今週、60歳になりました。47歳のときからブログを書いてきて早13年。馬齢を重ねてまいりました。

 

 

思えば、その当初から「頭頂部の毛が薄くなってきているレポート」「髪質よりボリュームが欲しい問題」「薄毛を隠すには何をすべきか!?」などについて、手を替え品を替え書いてきました。

 

 

しかし残念ながら、というか、当然ながら根本解決には至らず。

 

 

薄毛で思い出しましたが、うちの近所に年輩の上品な奥さんがいるんです。いつも颯爽と歩いておられます。かつて美人であったろう顔立ちは、今も彫りが深く、十分に美しい。服装も、いつだってちゃんとしておられる。ただ一つ、惜しむらくは、毛染めをする間隔をかなり空ける方針と見え(わたしも人のこと言えないが)、いつもいつでも頭頂部がぽっかりと白い。白いだけでなく薄い。とっても薄い。

 

 

あんなに上品なのに、あんなに凛としているのに思い出を一つだけ語れといわれたら、「いつも頭頂部が薄かった」って言ってしまいそうなほど「あー。頭頂部があの感じじゃなければなあ」と毎回、残念に思います。

 

 

極端な薄毛の破壊力は大きいのです。上品さも、おしゃれも、吹き飛ばす勢い。

 

 

で。

 

 

47歳のわたしより、60歳のわたしの薄毛は進行しています。これといって本気に育毛に取り組んできたわけじゃないので当然といえば当然ですが、その「過疎地」は、頭頂部から前頭部へと広がりつつある。手鏡にそのエリアを映したときの絶望に似た逼迫感は、小高い丘に立って限界集落を眺める村長さん並み。一刻も猶予なし。

 

 

これまでも気になる頭頂部には、スーパーミリオンヘアー を振ってきましたが(女性の薄毛には大変効果的なのでおすすめですよ)、家にいるときは振りたくない。できればスタイリング剤もつけたくない。

 

 

素髪、生髪でいたい。でもスタイリング剤をつけなければ、パーマが戻らず、きれいなカールが出ない。ああ、でもつけたくない。つけなければ、頭はボサボサ。鏡を見るたびに、ばあさんすぎて萎える。

 

 

そうだ。ヘアストールで隠そう。

 

 

と、こういう流れになったのです。

 

 

そんなことを月曜にも別の記事に書いたら、ツイッターで白洲正子氏や向田邦子氏も「頭に布を巻いていた」ことを、在りし日の美しい写真とともに教えていただきました。「そうか。やはり、頭に布だな」と勇気百倍。

 

 

 

 

巻こう。キリっと巻こう。

 

 

さっそく家中の長方形ストールをいろいろ巻いてみました。

 

 

あまりにカラフルで大胆な柄だと顔の平たいフランソワ・モレシャンさんという感じになって柄負けします。そして、なんかちょっと古い感じがするんですね。昭和のいつの頃か、こんな感じでスカーフを巻いていた人をブラウン管の向こうに見た気がする。ストールの長さも重要です。あまりに長いとグルグルと何回も巻きつけなければならず、そのために厚みが出てインドのお父さんみたいになる。巻かないで端を長めに肩に下ろすと銃を抱えたタリバーンみたいになって砂漠の兵士感が出る。

 

 

布一枚の存在感は思ったよりデカく、ちょっとした素材や巻き方の違いで時代と場所がズレる。布もズレるが、センスもズレる。

 

 

そして本日、専用のヘアストールが届きました。↓これです。このネイビー。

 

 

 

 

 

 

袋のなかに3つの巻き方が紹介されているので、それを見ながら、いろいろとやってみました。いろいろとはいえ、簡単な巻き方ばかりなので、どれもすぐにできました。

 

 

なるほど、そうか。髪には髪のヘアストールなのだ。輪っか式のヘアバンドが時に後ろにずれて、いつの間にかとんがり帽子みたいになってしまうこともあるのに比べ、ズレることもなく落ち着いています。

 

 

さっそく娘に写真を送ったら、「陶芸家やん 笑笑」という言葉が返ってきました。「気骨ありすぎ。わろた」という言葉も帰ってきました。

 

 

褒めているのか、けなしているのか、馬鹿にしているのかわかりませんが、

 

 

ボサボサの薄毛より、気骨ある陶芸家。

 

 

同時に部分ウィッグ探しも始めています。

 

 

薄毛問題は、新たなステージへ。60代もよろしくお願いします。

 

 

★月曜には、ウェブマガジン「どうする?Over40」にも書いています。

老いを先取りして、はつらつとした自由を得る道も。