、家で親にお世話される普通の幼児の生活。
それが、親の付き添いは認められない完全看護の入院生活。
つまり、はじめて親と離れて寝起きするわけです

もちろん、衣食住や医療は手厚く病院スタッフがしてくれます
でも、いつも誰かが側にいてくれるということはない。夜中に起きても、添い寝してくれる人はいません

特に自立した6歳でもなかった私ははじめは戸惑いましたが、子供の順応性からか
わりとすぐに平気になりました

でもここで人生はじめて出会う、理解不能な大人
それは医師でも看護師でもなく、清掃スタッフの山本ヤマさん(仮名)
でした。

私は入院直後から点滴に繋がれ、また感染症の疑いもあったため、
大部屋ではなく個室に入りました。
山本ヤマさん
は一日二回、ほうきをかけに病室に来ます。

私の個室に入ると、山本ヤマさん
はは必ず

「汚い汚い。この部屋はどうしてこんなに散らかってるの!」





とぶつぶつ聞こえるように言います。
知らない大人にここまで毎日怒られることが初めてだったので、そりゃビックリしましたね

散らかってるといわれても、点滴してベッドから動けなかったし、片付けなんてできないし…
確かに、身の回りのことなんて身についていない子供ではありました



「あーもうゴミだらけ。ほんとに汚い部屋だ」と山本ヤマ
。

ちなみに、個室ですので私と山本ヤマ
は一対一、私に言っているのです。

私はだんだん恐ろしく、山本ヤマ
がやってくるのが毎日憂鬱でしかたありませんでした


消灯後の一人ぼっちや点滴や検査よりも、山本ヤマ
がしんどかった


すごい覚えてるのが、
ある日ゴミをゴミ箱に捨てようとして
でも点滴で片腕固定されゴミ箱は反対側でちょっと遠い…
ギリギリ入れることができず、ゴミ箱から外してしまいました。
その日も当然、山本ヤマ
には「あー汚い。本当にゴミだらけの部屋だ」と言われました

その日から、看護師さんにはゴミ箱を近くに置いといて
とお願いするようになりました

が!山本ヤマ
は、知ってか知らずか、ゴミを回収したあとすぐにまた遠くのポジションに

片してしまうんです。これって今思うと嫌がらせだったりして。。

っていうか、私がゴミを撒いたりしてるわけでもないのに、ほうきで片付く程度の掃除なら
あなたの業務の範疇では。。と、今なら思います。
私はその時誰にも相談できないままでした

一日二回、怖いし憂鬱だしどうしていいかわからない。
でも私が悪いし、言ったら怒られると思って

ある日の面会時間、もうそろそろ親が帰る
そのあとはまた山本ヤマ
が来ると思うと苦しくて、とうとう親に打ち明けました


掃除のおばさんが、いつも怒って怖い。汚いって怒る

親は、ちょっと見てくると言って病室をあとにしました。
しばらくして戻ってきた親が言ったのは
「山本ヤマ
さんは、子供好きの優しーい方じゃないの!

今も大部屋の親子達に囲まれてニコニコして」
でした…

そう…山本ヤマ
はニコニコして優しいんだってよ…


大部屋の子たち、綺麗好きでいい子達なんでしょうね…やっぱり私が悪いんでしょうね…
私は生まれてはじめて、「親にはわかってもらえない
」という体験をしました


とりあえず、枕元に小さいゴミ箱を設置してもらいました。中身は親か看護師さんに捨ててもらう。
その後、私の病気は感染性のものではないと判断され大部屋に移動しました。
山本ヤマ
はどうなったと思います?

大部屋に移ったらなにをもいわなくなったんです。完全スルー

もちろん、私が掃除するようになったとかいうわけでもなくですよ
久しぶりに思い出して、山本ヤマ
は一体なにをを思ってたんだろうと少し考えました


個室の子供をいじめるのが趣味だったのか
私が個人的によほどムカついたのか
今となってはもうわかりません

まぁ、牛のフンよりもどうでもいいことですけども…
