文春オンラインで、87歳のYouTuberで著書も好評な多良美智子さんのインタビューを読みました。

 

 

前編も後編もとても興味深かったのですが、一番、ハッとしたのは「主人の葬儀は22万円ですませました」というところ。さらに「戒名を見たところで、子どもたちも孫たちも誰のことだかわかりません」から戒名もなし、というところ。

 

 

徹底している。すごい。世間体を考えず、考え抜いて納得して生きるってこういうことか!

 

 

あー。わたし、しつこく値切っても135万。税金を入れると140万超えだった。告別式と初七日のお布施20万は別。そうかー。そんなふうに徹底できるのかーーー。

 

 

日ごろの買い物なんかでも、それなりに悩んで自分が買ったあとに「さらに上手に買って満足している人」を見ると「失敗したー」と思ってしまうタイプのですが、なんと葬式においても、そのガックリがやってきたか。というか、葬式こそ、人生観の見せどころ。

 

 

「主義」と「体面」の真っ向勝負。「人生観」と「世間体」のにらみ合い。
どちらに軍配を上げるか、いっちばん試されるところだ。

 

 

・・・と自分の不徹底ぶりに落ち込みそうになりましたが、ちょっと待って。ほんとにそうか?

 

 

よく読むと、こう書いておられるではありませんか。

 

 

「主人が現役で亡くなったならまだしも、当時87歳。同僚の方も亡くなっていたし、主人の親族も九州で、そばにいません」と。

 

 

そうだ。年が違う。年の差を無視して単純比較はできないぞ。わたしの夫は、59歳で倒れ、63歳で亡くなったんだから。定年前後とはいえ、後輩も含めると働いている人が大半。亡くなっている人は、ほぼいません。

 

 

さらに、葬儀社の人が来たときに、「しっかり者の娘が、『うちの母はこれからひとりで暮らしていかないといけないから、こんなにお金は出せません』とはっきり言って…」とも書かれています。

 

 

意思決定のプロセスもうちとは違いました。わたしは、すでに駆けつけた病院で「葬儀はする。お世話になった友人たちを呼ぶ。賑やかに見送る」と決めていたし、葬儀社との打ち合わせもその後の諸手続きも、わたし。つまり、「娘」はいるものの、その年齢も社会経験もまったく違うのです。

 

 

「徹底」にも、それぞれのやり方がある。

 

 

そう思って、まあ、わたしは、わたしでよし、と思い直しました。わたしには、わたしの「徹底」があったのだろうし、「不徹底」には「不徹底」ならではの包容力がありそうだ。

 

 

記事のなかには、多良さんが選んだ小さな仏壇の写真も載っています。棚の端に収まって温かい雰囲気がいい感じです。わたしも小さいものを選びましたが、デザインはかなり違います。ヤフオクで古い和箪笥を買ったので四十九日が終わったら、その上に置くつもりです。

 

 

選んだ仏壇

 

 

インタビューは、「主人から家を建てようかと言われたときも、『この団地で十分』と断りました」とさらっと語るなど、堅実さのなかに、周りに流されない信念が感じられました。

 

 

わたしも、自分の頭でちゃんと考えて、そのときそのときに納得して、決断して、生きて行こう。

 

 

 

Amazon総合196位。すごい

 

 

 

久しぶりに私の本も。
レビューが増えています。感謝

 

 

 

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