救急たらい回しのこと | NobunagAのブログ

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家庭菜園、ゲーム、アイドルなど趣味の話題や、子育て、介護関係のことをつらつらと書いています。




前回、介護の記事で
面会がないまま
亡くなるつらさを
書かせてもらいました。

コロナによる間接的な
被害ともいえます。

今回もやはりコロナのせいで
大変なことがありましたので、
書いてみます。

前回の記事で少し触れた、
意識を失くしてしまう
利用者さん。

実は一ヶ月前に転倒して
いたので、
当然、最初は意識消失の原因は
それを疑いました。

頭を打ったことによる
慢性硬膜下血腫であれば
我々も責任を感じる
ところもあります。

でも家族に聞くと、
転倒した日の昼間
出掛けたときにも、
動けなくなってしまい
様子がおかしかったのだと。

ちょっと待て、
面会禁止、外出禁止では
ないのか?という
疑問をお持ちになる方も
当然いると思います。

この方は持病があるので
経過観察の定期的な受診が
必要な方ということです。

つまり不要不急ではない
外出が必要な
特殊なケースなのです。

なので例外として、
ただ一人外出の
機会があった方になります。

転倒する前から
様子がおかしかったとなると
意識消失の原因が
転倒ではない可能性も
高くなってきたのですが
それでも原因不明では
対処が難しい。

そのため脳神経科で
脳のMRIを撮ったのですが、
まったく問題ありません…

様子を見るよう言われ、
ホームに戻りました。

しかしまた翌日から、
意識を失くしたり
動けなくなってしまう。

そうしているうちに
今度は熱が出てきて…

うちは隣が診療所なので
念のため先生に相談、
血液検査したところ
腎臓の数値が悪いこと
だけはわかりました。

しかし入院病棟がない
小さい診療所ですから、
しっかりした治療は
できません。

翌日、入院前提で
紹介状を書いてもらい
大きな病院を受診しました。

ところがなぜか
そこでは腎臓の数値が
改善してしまっていて…

やはり熱があると
コロナを疑うためか、
そのまま帰って2週間
様子を見なさいと言われて
施設に帰されてしまいました。

腎臓の数値が治っていても、
症状や状態が変わらないのに
困るのですが…

普通ならば腎臓はよくなってる、
でもおかしな症状は出ている、
他も検査するために
入院しましょう!ってなる
はずのところが、
コロナを警戒されるため
それができないのです。

そのままゴールデンウィークに突入。

日に日に悪くなり、
3日前からはまた
高熱が続き…

ゴールデンウィーク中は
うちの診療所も休みだし
施設しか営業してないから
もはや頼れるものは、
自分たちのみ…

というかスタッフは
困れば当然、
僕に相談するしかないし…

ついに一昨日の夜、
痰で溺れているような
重篤な状況になっており、
僕が救急車を呼びました。

救急隊員もこの時期なので
コロナも疑わないといけない、
防護衣を着た完全装備です。

まず保健所に連絡を
して確認してくれましたが

「基本、普段の面会禁止を
徹底している施設なら
事情で1、2回外出した程度で
コロナ感染は考えづらいので
通常の救急搬送で良いと
思います」

とのこと。

そこで救急隊員も
病院に電話をしてくれましたが、
どこの病院も

「コロナの可能性があるから
受けられない」

と断られます。

「保健所からコロナの
可能性は低い、
通常搬送しろと指示されて
お願いしています」

「絶対とはいえない、ダメです」

の一点張り…。

1週間前に受診した病院すら

「そちらで2週間様子を見ろと
言われて見てきたが、
悪くなっているから
こうしてお願いしてるんです」

と救急隊員が丁寧に
伝えてくれたんですがダメ…

ようやく一ヶ所だけ

「入院はできないが
コロナかどうかの
PCR検査だけはできる、
それが終わったら
帰ってもらうしかない」

とのこと…

コロナを疑って受診を
お願いしているのではなく、
コロナじゃなくても
このままでは原因不明で
死にそうだから
お願いをしているのですが、
もうどこの病院も、
コロナコロナ…。

救急隊員も施設のことも
気にかけてくれて

「そうなってくると、
コロナ陽性になる場合も
考えうるから、
仮に検査しても今度は
施設には帰せないですよ。
というか陰性になっても
この状態で施設で見ろと
言ったって無理だとは
思うのですが…
とにかく今できることは
検査しかないので、
検査したあとご自宅に
帰ってもらうことに
なると思いますが、
ご家族は大丈夫ですか?」

