年をとったら貯筋!といわれます。
ネットを検索すると「貯筋運動」なるものも推奨されていました。
無理なく筋肉を鍛えて、筋力の低下を遅らせ、健康寿命を延ばしましょう。
ということですね。
それなりに鍛えられた筋肉があれば、とっさのときに瞬発力も発揮でき、ぐーっと柔らかくしなることもでき、しなった分、その反動を生かして駆けだしたり、跳躍したりもできる。重たい荷物を持ちあげるのも、持ち運ぶのも筋力あってこそ。耐久力や持久力にも差がつきます。
柔らかくて強い筋肉は、からだのいろんな「動き」を可能にしてくれるわけです。
先日の朝、お風呂の浴槽を開けると昨夜よりお湯が減っている気がしました。わたし一人だったので、そのあと誰かが入ったわけでもなし。
もしや、浴槽の底が割れているのだろうか、とイヤな予感。
わりと重めの折りたたみ式蓋を何度かガツンと落としたこともあるし、マンションの前の持ち主がリフォームしたお風呂だから、すでに30年近く経過。ガタが来てもおかしくありません。
ふえーん。
浴槽交換?ってことは、もう、お風呂まるごと変えたほうが現実的じゃない?ってことは、この狭い洗面室と古い洗面台も?将来のことを考えると手すりもつけたほうがいいのでは?
お金のことを考えてユーウツになったり、どこまでの工事にするかを考えたり、きれいなお風呂を想像してうっとりしたり…なんてことより、これからもあちこちガタが来るに違いないこと、そして、それを修理したりリフォームしたりするんだと思うと、はー、面倒くさい!
突然の故障がそもそもメンタル削ぐし、段取りが面倒くさいし、お金も減るし。いやだねえ。人生ってなんでこう「用事」の連続なんだろう。
旅行行っても、ごはん食べても、待つのは「片付け」という名の用事。フー。
結論から言うと翌朝起きてお風呂を見るとまったく減っていなかったので、自分がお湯をたくさん使ったことを忘れたか、オバケがお風呂に入ったかのどちらかだったようで「お風呂(洗面室)リフォーム問題」は棚上げとなりました。
でも、いつかは、せねばなりますまい。
「せねばなりますまい」という、この引き締まった気持ちを無駄にするのもあれなんでリビングのエアコンを買い換えました。23年めの超ベテラン選手。9月に入ってから冷えが悪くなっていたので「どうしようかなあ」と思いつつ様子を見ていましたが、「このまま、不安を抱えて来年の夏を迎えるのは危険すぎる」と判断して購入に踏み切ったのです。
さきほどエアコン本体が届いて、工事はこの日曜日です。
棚上げになったお風呂問題とこのエアコン問題を経て、「決断も筋力を使う」と気づきました。
日ごろから使ってないと衰える。
判断すべきときに判断するのが億劫だったり、決断するより我慢することを選んだり、使うべき筋肉を使わずに別のところに無理させたりしていると、からだと同じように全体的に不調になり、確実に衰えが進みます。
家の備品の購入やリフォームって、思っている以上に判断力と決断力という「筋力」を必要とするんですよねえ。必ずお金を使う(つまりわずかの蓄えが減る)ので、「お金を減らしたくない」という漠然とした老後金銭不安、老後という名の将来設計不安とも直面し、葛藤する。「この家に住み続けるかわからないんだから、リフォームしても仕方ない」とか葛藤の時間軸が広がりすぎる恐れもある。
この「漠然とした不安」と「時間軸の延長」が曲者。先送りによって「今」を老朽化させる元凶。
年とともに「このままでいいや」「なじんだやり方が一番」っとなっていくから、多くのお年寄りの家はあちらこちらに「故障したまんま」や「古くて不便なもの」を抱えたまま古びていきます。なんとなく足を踏み入れたとき、心が沈む家。更新の途絶えた家。
きっと、心の「貯筋」も、思いっきりゆったり伸ばしたり、ぐっと力を入れて縮めたり、普段伸ばしていないところを意識したりといったストレッチ運動が必要なんでしょうねえ。
こころも筋トレだぜ。
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