下流の宴 第7話 「逆転の予感」その① | のだめと申します!

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日頃ノドまで出掛かってるが中々言えない事、
今まで語れずにいた「ノドまでタメてた話を申告」などを掲載していく
自由ブログです。

公式あらすじ↓
珠緒が1年目の受験に失敗。
「2年間で医大に合格しない時は、翔が大学に行く」という満津枝と翔との密約を知った由美子は、
その密約を珠緒に伝えてしまう。深く傷ついた珠緒は、翔と大喧嘩して家を飛び出し、
島田の塾に転がり込む。一方、息子の航一が生まれ、念願だったセレブな暮らしを
満喫する可奈。ところが、夫の北沢の様子がおかしくなり・・・。


残すところ、あと1回で終わりなのね~
もう撮り終りで、今はヤンキーに変身のマサくん。
和真も傷だらけメイクで頑張ってるってブログ更新してたよ^^


さて今週もイッテみましょ(^_^)v




あら、前回のラストで出てきた結婚式での身内と記念スナップ。
お母さんは、可愛い息子のネクタイが曲がってたことに気付いて直してたんですね。
でも、出来上がった時は曲がっていた・・・


のだめと申します!

うわ~!夏の怪奇現象でしょうか?って単に撮りなおしただけだろうってば(´0ノ`*)サワグナサワグナ


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のだめと申します!

その可奈(加藤夏希)の結婚式で健治(渡辺いっけい)が、翔(窪田正孝)の為とかで
現状況を何もかも暴露してしまった。
ここで言わんでもエエヤン!って思ったんだけど、ドラマとして盛り上げるにはしょうがないか。
あと1回しかないし~。


由美子(黒木瞳)が、また満津枝(野際陽子)に手紙を宛てた。
『お母さん、色々ご心配おかけしましたが、新しい会社に移った健治さんは、
慣れない営業の外回りで、毎日へとへとになって帰ってきます』


自分より年下の先輩社員に付き添って店を回る健治、お疲れさんです。
昼ドラでは、たんぽぽ農場主宰者。
夜ドラでは、桜咲学園寮のまかないシェフ。
随分働き者かと・・・


『おまけに聞いて下さいお母さん。お給料は3割カット。ボーナスは5割カット。
格下げになったのだから仕方ないですね。
可奈はお陰さまで元気な男の子を出産しました』


手紙に同封された、孫・航一の写真を見て、
また「賢そうな子、どことなく医者だったひいおじいちゃまに似てる」とかウットリ見つめている。
翔は、漫喫で頑張っている。
漫画本を両手に一杯・・・それ以上に抱え、おまけにゴミ袋まで持ちヨタヨタヨタ・・・
狭い通路を歩いていると、開いた個室のドアにぶつかりよろけドアから出てくるお客の邪魔になって
「すいません」と謝り、またエッサエッサと運んでいる。


『相変わらず悩みの種は、翔です。彼女はまだ性懲りもなく医大を諦めていないようです。
仕事も辞めてしまって受験勉強をしているとか。
翔は、家事から生活費の面倒まで見ているのでしょ。
まったくトンデモナイ娘です』


翔が『闘(真ん中にヒマワリの絵)魂』と書いた鉢巻きをして学問に奮闘している珠緒(美波)に
お弁当とお茶等を買ってきてやっていた。


航一を抱っこして孫にメロメロロンの由美子。
「なんて賢そうな赤ちゃんなのかしら~ん。航ちゃんのパパは、京都大学とハーバードを出た
秀才でちゅよ~」
赤ちゃんちょっと迷惑そうじゃない?
名前が航一って『不機嫌な果実』の時、いっけいさんと同じじゃん。
で、今度は孫の名前がそれになったの!?(≧∇≦)ノ彡 バンバン!


