認知症を知ろう2 | NobunagAのブログ

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■認知症を知ろう2■

前回に続き認知症の基礎を
知る企画(?)

・認知症の症状

認知症の症状というのは
大きく分けると以下の2種類になります。

①中核症状

②行動・心理症状(BPSD)

①中核症状とは、
記憶障害、見当識障害といった、
認知症になれば誰もが
ほぼ必ず発症すると
言われている症状です。

中核症状に関しては、
治療することが難しいと言われています。

②行動・心理症状ですが、
こちらは徘徊、興奮・暴力というような
具体的かつ、
その人によって程度の差が大きい
症状となります。

中核症状とは違って、
本人の持って生まれた気質や
環境などによって出てくるといわれ、
場合によっては症状を治すと
まではいかずとも、
軽くすることはできると
言われています。

僕ら認知症の専門スタッフというのは
どちらかというと、
この行動・心理症状に対する
アプローチを得意とする
職業ということになります。



さて、今回は中核症状から説明してみます。

中核症状…記憶障害

認知症になると必ず起こると
言われている記憶障害。

その中でもっともメジャーなのが
この記憶障害だと思います。


脳と海馬の働きについて
簡単に説明します。

人間には関心のある情報を
自らつかみとろうとする能力と、
そうして得た情報を
「記憶のツボ」にたくわえておく
能力とがあります。

しかし年を取ると、
一度にたくさんの情報をつかむことが
難しくなるばかりか、
それを記憶のツボに入れるのに
手間取ってしまうようになります。

年を取ると物覚えが悪くなる、
というのはこのためです。

さらに認知症になると、
記憶のツボが小さくなってしまい、
新しい情報が入らなくなってきます。

それどころかツボが小さくなった
おかげで、
これまでたくわえていた情報まで
あふれ出してしまうような
状態になってしまいます。

ここでひとつ質問しますが、

皆さんは昨日の夕飯に
何を食べたか覚えていますか?



かろうじて覚えてる?w
大丈夫ですか?



では一昨日は?

なんとかわかる?



その前は?



覚えていなかった方、
大丈夫ですw

僕も忘れてます。

覚えていた方はむしろ立派です。


人間というのはさして大切ではない
情報は忘れていく生き物です。

一昨日やその前の夕飯が
わからなくても、
それは認知症ではありません。

認知症の方に同じ質問をすると
たいていこう答えます。


「食べたかどうかすら
覚えていない」


食事の内容どころか、
食事を食べた記憶がなくなって
しまっているのです。

これが認知症の方と
そうでない方との違いです。

よく昔のコントでは

「うちの嫁はメシもくれない!」

とおばあさんが怒るなんて
シーンがありましたが、
まさにそれです。


ちなみに余談ですが、
なぜ嫁ばかりが悪く言われる?

不公平じゃないか!?

という全国のお嫁さんの不満も
重々わかります。

なぜ嫁ばかりが悪者扱いされるかというと、
愛する息子を奪ったから、
ではないと思います。
(多少それもあるかもしれませんがw)

認知症の方というのは、
深く関わってくれる方に対して
本音を見せます。

というより認知症ではなくても
普通の人でもそうですよね。

しかし認知症になると、
言って良いこと悪いことの
区別がなかなかできなくなるので
自分の感じたことを
ストレートにぶつけてしまうのです。
とくに自分に関わってくれる人に対して。

息子や他人の前では
いつもいい顔をしているのに、
嫁の私にはつらく当たる。

それは実は信頼の裏返しでも
あるのです(迷惑でしょうけど、ね)。


さらに余談っぽい話ですが、
記憶をつかさどる海馬が
委縮してくると、
その隣にある扁桃体という
組織がそれをカバーしようとすると
言われています。

扁桃体というのは
感情をつかさどる組織になりますので、
記憶障害が強いほど、
感情が豊かになる
(=悪い意味では怒りやすくなる)
ということです。

皆さんが感じる、
認知症の方がぶつけてくる
理不尽な怒りの原因というのは
ここにあるのではないかと
思います。


その3へつづく