平成19年10月31日
今日は晦日です。今日で10月も終わり、
愈々秋も晩秋になりました。
秋と云えば、昔から何となくもの思いに沈む季節
といわれます。
先日、あるがん患者の姿を追ったテレビ番組を見ました。
がんで寝込んでしまった患者が,看病してくれる母親に
深く感謝をしています。
でもそれを口に出すことができないでいます。
在宅診療に訪れた医師との会話の中で,母にどれほど
感謝しているか,自分が歯がゆいと思っている以上に
母が歯がゆいと持っているだろうと心遣いをしていることを
穏やかな笑みを添えて話しました。
言いたいことが言えたという晴れやかな表情が輝いていました。
もちろん,傍で母親が聞いていました。
人生の半ばまでも行かずに最後を迎える未だ若い患者の苦悩と
それ以上に先立つ自分の子供をみおくらざるを得ない母親の
悲しみが画面いっぱいに溢れていました。
こんな場合でも、面と向かって感謝をすることは,照れくさくて
難しいものです。
特に病床で世話になっている家族に対してはなおさらでしょう。
つい言いそびれてしまい,“ちゃんと言えばいいのに”と
思っているときに、この話の医師のように第三者が介入すれば,
スルッと言えたりします。
そして、言えたことに改めて“ホッとして”気持ちが楽になったりします。
人の気持ちは本当に不思議なものです。
「口では、憎まれ口を叩きながらも心の中では、感謝している」
というのは、人間に特有な性格なのかもしれません。