「マぁマー、変な期待かけないでよ。また翔みたいになったらどうすんの?」
実家に孫を見せに来ながら羽を伸ばす可奈。
「え~?」まさかね~という様子で由美子は孫にメロメロロロ・・・
「かといって玲ちゃんに似てもな~。だって玲ちゃんって思ったよりもず~っとケチなの!」


玲一(眞島秀和)の回想―
「僕たちの仕事は、せいぜい45までだ。それ以上は、体力も気力も続かない。
僕も、いずれファンドをやるつもりだから、その前に投資物件を買ってうまく給料を回していくつもりなんだ」
玲一の回想終わり―


「とかなんとかクドクド説明されてさ~あ、月々の生活費を渡してくれるだけッ」ブーイング可奈。
「それだってウン十万も貰ってんでしょう~?」
「でも・・友達に妬まれるほど貰ってないも~ん」えー、贅沢な可奈だね。友人関係穏便になれるじゃん。
「うっふっふっふ・・贅沢言ったら罰が当たるわよ、ねー航ちゃん・・」孫ベッタリな由美子。
面白くない可奈は、テレビリモコンをピッ。
テレビからは大学合格者のインタビューをやっていた。
翔が医学部浪人生が嘘という話は、可奈が玲一に伝えており、
玲一もなんとなく変だと気付いていたらしい。


テレビ画面では「ずっと支えてくれた家族に伝えたいです」とか、まだやっている。
その中でリポーターが「おめでとうございます。この喜びを誰に伝えたいですか?」

とマイクを向けたのが珠緒だった。
「そうですねー・・・。翔ちゃんのお母さん!!!見てますかぁー?


のだめと申します!

アタシ、医大に受かっちゃいましたー!」と嬉しそうな悲鳴。
「え?・・え?」目を疑う由美子。
すると今度は、翔が現れ
「お母さーん!約束の結婚認めてくれるよね~!!」とブイサイン。

え?島田(遠藤憲一)までも一緒かい!?


のだめと申します!


のだめと申します!


「2年かかるところ1年で合格したなんて宮城珠緒ちゃんもすげーよ!ヤッタァー!」
珠緒を真ん中に翔と3人で肩を組む島田(遠藤憲一)も大興奮。

のだめと申します!

そして翔の「せーの!」の掛け声で
「ざまーみろッあっかんべー!」と、やらかす3人。ぼーくたちワンパクトリオだぞッ♪


のだめと申します!


のだめと申します!

画面に映るあっかんべーは、可愛い。オヤツあげないわよくらい言っとき由美ちゃん。

「きゃ~~ッまさか!」由美子は、その場にへ垂れこんだ。赤ちゃん泣いてるじゃん。


のだめと申します!

「ママ?どうしたぁ?」可奈の目が点。
由美子は、慌てて航一をあやした。
「あ、あ、あ、やだあ・・・ヨシヨシヨシヨシ・・・」
また由美子のあってはならぬ妄想だったのね。
幻覚だーー。
ていうか、赤ちゃん役の子が可哀そうだ。
別撮りかな?一番クズってる時にこのシーンだけを撮影だね?
動物と赤ん坊だけは、どうにもならないからね。


その頃珠緒は、ベッドの上でぐったり落ち込んでいた。
「やっぱりダメかぁ・・・ちょっと自信あったんだけどなぁ~」
「そんなに落ち込むことないよー。1年で受かったら天才じゃーん」
ベランダで洗濯物を取り込む翔。それを珠緒の体にドンドン乗せて埋まっていく姿が可愛い。
「うんでもさぁ~。センター試験ボロボロで、2次試験も進まなかったんだよぉー。
もう1年頑張っても無理なんじゃないかな~」と弱音を吐く珠緒。
「そんなに辛いならさ、もう辞めていいよ。、元の珠緒に戻ればいいじゃん」
珠緒を埋めていた洗濯物を全て回収して奥で畳み始める翔。
きゃ~!マサくんが家事やってるわよ!!ホンモノ志向だから手つきが慣れてる。
マサくん結婚したら、家事分担も喜んでやってくれそうな楽しいトモダチ夫婦の図が浮かんだ。
「ううん!ダメッ・・それはッダメってばー!」珠緒は、跳ね起きた。
「私一人ならとっくに諦めてたかもしれない。でも翔ちゃんのおばあちゃんも応援してくれて
お金まで出してくれたんだよー。その気持ちに応えないと」
翔の顔色が変わり鋭い目・・・
それに気付かない珠緒は、
「あ、そうだ!もう一度お願いしますって挨拶に行こうよ」と、どこまでも純粋で前向き。
「いいよ、俺が、ちゃんとよく言っとく」
「でも、さ、」
「いや、ちゃんとよく言っておくから、大丈夫」
珠緒に真実が一発でバレるしね。止めないと。