と聞いてくれましたが、
家族もさいわい快く
OKしてくれました。

が、検査したところで
この悪い状況には何も
変わりがないのに、
自宅へ帰れというのも
酷な話でしたが…

我々、介護施設の看護師、
介護士が見られないほど
重篤な状態なのに、
家族なんてもっと
対応できないと思う…

でもコロナの可能性を
考えたら他の利用さんも
守らないといけない…。

おまけに念のため家族も
体温測定したところ、
微熱があったということが
発覚してしまいました。

そして帰省した娘さんが
家にいたみたいな話まで。

ますますコロナの疑いも
出てきてしまい…

結局、最終的に救急車を
呼んでから車が動くまで
1時間半…

コロナの可能性ということが
浮上してしまってきたので、
もし陽性なら僕も
濃厚接触者になります。

それどころか範囲が
高熱になってきた3日間、
ということになると
スタッフ全員なんらかの
介護をしているので
下手すると全員アウトです…。

もう営業できません。

それなのに残された利用者は
何人もそこに存在している。

これは困りました。

僕らはマスクくらいはしても
市販レベルのものだし、
防護衣もなにもなく、
密着して介護をするので
どんな努力したって
本当は無防備なのです。

そして何よりも、
心配だったのはやはり
その利用者さんです。

異変は早くからあった。

あったからこそ、
その危険性であったり
考えうる事態を
何度も家族に伝えて
家族も協力して、
受診をしてくれていた。

それなのに見すごされ、
ここまで悪化してなお、
今度は入院をいくつも断られ、
コロナの検査だけをして
家に帰れと言われている…

こんなひどい話があるか、
と思いながらも、
入院を断りたい病院の
気持ちも充分わかるのです。

うちの施設が、
この瞬間そうなったように
田舎の小さい病院は、
もし一人コロナ患者を受けると
機能不全になる可能性がある。

でも僕らは医者じゃないから
病気は治せない、
だから病院を頼るしかない。

それでも断られる現実。

おまけにもしコロナが
陽性であった場合には、
これまでの努力はすべて
無になります。

通常の運営ができない
ばかりではなく、
今度は自分が感染者、
もしかしたら自分の
癌治療している母にも
影響を与えてしまう。

何もかもがつらすぎでした。

助けられない人が
亡くなっていく姿は
何度も経験して慣れています。

でも明らかに今回はそうじゃなく、
予想できたこと、
予想できたからこそ
受診したのに見過ごされ、
そして救急車を呼んでもなお、
助けてもらえずに
半ば見殺しのように
見守るしかない、時間。

助けられたはずが
助けられなくされてしまう。

あれは地獄です。

そしてこの時期、
救急隊員の方は何度も
これを経験しているのでしょう…





検査後、本当に自宅に帰されました。

結果が出なくては
もう施設にも戻せないし…

翌日、結果は幸い
コロナ陰性でしたが
症状はさらに悪化。

当たり前です。

やっと受け入れてもらい、
ICUにいます。



こういうことが
起こり得ることも、
当然わかってはいました。

コロナが騒がれ始めた頃、
Twitterで介護事業を
通常運営することの
危険性なども訴えましたが

「命は医者が守るのであって
あなたたち介護士じゃない」

であるとか

「困ったら救急車を呼べばいい」

と軽々しく言われて
いまだに珍しく
腹立たしい思いが
消えませんが…

要はこういうことです。

僕らは医療が万能じゃないこと、
ましてやコロナが蔓延したら
こういうことが起きること、
それをわかっているからこそ
それに挑んでいく、
介護の現場への理解を、
と求めただけなのです。

やりたくないからじゃない。

やるけれども、
こうした地獄のような
状況が起こり得る、
それをわかっている、
わかっていてもやるけれども
理解をしてほしいというだけ。

現実に命を救う者…

例えばそれが手術などを
意味するのであれば、
主役は医師です。

でも最初の異変に気づき、
医療へと繋げようと
動いているのが
現場の介護士、
あるいは看護師です。

だけれどもそこが
いくら訴えたって、
コロナの対応を優先され
いまは必要な医療が受けられません。

医者が悪い?

違います。

コロナが悪いってことです。

命の選択を迫られたとき、
それで死んでいく人が出たとき、
何もできずそばで
見守るしかないつらさを
僕は改めて経験しました。

経験した以上は、
次に活かすべきだし
自分の人生そのものにも
活かします。

その人を無駄にしないために。

でもまだ今回は、
その方は生きています。

なんとか治ってほしい、
また戻ってきてほしい。

おかえりなさいと言ってあげたい。

命を扱う、救うなんて、
そんな簡単じゃないんです。

困ったらとにかく
救急車を呼べばいい、
そうすれば医者が
助けてくれる。

誰でもできる仕事?

とんでもない。

そんな簡単にできるわけない。

自分の見た世界が
平和であっても、
その裏にある地獄が
どこかで生まれています。

それが他人から見た例外、
極端に運が悪いケース、
であるとしても、
現実にすべてに相対する者にとって
例外なんてものはひとつもありません。

例外はどこにもなくすべてが
等しい命ですから。



とまぁ命、命と言うと
何か特殊なカッコいいことを
してる雰囲気になって
しまうけれども、
実際にはそんな緊迫した
状況の中でも
いつも夜騒ぐ方が

「ウォアァァーーーッ!!!」

と奇声を発して
救急隊員さんが

「!?今の声は…?」

「あ、それいつものです…
気にしないでください…」

という一幕があったり、
やっと救急車が発進して
自分の担当フロアに戻ったら
ズボン、パンツを脱いで
フル○ンになったばあ様が
ウロウロ歩きながら

「あの~…私は何を
しているのでしょうか…?」

と尋ねてきて思わず

「俺が聞きたいわっ!!」

と突っ込みたくなる、
そんなやりとりを平行して
行っているのが介護の現場。

かっこよくないので、
ドラマにはなりませんな…w