犬と散歩中、普通にすれちがって、会釈したり、遠巻きに眺めたりしているだけなのに、いつの間にか「あの人、いい人だなあ」と好きになっている人がいます。

 

 

一方、普通にすれ違って、遠巻きに眺めたりしているだけなのに「なんか、いけ好かん」と思う人もいます。これは、その人が不愛想だったり、なんとなく偉そうに見えたりする、というのが理由ですが、やっぱり「微笑まない」のが最大の原因かな。言葉を交わさないことが多いだけに、笑顔の有無が印象を左右するのです。かといって、いつも自分が微笑んでいるかというとそうでもないのだけど。

 

 

でも、不機嫌そうに見えたおじいさんがにっこり微笑んで会釈してくれたりすると、もう、ほんと「好き!」ってなるから笑顔はやっぱり大事。

 

 

スーとの散歩で学んだことの一つは、この笑顔の力。笑顔の人は、好かれるよ。老若男女容姿体型、一切関係なし。

 

 

大きな黒いラブラドールが、いつもうちの犬(スー)に吠えかかってくるんです。

 

 

その飼い主さんは、いつも申し訳なさそうに「すみませーん!」と高い声で謝るのです。うちのスーも吠えこそしませんが、近づいたら反撃するに違いないので「いえいえ!こちらこそすみません!」と言いつつ、お互いにペコペコしながら距離をとってすれ違います。

 

 

もし、先にどちらかが公園にいるのを見つけると、遠くから「あ。あっち行きますから、どうぞ、気兼ねなく、ゆっくり公園で過ごしてください!!いえいえ、お気遣いなく。いつもすみません!さよーならー」とジェスチャーと笑顔に、てんこもりの内容を込めて道を変えます。

 

 

すると、その人は、また「すみませーーーん」といつもの高い声で本当にすまなそうに遠くから謝ってくれるのです。

 

 

互いの「すみません」の分量バランスが釣り合っていて、すこぶる気持ちがいい。

 

 

それを繰り返すうちに、どんどん好きになる。犬同士の相性が悪くたって。


 

 

一昨日、娘とふたりでスーをワクチン接種に連れていきました。

 

 

 

 

 

待合室に座っていると、猫を入れたバスケットを抱えた40歳ぐらいの女性がやってきました。どうやら、この女性のおばあちゃんが飼っている老猫で口の中の状態が悪く、食べられなくなっているようです。そんな事情を受付の人に気さくに話しています。常連さんと見た。

 

 

その猫の飼い主さんは受付を済ませてバスケットを床に置き、振り返るとハッとして「こんにちは!!」とわたしに笑顔であいさつしてくれるではありませんか。

 

 

うん?だれ?

 

 

…と思ったら、スーを指して「このワンちゃん、そうですよね。あの…わたし、デカい黒ラブの飼い主です」

 

 

あーーーーーーーーー!

 

 

娘もわたしもそろって立ち上がり、「あああああ」「いつもお世話になってます!」「いつもすみません!」と口々に言いました。犬がいないと人間だけでは識別できないのです。

 

 

その人は、黒ラブのほかに老チワワを飼っていて、家では老チワワのほうがいばっていること。黒ラブは、子どものころに白い犬に鼻先を噛まれて以来、スーに限らず白い犬が嫌いなこと。体重は、50キロでものすごく食べること、ものすごく力が強いこと、すごく可愛いけど家はすごくボロボロなことなどを話してくれました。

 

 

そうか、そうか。そうなんだ。うんうん。

 

 

黒ラブは、今年で4歳。スーは6歳。出会ってから、もう約4年も経つのか。その間、ジェスチャーだけでやりとりしてきて、ようやく言葉であいさつできました。

 

 

記念日だな、これ。

 

 

黒ラブの名前は、ビッグ。見事に名が体を表している。

 

 

最近は、1回聞いたぐらいでは犬の名前を覚えられないので「エミーちゃん」も1回、上沼恵美子のエミちゃんを通過して思い出すなど「関連付けて迂回する暗記法」を取り入れているのですが、「ビッグ」なら大丈夫。

 

 

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イタリアの幸せすぎるYouTubeを見て、「もっと料理して、もっと食べよう」と誓った。

 

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  前記事へのコメント、ありがとうございます。

 

■ことりんごさん

コメントありがとうございます!わあ、うれしいです。わたしも、目からウロコでした。介護って「受け身の者」と思っていましたが、自分でコントロールすると考えると見え方が変わってきますよねえ。

 

■sakae0325さん

ほんとですねえ。時代が変わってきたし、考え方も変わってきました。いろんなサービスを積極的に受けるつもりでいるだけでも、安心感が違うなあと思います。子どもへの負担も減りますよねえ。