10月
―センター試験まで3か月―


由美子は、島田に逢いに行った。
職人さん作業員さんが利用しそうな、何でもあってこれがまた巧い!という感じの店。
珠緒の様子が知りたかったのだ。
ほんとに合格したら由美子困っちゃうどうしようって腹ね。
でも表面的には、何も心配してない風に装う…バレバレだけどね。
「いくらねー島田くんが、そんな指導したからって医大なんて無理なんだから」
はっはっは・・・と苦しい笑いをしたかと思ったら「早く諦めさせてほしいの」って何さ。
「だって~、このままじゃ翔が哀れで」と並べる。
「・・翔くんが?」
「う~ん・・彼女の学費まで、翔が貢がされてる。町金か何かに手を出したら、
もう~どうしましょう・・・とかね」
だが、ここで島田から
「そんな心配要らないだろう、君のお母さんがスポンサーになってるんから」
と、由美子にナイショな件が発覚しましたぞ~。
内緒にしても、珠緒から島田に(素直に)情報が筒抜け・・・だから由美子にも時間の問題だった。

「うそでしょ?母がッ!!!」

デカい声なので、皆が振り向いた。
「由美ちゃん、知らなかったのかい?」


由美ちゃんは、さっそく満津枝に電話。緊急だから手紙書いてる場合じゃないね。
「お母さん!いったいどういうこと!?翔の彼女、ほんとに医大に入れてやろうなんて
思ってるんじゃないでしょうね?」
「まあ、落ち着きなさいよ、由美子」
「ああ・・・私もう、なんだか何がなんだかわからない~ッ」


そこで・・・


翔が福原家に呼ばれ、満津枝から説明を由美子にすることになりましたとさ。
満津枝は、ゆっくり茶を飲み・・・ホッと一息つく。
「いいかい、翔ちゃん。今年で最後だよ。もしその子がもう一度受験に失敗したら
今度は、あなたが」
鋭い目つきになる翔。


のだめと申します!

「う~ん・・・判ってるよ~」
「え・・?どどういうこと!?」この上まだ翔が何か?由美子ドキドキ~
「・・いや、1年前に、おばあちゃんと約束したの」
「約束?」
「うん、300万必要だっていうからね、まあー私がなんとかしようって言ったの。
それで、その子が2年経っても医大に入らなかったら、その時は」
「その時は?」と、由美子。
満津枝は、頷いてあなたの台詞よと翔を促す。
「・・・僕が大学に行きますって」仕方なく答える翔。
「は・・・・!翔ちゃん・・・」驚きと感激でフラフラの由美子。
「う・・ん・・・やくそくは、まもるよぉー」
「ヨシッ」と、満津枝。
「そうだったのー、さすがお母さん。ありがとうございました。
翔をそこまで考えてくださって・・・いやっは・・・」語尾は涙ぐむ由美子。
「300万でこの子が心を入れ替えるんだったら、安いもんよー」
盛り上がる由美子と満津枝・・・腑に落ちず、面白くない翔。
そこへ健治が帰ってきた。
翔と満津枝を見て驚く・・・でも由美子が感激という訳のわからない図。
「お母さんのお陰で翔は大学に行く決心してくれた」って大喜びな報告。
「ほんとか?翔」
ふさぎ込んでる翔を見て、なんだか心配しちゃうよね健治は。
「ね、お母さん、今日は泊まって行けるんでしょ?あ、じゃあなた先にお風呂に入って~。
ちょっと待っててね、美味しいもんいーっぱい作るからね~♪」
浮かれまくりの由美子。
辛そうな翔。


あら、結局4人で食卓を囲ったのね。そうね可奈もいないし
この空気では、おばあちゃんも来てるし飯を一緒にしないと・・・どうせ珠緒は、勉強忙しいし
久々にお母さんのオイシイ手料理食べでもいいとも~♪だったんじゃない?翔。

ハンバーグに唐揚げにオムライスってみんな翔の好物なんだろうね。
みんなのグラスにビールが注がれた。そうね、全員成人してるメンバーだものね。
満津枝は、健治から今の会社でも「腹をくくって頑張る」ことを聞いた。
「家族の為に、この家のローンの為に、新しい会社で頑張ります」と。
「パパッ、そうよ~。頑張って実績積めば、パパならきっと直ぐに部長になれるわよ~」
また、そういう自己中前向きな言葉を吐く由美子。
満津枝は、とりあえず乾杯することにした。健治の沈んだ目の色を感じたのね。
翔を促し乾杯させる健治。

のだめと申します!

