認知症を知ろう1 | NobunagAのブログ

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■認知症を知ろう1■

昔からうちのブログを
読んでくださってる方々には
いまさら…的なお話かもしれませんが
普段ここに書く話題というのは
基本的にグループホームや
それを取り巻くスタッフ、家族といった
いわば認知症が中~重度の方のことが
中心となっています。

ですがもっともっと基礎を知りたい、
という人も多いと思いますし、
実際に僕自身ももっと多くの人に
広く浅くでもいいから
興味を持ってほしいという思いもあります。

そこで今回からしばらくは、
認知症の基礎的なことを
書いていこうと思います。

内容に関しては
「認知症サポーター養成講座」の
テキストがなかなか良い出来なので
それを参考にしながら、
実際の現場などでの話も絡めて
書いていきます。

興味がある方、ヒマな方w
はぜひ読んでみてください。


・認知症とは?

認知症とはどんな状態を指すのでしょう?
年を取ったらみんな認知症?
ボケている状態?

実は以下のように定義されています。

「認知症とは、いろいろな原因で
脳の細胞が死んでしまったり、
働きが悪くなったためにさまざまな
障害が起こり、
生活するうえで支障がある状態が
およそ6ヶ月以上継続している状態

そう、6ヶ月以上継続している状態、
なのです。

たとえば一時的に認知症のような
症状が出ていたとしても、
厳密にはそれは認知症とは
呼ばれないということになります。

・認知症の種類

認知症というとたいていの人は

「アルツハイマー?とかいう病気?
脳が委縮する?」

くらいの認識ではないかと思います。

ですが認知症を引き起こす原因は
さまざまです。
非常に大まかにですが、
分類するなら以下のようになります。

①アルツハイマー
②レビー小体型
③前頭側頭型
④脳血管性
⑤その他

①アルツハイマーですが、
これは皆さんもご存知の通り
脳が全体的に委縮するタイプの
比較的有名な認知症といえます。
すべての認知症の方の中で
5割程度はこのタイプであるとも
言われています。

脳の委縮というのは
記憶をつかさどる「海馬」を
中心に起こってきます。

つまり初期の症状としては
記憶をつかさどる部分に
障害が出てきますので
物忘れなどが増えてきて、
次第に脳全体がおかされることで
いろいろなことができなく
なっていってしまうという
病気になります。

ベータアミロイドや、
タウというたんぱくが脳に
たまることで引き起こされると
いうことがわかってきていて、
治療薬の開発も進んでいるようですが、
今のところ完治させる薬は
ありません。

②レビー小体型認知症。
見えないはずのものが見える
幻視という症状が特徴です。
アルツハイマー型でも人によっては
出てくる症状ですが、
レビー小体型の方の場合、
それが非常に顕著に出ます。

僕の経験では部屋の中に
鹿がいると訴えたり、
トイレに子供の人形の首が浮かんでいる、
などの訴えをする方がいました。
虫が見える方も多いです。

なぜ幻視が見えるかというと、
人間の目というのは脳の後頭葉という
部分がつかさどっているのですが、
レビー小体型の方の場合には
後頭葉の血流がにぶっていたり
することが知られています。

そのために目で見たものを、
後頭葉が正確に判断して
目に映すことができず、
代わりにおかしなものを
映してしまうことになります。

そのため
視は気のせい、ではなく、
実際にその人の目には
それが見えている、
ということです。

またその他の症状としては
パーキンソン症候群といって
手足が小刻みに震えるような
症状が出る方が多いです。

実際にパーキンソン病の
原因になる物質が、
レビー小体型の脳にも
たまっているという報告がありますので、
症状にも似た部分があるということです。

③前頭側頭型認知症ですが、
これは文字通り前頭葉や
側頭葉が障害されるタイプです。
前頭葉、側頭葉というのは
善悪の判断や言語などを
つかさどる部位です。

ここがおかされると、
やっていいことと悪いことの判断が
つかなくなったり、
いくら注意をしてもその言葉も
理解できないために、
好き勝手に生きている、
というような状態になってしまいます。

他のタイプの認知症でも、
いくらかそういう傾向はあると思いますが、
前頭側頭型の場合には、
やはりその部分が突出して顕著に出ます。

昔はピック病という言われ方のほうが
有名だったかと思いますが、
善悪の判断がつかないというのは
犯罪的なことでもしてしまう
可能性もあり、
万引きや痴漢などをしてしまう方が
実はこの病気であった、
ということもあるようです。

④脳血管性。
脳梗塞や脳出血などの、
脳の病気によって脳の一部が
死んでしまったために起こる認知症です。

これは脳のどこに疾患ができたかにより、
症状も変わってきます。

先ほどから述べているように、
人間の脳は部位によって
つかさどっている働きに
違いがありますので、
たとえば脳梗塞が脳のどこに
できたのかで、
症状にも違いが出てくるということです。

また病気特有の後遺症として
マヒなどの身体的なものも
伴ってくることが多いです。

身体がうまく動かないことによる
ストレスなども抱えがちになり、
怒りやすい傾向があったり、
反対にちょっとしたことで
感動して泣くというような
感情失禁という状態に
なる方が多くいらっしゃいます。

⑤その他ですが、
認知症というのは実にさまざまな
病気によっても引き起こされます。

たとえば有名な病気ならば
脳腫瘍、HIVなどでも
認知症の症状が出ます。

他にも脳に水がたまってしまう
正常圧水頭症や、
頭をぶつけた影響が数ヶ月後に
出てくる慢性硬膜下血腫なども
認知症を引き起こします。

原因となっている病気によっては
それを治療すれば
認知症も治る場合もあります。

ときどきテレビなどで

「認知症が治る!?」

などと宣伝されているときは、
たいていはこういうケースを
大げさに紹介しているだけですw


その2へ続く~