今朝は少し頭痛がして、わたしが目を覚ました気配を聞きつけて駆け寄ってきたスーに「はいはい、起きるよ。ちょっと待ってね」と言いながら、「あー、散歩行きたくねえ」と心底思いました。
スーがうちに来たのは、6年前のクリスマスイブ。保護団体から譲ってもらって飼いはじめ、翌年の9月に夫が倒れるまでは朝の散歩は夫、夕方はわたし。倒れてからは、朝夕各1時間の散歩に加え、電動自転車で片道30分ほどの病院に毎日通い、さらには転院だ、親せきの見舞いにまつわるあれこれだ、遠方の施設の見学だと動きに動いていましたが、あれ、今、できるかな。
とても、とても自信がない。
思えば、56歳のわたしは元気でした。気が張っていたのもあるだろうけど、やっぱり今より体力があったと思う。
昨日、久しぶりに美容院に行ったのですが、そこで読んだ雑誌に「年を重ねたら、現状維持は一歩前進」みたいなことが書いてありました。そうだよなあ。去年と同じことを今年も、その次も、さらにその次も…と長い間続けていけたらすごい。その期間が長ければ長いほどすごい。
ほんとーーーーに年を重ねたら、「トイレに行く」「お風呂に入る」とかでも一人でできたらすごいんだから。
今朝は、そんな具合で「あああ。いやだ。しかも寒い」と思って午前6時15分、とぼとぼと外に出たのですが、少し歩くと、いつも会う赤いスニーカーのおしゃれおじいさんに会って「おはよう!行ってらっしゃい!」と声をかけられて「行ってきまーす」とやる気満々を装って返事をしたら、背中のほうで、そのおじいさんに「おはようございます!」と女性が晴れやかな声であいさつをしているのが聞こえました。
あ。あれは、黒と白のトイプードルにイギリス王室のような由緒正しい名前をつけている女の人だ。年齢は、70歳ジャストぐらい。
わたしは知っているのです。その女の人も少し前に旦那さんを亡くして今は一人暮らしなこと。向こうはわたしの事情を知っているかはわからないけど、わたしは、共通の知り合いに聞いていたのです。
そうか、そうか。
あの人も、うちより小さい犬とはいえ、2匹を連れて早朝散歩だ。しかも、声が元気だ!偉い!
しばらく歩いたらスーが草むらの奥でトイレをしたので、よっこらしょと入りこんで袋にとって片付け、顔を上げたら、その女性が通り過ぎるところで「あら、大変なところにしましたねえ!」
「はい!ほんとに!」と笑いながら答えました。
ああ。わたしだけじゃない。この人も一生懸命、犬の世話をしている。
自分で選んで、自分で決めて、自分が勝手に連れてきた犬だもんな。
この子の健やかな幸せのために、毎日尽くそう。スー、がんばるよ。
目標は現状維持。
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