一杯飲んで皆して「いただきます」と食事開始~。

「翔ちゃんもねー、そろそろ将来の設計図作らないとねー。
ひとのやるの見て励ますなんてー、そらーマラソンの沿道で旗振ってるだけの人よー。
自分が走らなきゃ何の意味もない・・・・だけど、もうじき、翔ちゃんにも走ってもらうよ」
満津枝の例え話は、もっともだ。
「そうね。翔ちゃんは、ちょっと遠回り道しちゃったけど、またスタートラインに立てばいいのよね。
もう人生は何度でもやり直しが効くんだからー・・あっはは」
翔が嫌そうにしてるのを健治が横で察していた。
由美子の手料理の腕はいいんだろうけど、やっぱ、飯が不味くなったね、翔。

「お父さんは、早稲田の理工学部だし、お祖父ちゃんは、お医者さんだったんだから。
翔ちゃんも頭がイイに決まってる!頑張ろうね、翔ちゃん」
由美子のウキウキ声を聞きながら、飲まなきゃやってられねー翔はグラスのビールを空ける。


のだめと申します!


のだめと申します!

言い返せる立場じゃないから・・・(ノ△・。)喉仏がセクシーなので、載せましたのよ(´0ノ`*)


重たい気持ちを引きずって珠緒のアパートに戻ってきた。
足を止める翔。
その足元に一匹の蟻。ポイ捨てされたまだ少しチョコの付いてるアイスバーの傍を這っていた。
やり場のない翔は、蟻目掛けて地面を強く踏みつけた。
しかし運よく蟻は免れたのか、翔がワザと外したのか、足の付近からチョロチョロと逃げて行った。
殺せなかったのか・・・。
翔は、ずっと蟻が自分の象徴だと思ってるみたいね。
蟻のように小さく弱くそして自由に這い回れる。
でもさ、簡単に踏み殺される身の上なんだよね。
その蟻を殺すことで、
自由を壊す=由美子の言いなりになる
という行動だったんだろうか?
幼い時、由美子が踏みつぶした蟻の如く、母親が思い描く理想の為の生贄・・・
それが嫌だからわざと外した?
自棄になって酒飲んでたから酔っぱらってバランス悪くて狙えなかったのか?
フラフラした足取りで中に入って行った。


珠緒は、以前バイトしてた『ボヘミヤン』の店長・水谷(児嶋一哉)から高級レストランで
ランチを御馳走になっていた。
「ここ、めっちゃくちゃ高そうですね」と珠緒が感激するほど旨い料理。
「今日はね、お金の事は心配しなくていいの。私の元彼につけとけばいいんだから」
「元彼って?」
「高校の同級生だけどー、美容整形外科やってるの。
ほら、よく宣伝してるでしょ?オオムラ美容外科~♪って」
「え~?(おおつかじゃないんですねー)」驚く珠緒。
「国民の税金使って、国立大学の医学部出た癖に、お金儲けに走っちゃって・・・
(立ち上がって、下のフロアの見下ろす)白金に豪邸建ててイタ車何台も乗り回して
同じ医者でも大学病院の勤務医なんかピーピー言ってる時代に、そういうバブリーな医者も
居るって事」
「うわ~・・昼間っからシャンパン飲んでるセレブの奥さんも居るんだー」
下のフロアの目にし珠緒が感心。
「白金ーゼってヤツよ」水谷が説明。
白金ーゼ?
ああそうかい・・・o(゜∇゜*o)(o*゜∇゜)o~♪
私だって

確かに・・・
城がねーぜ( ̄▽+ ̄*)だよ~ん。


シャンパンセレブ奥様って可奈だったのね。
航一を連れて高級レストランでランチかよ・・・いい御身分だね。
その可奈が「はー・・やってらんない」ってシャンパンをゴクゴク・・・
おかわりまで所望してた。
わー、こういうところ由美子譲りなんだね、酒豪だよ。
玲一との結婚生活に不満が出てるようだね。


