この前、仕事に行ったら、とても年上のカメラマンさんがいて、他の若いスタッフとなごやかに、うちとけて、偉そうでなく、ヘーコラするでなく、孤立するでなく、とてもいい雰囲気だったので幸せな気分になりました。
年齢差を「窮屈で意思疎通の難しいもの」にせず、「いろんな時代のことを知っている人が集まる楽しさ」に変えるのは、そこにいる、それぞれの年齢の人たちの考え方や姿勢が決めるんですね。若い人たちも、年齢をあまり意識せず、大らかかつ伸びやかだった。
わたしが年齢を一番気にしていたのは、40代だったかもしれません。初めての打ち合わせに行く前なんか、「ええ、こんなオバサンかあ!」とガッカリされるよなあと思っていたし、昼食の時間、10歳ほど年の離れた人たちが懐かし気に話すテレビ番組がわからず、居心地の悪い思いをしました。
あれは、「年が近いからこそ強烈に感じる現象」だったんだなあ。
若いころの「職場」は、貴重な「出会いの場」でもあります。今後の人生をともに歩むことになる人とめぐり会うかもしれない。恋愛関係にならなくても、今後の自分の人生を左右する師や先輩や友と会えるかもしれない。だから、目の前の人への期待は複雑にからみあい、期待値も高いのです。
40代のころは、まだ、そんな期待の記憶が残っていたんでしょうね。自分が仲間外れになっていくような、もうなってしまったような寂しい感覚を味わっていました。
それが、年齢差が開いていくとともに次第になくなって、いまは、純粋に仕事をするためだけに出かけています。爽やか。
不思議に「年上でごめんなさい」という気持ちもなくなりました。年下にも年上にも丁寧に接すれば、年齢なんてどうでもいいかと思っています。
ただ、「あーどーもー」といった業界に長いんですよ的なマンネリ感満載の挨拶はしない。
年をとるからこそ、フレッシュに。
毎回、気持ちを仕切り直してすっきりと新しい気持ちで仕事場へ行く。
「忙しい」と言わない。
「忙しい」ふりもしない。
ほかの仕事の電話も基本的にしない。「この仕事は、数あるものの一つ」という印象を与えないため。
この仕事は、わたしにとって大切なもので、いまはこれだけに集中していますという姿勢を見せる。
このあたりは、つねに大切にしてきたし、いまもしています。
あと、これは今後の夢ですが、若いスタッフに同行するとき、「この人、年はとっているけど素敵でしょ」と堂々と紹介したくなるような雰囲気になれたらいいなーと思っています。難しいけどね。
身だしなみにも、それなりに気をつけて、真摯に腕を磨き、包容力のなかに頼りがいを感じさせる人になりたい。
よかったら、こちらもお読みください。
★ウェブマガジン「どうする?Over40」→映画・ドラマの「正座」「立ち上がり」をガン見する。
★コメントありがとうございます。オフィシャルブログの仕様で、わたしから直接お返事が書けません。こちらのフォームからメールをくださるか、ツイッターで話しかけてください。(ツイッターの返信が一番早いです)
★昨年まで更新していたブログはこちらです→どうする?年齢とおしゃれ。それらすべての生き方
★雑談するだけのポッドキャスト番組「That’s Dance」もやっています。(今週金曜、久しぶりにわたしも参加します。よかったら聞いてみてください)