わたしの姉は、ひとまわり上。間もなく後期高齢者に手が届こうとする70代前半、一人暮らしです。

 

 

ずっとWi-Fiにしていなかったため、スマホで検索したり、動画を見たりしてはデータを追加購入していました。当然、通信料が高額になる。

 

 

今回、一念発起して携帯ショップへ出かけ、「Wi‐Fiにしたいのだが、どうすればよいか」を相談したそうです。

 

 

そして、コンセントにさすだけのホームルーターを購入し、設定の仕方を窓口で逐一メモしてもらい、「今日は、一日かけて設定します!」と朝からわたしに電話で宣言し、ものの30分もしないうちに「できました」と報告してきました。

 

 

姉は、先日、ショッピングモール内のメガネチェーン店で老眼鏡を新しく作り、そしてWi‐Fi問題も解決し…と次々に自分が抱える不自由を解決しています。迅速な行動がすばらしい。「その店に行ってわかるまで尋ねる」のもすばらしい。設置などを自分でやってみるのもすばらしい。マネしたいと思います。

 

 

Wi‐Fiについては、

 

 

ホームルーターはもっと安いのがあったのではないか。

ショップに行かず、オンラインで買えばもっとお得だったのではないか。

 

 

など言い出せば、きりがありませんが、

 

 

年をとったら、

 

 

大損でなければ、少々損しても「自分にわかる範囲で、できる範囲で、問題をとっとと解決したほうがいい」

 

 

と最近、思います。

 

 

わたしの近所の人もトイレから水があふれるようになり、いつも何かあったら駆け付けてくれる業者さんに相談したところ、「これは便器ごと交換しなければ」と言われたそうです。もう古かったのでお願いしたと言っていました。

 

 

これだって値段を聞くとちょっと高いと思うけれど、「いつも駆け付けてくれる」がポイントなんです。

 

 

「もっと安いところがある!」と、もし、その人の子どもが言って実際に安いところを見つけて来たとしても、「いつもすぐには駆け付けてくれない」。この業者さんを断ると、高齢になった母の頼れる人が一人消えるのです。

 

 

そういえば、わたしの母が元気なころ、食料品の買い物にいくついでに立ち寄ってはおしゃべりして洋服や小物を買ってくるお店がありました。まあまあの値段のものばかりだったので、若かった姉は「もっと安くておしゃれなお店がある」とブツクサ言っていたけど、今思うと、あれも大きなお世話でした。

 

 

母にとっての一番の価値は、おしゃべりしながら服を買えること。気兼ねなく選び、気兼ねなく試着して、「似合ってますよ」と同世代のオーナーにほめられてうれしくなること。そこに楽しい世間話もついてくる。どこからか友だちもやってくる。

 

 

大損しない限り、余裕をもって払える範囲に収まっている限り、多少の損には目をつぶる。

 

 

その「損」の部分に、年をとるごとに得がたくなる「いつでも呼べば来てくれる」「気楽に選ばせてくれる」「話していて楽しい」などの大事な大事なものが含まれていることもあるのです。それは、自立して生きるために必要なものです。

 

 

子は親が、「だまされていないか」「大損していないか」と気になるけれど、警戒心ばかりをとがらせるのでなく、少し鷹揚さをプラスして考えたいものです。(と自分の親がいなくなってからわかっても仕方ないけど)

 

 

わたしも娘にうるさく言われても、ちゃんと自分なりの理由を説明できるように、今から準備しておこうと思います。

 

 

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