雨の中、由美子は、珠緒のアパートを訪ねた。
1度場所知っちゃったら容赦なく来るよね。
「あーれー、翔ちゃんのお母さん」
ヒマワリ入りの闘魂鉢巻き姿の珠緒が出てきた。
「翔は、いますか?」
その翔は、屋上で洗濯物を取り込んでいた。
雨の為、タオルを被って戻ってくる。
「あ。翔ちゃん」
由美子のお出迎えに一瞬言葉を失う翔。
「何しに来たのー」迷惑そー。
由美子は、翔の為に高卒認定試験のテキスト類を持ってきた。たっぷりたっぷり・・・
「おー!翔ちゃん高卒認定試験受けるのー?」珠緒が興奮しテキストを手にして翔の傍に行く。
「俺がそんなの受けるはずないじゃーん」濡れた洗濯物を部屋干ししながら翔が答える。
「え~、ちょっと翔ちゃん挑戦してみたらー?
あー島田先生も言ってました。受験することは人生の選択肢を広げる事だって」
さすが、島田教祖の強い信者珠緒。
「あなたは、黙ってて」と、外野扱いの由美子。
「あーごめんなさい、でもさー翔ちゃん、」
「珠緒までなんなんだよ、もう」少し声を荒げる翔。
その様子をしっかり見届ける由美子、なんだか仲がよくないみたいーって。
「こんなの要らないからさ、もう帰ってよ」
と、卓袱台に積み上げたテキスト類の上に乱暴に置いたためバサバサ落ちる。
「翔ちゃん、おばあちゃんとの約束。忘れたわけじゃないわよねー」
「・・・おばあちゃんとの約束って?」何も知らない珠緒。
「は~・・・いや、なんでもないから」うわ気まずい・・珠緒には知られたくないよね翔。
窓を開けると、ゴロゴロ雷が鳴っている。
目がッ目がッ怖いぜ翔ちゃん。
「私、翔ちゃんのおばあちゃんには、すっごく感謝してるんですよ」なんて素直でいい子なんだ珠緒。
「あ~母があなたを応援してるとでも思ってるんですか?」なんにも知らないくせに口出すなと言いたい由美子。
「あ、だってそうじゃなきゃ300万も貸してくれませんよねー」
「思い上がらないでちょうだい。最初っからあなたなんか医大に受かりっこないって、
うちはみんなそう思ってるわ」
「・・・どういうことですか?」
由美子は、もう翔は我が手にある如くな姿勢で、作ってきた御惣菜のタッパー類を
当然な顔して冷蔵庫に入れながら、ものを言った。
「この際だから、はっきり言いますけど・・・(冷蔵庫の中が卵とコーラしかなくて)
あら、何もないわ・・・(タッパーをそのまま入れる)
今年もあなたが、落ちたら、翔が大学を受験することになってるの」
さも誇らしげな由美子。
「・・・・」言葉が出ない珠緒。
落雷の音。
黙って窓の外を向いている翔。
「うっふ~ふ。そういう交換条件でー、母はお金を貸したのよ~うふ。
すべては、もうぜ~んぶ翔の為なの、うふ」デレデレ声を出す意地悪な由美子。


計画的犯行・・・
だまされた・・・
信じているものに裏切られた思い・・・
自分の存在をまるきり消された思い・・・
固まる珠緒。


涙目の翔は、ゆっくりを振り返り
「いいかげんにしてよ・・・」と声に出す。
「ん?」まだ呑気な顔して頭を花畑にしている由美子。
バシンと窓を閉めると「もう帰ってよー」とやってきた。
「もう帰ってよー!」
翔は、声を上げ「もうやだ・・もぅ・・早くッ」涙声で
無造作にテキスト類を持ってきた袋にさっさと入れると由美子の手を引っ張り
「も、立ってよ、ほらッ 早くッ立ってッー、帰ってー」
ドアの方まで強引に連れて行った。
「しょうーちゃん」母親は動じない。
「早く帰って」翔は、ドアを開けて出て行けと手で示す。
由美子が外に出るとバサっと袋を足元に落としドアをバタンと閉めた。
諦めたくない由美子は、テキストの入った袋をドアノブに掛けて帰った。
なんだか、勝利の顔している。
多分、母親の勘から翔のおかしな態度でこの二人はもうダメだって思ったんじゃない?鬼だわ。


