平成25年11月12日
人間は定年退職をし、隠居の身になると、
やたら好奇心やら向学心、探求心が出る
もののようです。
池波正太郎の「剣客商売」の主人公・
秋山小兵衛は、青壮年期は剣の道一筋で
その他のことに朴念仁でしたが、道場を閉じて
鐘淵の小さな家に隠居すると、人間への好奇心が
やたらと高まり、次々とお節介にも事件に首を
突っ込みます。
だからこの小説は面白いのでしょう。
しかし小兵衛は少年時代から剣の道を志し、
「天性のもの」を持っていたため、天狗のような
剣客となれたわけです。
では、私らみたいな凡人はどうでしょう。
漸く定年まで働き詰めやっと手に入れた自由です。
何をしようと勝手なのですが、なかなかそうも
行かないようです。
そこで、結局大学の聴講生とか俳句のクラブとかに
通って知的満足を幾ばくしか満たすことに
なるようです。