こんにちは、スタルペスです。

前回の菊池市の「赤星やんぼし塚古墳」の次に向かったのは、「古池城跡(ふるいけじょうし)」です。

城跡に古墳があるというので、行ってみることにしました。

 

 

 

※出田集落に入るし古池城跡の小さな案内板が立てられています。お見逃しなく!

 

 

 

「古池城」は、またの名を「出田城(いでたじょう)」とも呼ばれいます。

菊池市の出田地区にあるので「出田城」と呼ぶのだと思いますが、そもそもこの出田地区(旧、出田村)こそ、菊池氏の重臣のひとり出田氏の本貫地であったことによるようです。

 

 

 

※城跡の入口を探しながら向かいます。

 

 

 

この「出田城」・・もとい「古池城」は、「菊池十八外城」のひとつに数えられています。

「菊池十八外城」とは、本城である菊池城(現在は菊池神社)を守る18の支城のことで、18の城が相互に連携して1つの大きな城のように本城を守るものです。

 

 

 

※菊池18外城「古池城」と記載のある朽ちかけた木製の標柱がありました。

 

 

 

全国の「菊池さん」のルーツ「菊池氏」は、平安時代に藤原氏をルーツとして鎌倉時代には幕府の御家人に列せられ、南北朝時代には九州の南朝方の中心人物として大活躍をします。南北朝和合後は肥後の守護職として戦国時代に大友氏に滅ぼされるまで肥後国を治めていきます。

この菊池氏の中心地こそがここ熊本県菊池市なのです。

加藤清正が熊本城を城下町してと築くまでは、熊本の中心地は、ここ菊池市だったのです。

 

 

 

※「古池城跡」は説明板をよく読んでから、この階段で向かいます。

 

 

 

前回の「赤星やんぼし塚古墳」の時は、菊池市の重臣「赤星氏」のお話をさせて頂きましたが、今回は、この「古池城」を築いた「出田氏」のお話です。

出田氏は、菊池氏三代経頼の孫「経信」が菊池郡出田村を領したことから出田姓を名乗ることになる名門です。

熊本には、今でも出田姓の方は多く、”出田産業”や”出田眼科”など熊本市民にもなじみのある苗字です。我が家の子供たちが通っていた幼稚園の園長先生も”出田先生”でした。

 

 

 

※階段は、人の煩悩の数108段あるのだそうです。数えていませんが・・・

 

 

 

出田氏は、ここ「古池城(出田城)」を拠点とし代々この地を治めていきます。

しかし、応仁年間(1467年頃)に菊池氏の命により隈本の地を治めることとなり隈本城(くまもとじょう)を築きます。

この「古池城」はその後、菊池氏の3家老の一人である「城(じょう)氏」の居城となります。

 

この城を出て出田氏が築いた隈本城は、今の熊本城の場所ではなく、3~400m東方向に行ったところでした。

数年前まではNHK熊本放送局や日本たばこ産業(JT)があった場所で、「千葉城」と呼ばれていました。

今もこの地域は、”熊本市中央区千葉城町”という住所です。

 

 

 

※出田氏が築城した「隈本城(千葉城)」の場所です(HPよりお借りしました)

 

 

 

菊池氏はその後、出田氏に代わって鹿子木氏(かのこぎし)に隈本の地を治めることを命じます。鹿子木氏は、これまでの千葉城ではなく、茶臼山の南麓に新城を築きます。

この新城こそ、現在の熊本城の前身である「隈本城」となるのです。

 

加藤清正が入府後は、この地を「隈本」から「熊本」とし、鹿子木氏の隈本城の建物を城の一部として取り込みながら、現在の壮大な「熊本城」を築造することになります。

 

 

 

※熊本城(被災前の写真のようです)HPからお借りしました。

 

 

 

つまり、熊本城のルーツは「千葉城」にあり、「千葉城」を最初に築いたのはこの「古池城」の主「出田氏」だったのです。

 

「古池城」は、城域は不明瞭で108段の長い階段を登ったところが本丸跡となっているようです。

本丸跡には立派な石の社が2基(2柱?)建てられていました。宮地嶽神社と金毘羅宮だということですがどちらがどちらかよく分かりませんが、まずは”合掌”!!

 

 

 


※本丸に祀られている「宮地嶽神社」と「金毘羅宮」

 

 

 

この2社の左側には、しめ縄が掛けられている自然石ぽっい神様が祀られています。どうも・・・”風除け権現さま”だそうです。

 

 

 

※古池城跡の石の標柱(手前)と「風除け権現さま」(奥)

 

 

 

この、本丸の左手には、一段低くなっている場所があります。ここも曲輪跡なのでしょうか?

 

 

 

※本丸の右手の一段下がった場所の曲輪の跡でしょうか?

