■高齢者の運転事故■
先日、87歳の高齢者が
「アクセルが戻らなくなった」
と猛スピードで歩行者を
はねてしまって、
3歳の子供やそのお母さんが
亡くなるという、
本当に悲しい事故が
ありました…。
「アクセルが戻らない」
というのはあくまで
本人の談ですが
通常アクセルが戻らない、
そこに何か挟まる
というのは警察の調べでは
あまり考えられないと
いうことと…
そもそもアクセルより
ブレーキのほうが
強力に作られているから
アクセルが戻らずとも
ブレーキを思い切り
踏み込んでいたら
この事故は起こらないのです。
つまりなぜこうなるかというと、
明らかに運転手の判断ミス。
87歳ですからね…
判断力も低下していて
当然だろうけど。
実はこの方は
元通産省の技術院長で
天下ってクボタの
副社長もしていたとかで
「○○容疑者」
と報道されないのは
マスコミが忖度している
からだなんて言われてますが。
その辺のゴシップ的な
部分はさておくとして、
とにかくある程度、
というよりも非常に
優秀な経歴の持ち主だと
いうことです。
ただね…そういうのって
あまり関係ないんですよ。
僕もこれまでに
アメリカ留学して
某有名大学の教授をしていた
非常に素晴らしい経歴を
持った方の担当を
していたこともありますが…
かなり大変でしたよ。
認知症かどうかはともかく、
高齢者になって
判断能力が衰えることは
止めようがない。
いかに若い頃に
優秀であったとしても、
出来ないことはどんどん
増えていくのです。
今回事故を起こした
高齢者に認知症が
あったのかはわかりませんが、
どんな優秀な人でも
認知症にはなります。
認知症にならなくても
若い頃と同じように
自分でちゃんと判断して
生活するというのは
難しくなるのです。
だから87歳になって
運転するというのは
非常に危険です。
家族は何をやってたんだと、
とても残念に思います。
被害者の御遺族だって
怒りのぶつけどころが、
87のジイサン相手じゃ
裁判だってどれくらい
答えられるのか
よくわからないし
仮に収監されたって
数年で亡くなるわけで
どうしようもないじゃ
ないですかね…
でも自分の周りでも
同じようなケースが
本当にたくさんある。
例えば80代の利用者の
面会にくるのに、
同じ年の配偶者が
運転してきます。
確かにうちの地域は
都会と違って、
バスや電車も少ないから
車がないと移動が
困難な場所です。
世の中には高齢者だけの
世帯も増えてます。
その場合は仕方ない面も
あるんですけど…
それでもタクシーを
使うという手は
あるはずだし、
何よりも同居している
息子夫婦がいるのに
親に任せっぱなし、
という家って驚くほど
たくさん存在するんですよ。
基本的に
「家族がノータッチ」
というのは僕らの中でも
支援が難しい厄介ケースとして
よく話題にはなるんですが、
大抵はひとことでいえば
甘えてますよね。
「うちの親はまだ大丈夫だから」
「親のことまでやってらんない」
ほとんどそう言います。
だけどそういう
「うちは大丈夫」
「親のことまでしてられない」
という考え方が、
こうやってまったく
関係のない他人の命を
奪うことにつながり
かねないのですから、
本当にそれでいいのか？
そうなったときには
親だけでなくて自分たちも
悲しい目にあうのに。
実は自分の身の回りでも
最近、家族が事故を
起こしてしまった人がいます。
その方については
高齢者ではないけど
偶然起きてしまう
突発的な事故でなく
やはりある程度、
本人に責任がある事故。
それを起こしてしまうことで
被害者の方はもちろんだけど
家族、親戚といった
いろんな人たちに
迷惑をかけるし、
傷つけることになります。
事故というのは、
もちろんこんなことを
書いている僕だって
自分が加害者になる可能性や、
自分の家族がそうなる可能性も
否定はできないわけで、
一方的に叩くことは
出来ないわけですが…
それでもね…
87歳の人が3歳の命を
奪ってしまう、
こんな悲しいことって
本当にひどいと思うんです。
以前から車庫入れに
苦労をしていたり、
体が悪くなって
杖で歩いていたような
状態にもなっていて
「運転を止めたい」
なんて本人すら
言っていたそうですから。
じゃあなぜ止めなかったのか、
あるいは止めさせなかったのか。
本当に側にいた連中も
何をやってたの？
と思ってしまいますよ。
とても悲しいし、
残念です。
そして愛する奥さんと、
大事な子供を失った
御遺族の方を思うと
やはり罪に問わないとか
そんなことでは
いけないと思います。
もちろん事故を起こした
運転手だけを責めるのでなく、
こういう事故をきっかけに、
法制度を見直すとか、
「うちの親はいつまでも大丈夫」
みたいな根拠のない
思い込みで現実から
目を背ける人達にも
ちゃんと考えてほしい。