真実を知って茫然とする珠緒。
中に戻る翔は、卓袱台に腰を下ろした。
「・・・・黙っててごめん。・・・・おばあちゃんだってさー老後のための大切なお金だから。
ただで貸してくんなくて」
「・・・グス・・・私・・・翔ちゃんのおばあちゃんにはすごく感謝してたんだよ。
あんな嫌なお母さん産んだ人にしちゃ・・なんていい人なんだろうって思ってた」
俯く翔の顔がピクリとする。
「でもそれって違ったんだよね。グス・・やっぱりあのお母さんの母親だけあるさー」
悔しくてたまらない珠緒が吐いた言葉・・・それは翔の心に物凄い痛みを突き立てた。
いくら本人が嫌がっててもその身内の悪口を言っては、ならない。
「それ・・・・・いくらなんでもちょっと言い過ぎでしょう」
「アタシが悔しくって悲しいのはさー・・・」
珠緒は、翔を突き飛ばし馬乗りになった。
座っていた卓袱台が倒れて乗せていたものは、散乱した。
「ねー!翔ちゃんが、そういう人に加担したってことさー!!!
珠緒ならきっと医大に受かるよ、バカにするなってなんで言ってくれなかったわけー!?」
翔を叩き泣き出す珠緒。


のだめと申します!

「・・・だって、そんな風にさ~怒るよりもさ、お金借りた方がイイかなって思ったから」
丁度段差のある位置に翔の頭が乗っていた。その体制で情けない声を吐いた。
「そういうのってさ、ものすごくアタシのプライド傷つけてるんだよぉー。
アタシさー、翔ちゃんを大学に行かせるための道具に使われたみたいだよー!!」


のだめと申します!

「・・・こんなこと言いたくないけどさー、
・・・う・・・珠緒変わっちゃったよぉ・・・」涙こらえて言葉にする翔。


のだめと申します!

「ヒックヒック・・変わんなきゃ受験なんてやってらんないよおぉぉぉぉーーー
うッ・・・グスッ・・・ううッ~ん・・・」


のだめと申します!

「勉強ばっかで、おかしくなるの判るけどさー、
なーんか怒りっぽいしさー、プライドなんて言葉・・珠緒に一番似合わない」
「それって・・・うッ・アタシのこと嫌いになったってこと?」
「あ~う~んそんなことゆってないよぉ~」こういう時も抵抗するわけでもなくダラダラ口調の翔。
「言ってるさーー!!!・・・・(立ち上がり)
うッ・・・グスッグスッ・・・あ…アタシ、どうすればいいわけ?」
「責めないでよぉ~」ようやく体を起こす翔。・・・あ、珠緒がどいたからさー。
「俺だってさー、珠緒に合格してほしいって思ってるよ~。
だけど・・あんまり、珠緒に変わられちゃうのは、ヤだよぉ~。
「ヒックヒック・・そんなそんなの勝手さー」
「あ・・もう・・だっから困ってんじゃんさー」優柔不断すぎる男・翔。
このままでは、埒が明かない。
翔が決められない男なら珠緒が行くしかない。
「・・・私達・・・入試まで別々に暮らした方がいいと思う」
「・・・・・え?」俯いていた翔が顔を上げ耳を疑う言葉を聞いた。


のだめと申します!

「でも翔ちゃん行くところないでしょう?」
「・・・うん」
「アタシが出てく」そういうと、珠緒は急いで簡単な荷造りを始める。
その様子を黙って、見つめている翔。
止めろし、追いかけろや、なんでボンヤリしてんのさー。
ほら出ていっちゃうぞ、大好きな珠緒が。
服の一部が彼是はみ出したバッグを持って部屋を後にする。

のだめと申します!

そんなに慌てて行かなくてもいいんじゃ・・・?


またどこかで落雷の音・・・


のだめと申します!


いいですね~

『愛していると言ってくれ』のトヨエツみたいです。恋人に別れを告げられて去って行ったあと涙するんだよね。

似てる~~~~!!!リメイクするならマサくんでお願い(。-人-。)


のだめと申します!

この雨の中を出て行った珠緒を「どこいくんだ?」って聞きもせず止めもしない翔は、
散乱した部屋を片付け始めた。

のだめと申します!


のだめと申します!


が、やり切れない思いが込み上げ、傍にあったクッションを思いきり投げた。


のだめと申します!


ガッチャーーン!!!!
こんくらいしか、やり場がないのね・・・可哀相な翔(´Д⊂グスン


もう~頑張ぇ~~!!
頑張れぇ~~!!
ぐぁんぶぁれぇい~~(涙)
ぐぁんぶぁれぇい~~(涙)
『ONE PIECE』のボンクレーが死の淵を彷徨うルフィーに掛ける声援のように言っちゃうよ。


珠緒が向かった先は・・・
外に行くと来ないから
島田塾・・・もうすっかり第2の家みたい馴染んでるのね。
水谷や弟たちの所へ行くより、ここの方が学問の空間だし、通う手間も短縮できるわね。
「君の部屋なのに、なんで君が出てかなきゃなんないの」
「だって翔ちゃん、他にいくとこないっていうからー」
「家があんだろう」えー?いや今とても戻れない状況だよ。
「でも翔ちゃん、自分の家には絶対帰りたくないって言うし、
アタシもあのお母さんの所には絶対に帰ってほしくないですー」ゼイゼイ言ってる珠緒。
「そのソファーしか寝るとこないぞ」
「ありがとうございますー」

のだめと申します!

