2025年入試からの新課程では数学Aは確率、図形、数学と人間の活動(整数など)から高校が2つ選んで履修する。共通テストでは今の所選択問題ではなく確率と図形を必修とするため、高校ではこれら二つの分野を行い、整数問題は扱わなくなる気がする。実際何人か現場の先生に伺ったところ、聞いた範囲ではやはり確率と図形を履修させる。

つまり大学入試から整数問題が消える??

選択問題にさえしてくれれば確率と整数問題を選ぶ高校が増え、整数問題は二次試験でも今まで通り出題されるだろう。当初私は数一でも整数問題は扱うから残るのだと思っていたが先日教科書を見て愕然とした。数一には循環小数があるだけで、約数倍数すら数Aに配置されている。

つまり授業数を増やさない限り整数問題は出題出来ないのだ。

大学入試始まって以来の珍事であると思う。

全てに関してそうだが何故文科省は現場の意見を聞かずに勝手に決めるのだろう。戦時中じゃああるまいし国が何でもかんでも勝手に決めるのはおかしい。

数学Aの教科書を見てもらいたい。人間の生活と活動、とってつけたように座標の分野が載せられている。たぶんベクトルを数学Cに追いやったがための罪滅ぼしだろう。

現場の人間が見れば明らかにおかしい。

教育以外の目的、忖度しなければならない人間の立場、民間企業との癒着、利権、有識者と呼ばれるど素人の大声などが影響を及ぼしていると想像される。

たぶん新課程の会議の場にも現場の教員及び経験者はいたと思う。しかし彼らの声は小さくて届かなかったのだろうと予想する。私が仮に出席していたらたぶん怒鳴っていたと思う。(笑)

文科省は高校数学の時点で数学が実生活に役立つように世間に思わせたいようだ。三角関数と言えば木の高さばかり問うてくる。実にこっけいだ。

数学は工学、経済学などの実学の土台、先の期待にははなから無理がある。数学が役に立つのはずっと先の事である。

(PS)

カリキュラム上の諸悪の根源はデータの分析に始まった統計である。それに加えて別教科としてだが情報が加わる。統計の必要性は理解できるが取り敢えず理系だけで二次曲線の代わりに数学三で試験的に始めればよかったと思う。