◆仲間を大事に◆
介護の仕事は地味な作業の積み重ねです。
何千、何万回もお風呂に入れ、
ごはんを作り食べてもらい、
オムツを替えています。
誰かが亡くなったらそれを悲しむ間もなく、
思い出にひたる時間もなく、
新しい入居者がやってきて、
また同じことの繰り返し。
初めは夢ややりがいを抱いてやってきた新人も、
ひと月もすればグチを言い始め、
三ヶ月もすると辞めたいと言い出し、
一年もつ人のほうが珍しく
三年経ったらベテランの域です。
むろん、報酬を得ているので文句があるわけでもないし、
自分自身はそれなりに長く続けられていて、
その点では自分なりの楽しみも見出してはいます。
しかしながら、これだけ簡単に人が去り、
人材が育たない仕事に対して危機感は感じます。
なにせ高齢者が増大するピークは十年後。
その前に業界が疲弊したら話になりません。
国にも会社にもたくさん問題はあるんでしょうが、
働いている人間たちの意識改革も必要です。
新人もしかり、指導する側もしかりです。
誰からも尊敬される医師、
具体的に命を救える看護師さんに比べれば、
あまりにも地味な仕事。
でも誰かがやらねばならない仕事です。
職員同士で争ってる場合じゃない。
仲間がちゃんと仲間として認め合い、
協力しあえる職場にしていかないと。
一人二人の個人がいかに際立っていても、
数十人のケアはできません。
皆がまずは地味に目の前の仕事をする。
そのためにはしっかり仲間と知識や技術を共有し、
職場全体のスキルを高める。
ミスをする人がいたらそれを責めるより先に、
まずはカバーしてあげる。
そういうことが大事だと思います。
仲間に優しくできない人が、
高齢者に優しくできるわけがない。