寝袋まで持参してんだ・・・

「痴話喧嘩だけでも時間のロスなのに、風邪なんか引くなよー」
「はい」
珠緒は、乱暴に、ソファー類を組み直しベッドを作り出した。
「あ~!もう~!イライラっする!・・・あ~先生の事じゃないですー。
翔ちゃんちの人たちって心の中で色んな事企んでるんですよー。
人を馬鹿にしてさー、うううーーー!もう~お、ううーん!アタシ、負けないからね絶対にー!」
珠緒ってば、逆境に強い子なんだね。
医者になったら患者に慕われる腕のいい先生になりそうだよ。


さて、ウキウキの由美子は、朝からまた健治相手に
「翔とあの子、あんまり上手く行ってないみたいよー。
別れるのも時間の問題かしらねー」ルンルンパーパーしちゃってる。
「ふ~ん」ぜんっぜーん興味なーし
「とにかく、1日も早く、翔をあのクラスから救い出して大学行かせなきゃ」
「ほんとに懲りないなー」いっけいさん最高だね\((( ̄( ̄( ̄▽ ̄) ̄) ̄)))/
「んー?」キッチンで洗い物をしている由美子が反応。
「いや、なんでもない」
「翔と正反対で、ほら可奈って昔っから見栄っ張りな所あって
お金持ちに憧れるところがあったでしょう?うふ、いつも上のものばっかり見てう~ん
こっちは、心配だったけど、今となっては、自分の理想を貫いたわけよね~」
「・・・そんなにうまくいくものかなー」またまたいっけいさんいいね!(°∀°)b
「ん~?何かいいましたー?」洗い物をカチャカチャ・・・
「いや、別に」あははは・・・こういう小者さんがいっけいさん(´ ▽`).。o♪♪


そこへ、タイミングいいドラマ展開に可奈から電話が入った。
玲一の様子がオカシイと。ほら来たよ( ̄▽+ ̄*)健治の疑惑が的中した。
5日も会社を休んでいるそうだ。
熱もないのに起きられない玲一。
傍で聞いていた健治は、
「うつ病じゃないのか?」そう静かに言った。


由美子が、航一の御守を兼ね、玲一の様子を見舞った。
「玲一さん、一度病院でちゃんと診てもらった方がいいんじゃない?」
「あの~・・お母さん。僕はもともと、金融の道に進むか、医者になるかで迷ってたんです。
医者の道を選んでればなー。今みたいに・・・24時間数字に一喜一憂することもなかったのに。
航一がクズリ出したので、可奈が由美子の腕から抱き上げ「ヨシヨシヨシ」と向こうへ連れて行った。
話を続ける玲一。
「だから、翔くんが医大を目指してるって聞いた時は、応援したいと思ったんです。
でもー、嘘・・だったんですよね?」
「う・・うん。そうなの・・・ねえ~玲一さん、ごめんなさいねー」
「それはもう謝ったじゃない。結婚するのに弟が邪魔になったら困るからああ言ったの」
可奈が口を挟む。
「ふッ・・・ふっふっふっふ・・・
要するに、この結婚は、最初から、君の見栄と嘘で始まったんだよな?」
「玲ちゃん・・・」
情けない笑い声を発するしかない玲一。


12月
ーセンター試験まで1か月ー


『お母さん、可奈は生後9ケ月の航ちゃんを連れて、
北沢さんの実家に身を寄せることになりました。
北沢さんは、うつ病で会社を辞めることになり』
と、まで書いてぐしゃぐしゃに丸める由美子。
「あ・・・こんな手紙・・出せない・・・ああ・・可哀そうな可奈ちゃん」
また苦悩が絶えないのね。
玲一がこんなに早く壊れてしまうとは。
結婚が重荷だったのかしらね。
早々子供まで授かってしまい、まだ気持ちが付いて行ってないのね。
独身なら身軽だからこんな状態にはならなかっただろうし。


(その②へは、こちら)