 

 

 

※これは手水鉢でしょうか?その向こうにも広場があります。

 

 

 

本丸跡の裏手をさらに進むと、いよいよ目的の「出田鬼石古墳(いでたおにいしこふん)」です。

 

 

 

※本丸の裏から下りていきます(本丸の3つの社を後ろから振り返ります)

 

 

 

墳丘はすでに無くなっており、石室だけが微かに開口しているのが分かります。

到底、石室の中に入ることができず、屈みこみカメラを突き出して石室の内部を撮影してみます。

 

 

 

※ここが「出田鬼石古墳」のようです。

 

 

 

この「出田鬼石古墳」は、前回のブログで紹介した「赤星やんぼし塚古墳」と同時期の6世紀に築造された古墳だそうです。

名称の通り、巨石による複式の横穴式古墳です。

昭和31年の調査では石室の中から金環が出土しているそうです。

 

 

 

※石室は開口しているものの、ここまで埋まっていたら石室に入ることはできません。

 

 

 

「赤星やんぼし塚古墳」のある赤星地区は、菊池氏一族の「赤星氏」の本貫地であり、ここはもちろん「出田氏」の城があったところです。

古代からこの両氏の先祖がそれぞれの治めていたのかもしれません。

 

 

 

※「出田鬼石古墳」の石室入口です。

 

 

 

※片手でカメラを石室入口に突っ込み石室内部を撮影した画像です。

 

 

 

鹿児島の島津氏などは荘園の時代から江戸時代まで、連綿と土地の有力者としての地位を維持・拡大をしてきました。

それを考えると古墳時代から、その土地でリーダとして存在した人々は、それ以降もその地位は維持されてきたのではないかと思います。

言い換えれば、古墳時代に古墳に埋葬される首長クラスの一族は、平安時代・鎌倉時代と時代を経てもその土地のリーダだったと考えられるのではないかと思います。

 

「古池城址」と「出田鬼石古墳」のある丘(花房台地)から少し下ったところに、横穴墓群があります。

「出田堂坂横穴墓群(いでたどうざかよこあなぼぐん)」と呼ばれる横穴墓群です。

 

 

 

※草がボーボーですが、この浸食された凝灰岩の崖に20数基の横穴墓が造られています。

 

 

 

※「出田堂坂横穴墓群」の説明板と背後に横穴墓です。

 

 

 

阿蘇山の凝灰岩の急斜面を利用した造られた横穴墓群は、20基以上あることが確認されています。説明書きによると、横穴のひとつからは、蓋付きの坏(つき)が6点、椀の蓋(ふた)、首が欠けた横瓶(よこべ)が前庭部から出土しているとのことです。中には、手擦れの跡が顕著な土器も出土していることから、被葬者の愛用品を副葬していたものと考えられています。

 

 

 

※羨門が二重に作られているのが分かります。築造時は豪華な横穴墓だったのが想像できます。

 

 

 

※横穴墓は、崖の高い場所に築かれているので中を覗くことができません。

 

 

 

この横穴墓群は出土した土器から6世紀に作られた横穴墓であると管変えられていて、先ほど紹介した「出田鬼石古墳」と同時期に築かれたことが分かっています。これらのとこから、この横穴墓は「出田鬼石古墳」の被葬者の配下の人々の墓ではないかと言われています。

 

 

 

※カメラを望遠にして内部の撮影を試みますが、光が届かないので中は写りませんでした。

 

 

 

もしも、「出田鬼石古墳」の被葬者が出田氏(菊池一族)の先祖だったとしたら、部下たちの先祖も同じ丘(花房台地)に眠っているのかもしれませんね。

 

・・・・・・

 

さて、この日のランチを紹介します。

菊池市の「道の駅”旭志”(きょくし)」にある食彩館レストランです。

2005年に菊池市と合併する前は、菊池郡旭志村でした。村を代表する施設がこの人気の道の駅”旭志”でした。

 

 

 

※道の駅「旭志」にあるレストラン「食彩館」です。

 

 

 

旭志村は、熊本県でも有数の畜産地帯、道の駅の周りには牛の飼料用のとうもろこしが沢山植えられています。

この「食彩館レストラン」では、ここ旧旭志村で育てられたブランド牛「旭志牛」を使ったハンバーグやステーキを提供しています。

新型コロナの第5波の時期ですので、お客様はそんなに多くはありませんでしたが、それでも次々に来店していて人気店であることが分かります。

家内は、好物の「肉汁ハンバーグステーキセット」を注文、名前の通りハンバーグからの”はんぱない”肉汁がジューワーと出てくるハンバーグに感動です。

 

 

 

※家内が注文した「肉汁ハンバーグセット」

 

 

 

※この後、ハンバーグから肉汁がどっどどーと出てきます。

 

 

 

私は、”本日のおすすめセット”から「旭志牛ロースステーキセット」を注文!

サラダとご飯と味噌汁がついていて、完全に和食のステーキセットです。

 

 

 

※私の注文の「旭志牛ロースステーキセット」

 

 

 

※やわらくて・・・・文句なく「うまい!!」

 

 

 

あつあつの鉄板にのったロース肉に、デミグラソースをかけたところ、すぐにメガネが真っ白になってしまいます。

お肉の上にのったニンニクのフライと一緒に食べます。

柔らかい旭志ビーフはごはんが進みます。

・・・・

ごちそうさまでした。