水曜の夜は、同じマンションの友だちの家で持ち寄りパーティーをしました。とはいえ、お邪魔するのは、わたしたち母子だけ。持ち寄るというより、招かれたのでちょこっと何か持っていくという感じです。

 

 

 

 

招いてくれた友だちの家は、わたしと同じマンションとは思えない、「まったく別の空間を超優秀な建築家とインテリアデザイナーが手掛けた」といった趣き。雑誌でもなかなか見ないぐらいの完成度の高い空間です。壁から照明から絵画から骨董の置物からラグから食器から、すべてが「ちょっとなかなかない」感じなのです。

 

 

20年以上前からのつきあいですが、彼女は、少しずつ少しずつ、家の壁を塗り、タイルを張り、コンクリートの壁には専用ドリルで穴を開けて絵画を飾り…コツコツと家を創ってきました。ちょっとしたリフォームはありましたが、大規模なものはなし。今も、訪ねるたびにどこか変わっていて、「家を育てる」とはこういうことなんだと毎度毎度、感嘆します。

 

 

わたしが自分の家の壁をセルフペインティングしたのも、彼女の影響です。目の前で出来上がりを見なければ、ペンキで壁なんか絶対に塗らなかった。あれってハリウッド映画の中だけだと思っていました。

 

 

ところが、いいペンキと道具を選べば、こんなに簡単に塗れるんだ、と目の前で示してもらったのです。

 

 

実際にやってみたら、「既存の部屋に何かを新しく買う&置く」よりも「壁の色を変える」ほうが、はるかにイメージを刷新できることを知りました。そして、それは不器用なわたしにも難しくなかった。

 

 

友だちの家が素敵だからといって、わたしが、そこにあるものすべてを一斉に手に入れて同じ雰囲気の部屋に詰め込んでもあの魅力は決して出せない。

 

 

そこには、彼女という人間の文脈があるし、20年以上の試行錯誤という時間が蓄積しているからです。何度も塗り替えられた壁の色、照明器具の配置、和家具の配置、アジア民具の使い方、欲しいものを手に入れるまで待った時間、壊したり、作ったり、並べたり、眺めたりしたたくさんの時間…。

 

 

新築の家が「使われていないゆえに汚れのない美しさ」をもっているとしたら、それとは対極の美しさです。

 

 

加齢の美といってもいいかも。

 

 

ここは築40年の、どこにでもあるマンション。古民家でもアンティーク物件でもない。そんな普通の場所で実現できる加齢の美しさ。

 

 

こんなふうに書くと、その友だちは、めちゃめちゃこだわりのある、とっつきにくい人みたいだけど、実際は、極めておっとりキャラ。でも、本当に楽しそう。凝ったテーブルコーディネートとかはせず、ざっくばらんにゴキゲンに食べる。マダム的自己顕示欲がないのも一緒にいてすこぶる気楽なところです。

 

 

いやあ、試行錯誤はムダじゃないのです。それは、必ずカタチに現れる。家に限らず、あらゆることがそうだと思うので、わたしも、何やかやと試行錯誤しようと思います。

 

 

この本オススメです

アラサーじゃない私が読んでも面白かった。母娘で読んでもいいと思います。

 

 

 

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