先日の新曲の余韻が冷めやらぬ11/10、今度はベスト盤の赤盤・青盤が2023mixと数曲の追加トラックを引っ提げて発売しました!

 

自分は今回はCDで予約していました。こちら田舎なので11/11の今日届いたんですよね…笑

 

小学生のころから親しんだジャケットです。昔はカセットテープで持っていて、さんざんウォークマンなどで聴きこんできたアルバムですが、まぁ今回は今までのただのリマスターと違って、デミックス技術を用いたリミックス盤だと言うことで楽しみにしていました。

 

早速赤盤から聴いてました。とにかく初期のビートルズは泣き別れステレオ…というか、左に楽器、右にボーカルとか、ステレオとはいっても極端に分かれているものが多くて、とかくヘッドホンなどでは違和感で聴きづらかった記憶があるんですよね。

 

でも今回は、そのあたりの違和感がほぼ完全に解消されたと言っていいミックスになっていました。ボーカルはセンターに定位し、楽器もコーラスも極端に左右に偏ることなく現代でも違和感なく聞けるステレオイメージに刷新されています。

 

ビートルズの初期の時代は、使えたのは多くて4トラック。それ以上欲しい時はピンポン録音をしてトラック数を稼いでいた時代ですので、たとえマスターテープ以前のマルチテープとは言え…モノラルの1トラックの中にいくつかの楽器をピンポン録音して、音が塊になっている状態までしか遡れません。

 

つまり、どうやっても現代的な各楽器を自然な位置にPANしてリミックスするのは不可能と言われていました。しかし、ここ最近確立されたデミックスという技術によりそれが可能になりました。先日話題になったビートルズの新曲でジョンの声だけをピアノ弾き語りのデモテープから抽出したというあの技術です。

 

これを楽器の分離に応用することにより、まとまったモノラルトラックからそれぞれの音を抽出して、再度ステレオとして配置してリミックステイクを作るという作業により完成した曲が多数収録されているのです。

 

何曲か聞いてみました。

 

まず感動したのが「I saw her~」のミックスの明瞭度!各楽器の音の解像度が上がって、ボーカルもセンターに位置し、ドラムスもしっかり感度が上がってて、リズム楽器がしっかり聞こえる現代の録音をかなり意識した仕上がりに。カッコいいです。

 

そして、今まではモノラルでしか存在しなかった「SHE LOVES YOU」がリアルステレオに!すごい時代になりました。

 

「YOU REALLY GOT~」の各楽器の感度の良さ、「CAN'T BUY ME LOVE」のボトムがしっかりしたミキシングのバランスの良さ、「DRIVE MY CAR」のドラムスの気持ちよさ、「NORWEGIAN WOOD」のベースラインの低いところまでしっかり聞こえるレンジの広さ…

 

デミックスと再リミックスによって、聴き慣れた曲が全く新しい印象になっています。全体的に感じられるのが、ドラムスとベースの明瞭度が格段に上がっているということ。多分ゲインも。最近の曲にあるレコーディングバランスに近づけようと頑張っているのが聴いてて分かります。

 

「IN MY LIFE」のシンバルの響きのキラキラに感心し、「IF I NEED~」のコーラスの分離がものすごくよくなっててドラムスのキックがタイトになっててカッコよくて唸ります。うちのビンテージシステムでさえそう感じるんだから、もっと近代的なワイドレンジシステムを持っている人が聴いたらさぞ!!!って感じます。

 

続けて青盤も聴きました。今回は2023mixだけを中心に…

 

とりあえず何曲かある中でも、「M.M.T」のミックスには興奮しました。元気が良くてワイドレンジで1967年の録音とは思えない音!かっこいい!!

 

「HEY BULDOG」もピアノの音がすごく綺麗かつダークになってて良いです。ベースもリッケンバッカーらしいブンブンと弾力ある低音が聴けます。良いですね…そしてドラムスこんなにかっこよかったっけ?

 

何はともあれ、今回のベスト盤はこれからの新しい若い世代のリスナーにとっての標準となっていくんでしょうね。昔のミックスには昔の音の良さというものがあるんですが、ヘッドホンとスマホで音楽を聴く世代にとって、ステレオイメージは大切ですし、音質もこれだけよくなっていれば楽曲の凄さがさらに浮き彫りになってきますから、若い世代にビートルズの凄さを伝える良い入口のアルバムとなることでしょう。

 

自分も暫く楽しめそうです…