「ドライヴ」目で語る主演二人の演技と照明・色彩が素晴らしかった | のっちのブログ

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40歳を過ぎた中年男の日々の思いや出来事を徒然と・・・

☆=20点
★=5点
☆☆☆☆

無駄なぜい肉をそぎ落として100分ジャストに凝縮されたクライム・サスペンスの傑作。
最近観た映画だと「エッセンシャル・キリング」ほどではないけど「天使の眼、野獣の街」や「哀しき獣」のように音と映像ですべてを見せてくれます。
主演の二人は他の作品でも「目ですべてを語る」演技を見せていたので、本作はまさに適役。最小限に抑えられた台詞の中で二人の目で語る演技が光っていました。
そして何と言っても照明と色彩が素晴らしく、それがセンス抜群の音楽と合わさりすべてのシーンが芸術作品のような美しさを持っていました。

以下、若干のネタバレあり。

しかし、余分な部分を一切そぎ落としてしまったせいで突っ込みどころは満載。ドライバーの人生最初で最後の恋と言うけど一体なぜそんなに惚れてしまったのかが分からないし、後半でマスクをかぶった意味も良く分からない。ラストもアルバート・ブルックスがなぜ仕留められなかったのかも良く分かりませんでした。

まぁでも突っ込みどころはあるけれど大好きなウォルター・ヒルの「ザ・ドライバー」やデ・パルマの「スカーフェイス」、スコセッシの「タクシー・ドライバー」など、70~80年代のアメリカ映画を、芸術的な色彩と照明でヨーロッパ風にアレンジしたスタイリッシュで心に残る傑作でした。