古事記と私
私が幼い頃、曾祖母から昼寝の前に、
それはそれはたくさんの昔話を聞かせてもらった。
そう、物心がつくかつかないかの3~4歳の頃の事である。
寝付きの悪い私は、
何度も何度も違う話をねだった。
その昔話は「桃太郎」のような
日本を代表するものはもちろんだが、
その中に古事記の話がたくさん含まれていたのである。
恐ろしい話から、かわいそうな話まで、
そのバラエティ豊かな話の内容は、
幼い私を飽きさせる事はなかった。
例えば、「因幡の素兎」や「八岐大蛇」他、
これが古事記の話であることを知るのは、
学校で学んでからの事である。
その曾祖母が感情豊かにしてくれた古事記の話は、
今の自分の心根や創造力に大きな影響をもたらしてくれていると
感謝している。
私の曾祖母は、その時代背景からも、
多分あまり他の土地へ出た事の無い根っからの出雲人である。
私が曾祖母に聞かされたと同じように、
曾祖母本人も同じように先代から受け継ぎ聞かされたものと
考えている。
そして私も出雲人である。
その出雲人が表現する「古事記」を
皆様に見てもらいたいと切望している。