グループホームの役割とは | NobunagAのブログ

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■グループホームの役割とは■
 
グループホームとは地域密着型、
簡単に言うと市内の認知症高齢者の
お世話をするための施設です。
正式名称は
「認知症対応型共同生活介護」。
 
定員は1ユニットで9名。
うちの施設は18名。
 
特養なんかに比べたら
ずいぶん少ない数字です。
 
基本、全員が認知症なので
「共同生活」
なんて言っても、
実際には最近書いているように、
ある人の症状が他の人に悪い影響を与えたり、
良い面ばかりではないのも事実。
 
対応は難しいので本当に
いろんなことに悩む日々です。
うまく対応できないときだってあります。
 
そしてそんなことを正直に書けば
グループホームは役に立っているのかと
いうような手厳しいつっこみをされます。
 
もはや僕個人がそういう想像力のない
意見に関しては
悩むつもりもありませんが、
グループホームの役割が他の方に
誤解されると困るので
これだけは書いておきたいなと。
 
僕らは単純に18人だけを
見ているつもりはありません。
少なくともケアマネとしての自分は、
そうです。
 
前の記事に書いているように、
僕は相談に来た人を、
たとえば定員いっぱいだからといって
無碍に追い返したりしません。
 
入居者が施設のルールに反していても
すぐに追い出しません。
 
申し込みの相談に関しても、
場合によっては他の施設、
それもできるだけ評判のいい施設を紹介します。
 
上司には怒られますが、
人を救うときに自分の施設の売上が
落ちるかどうかなど、
まったく気にしません。
 
その人がその人らしく生きられるように、
誰にも自分に合った施設を選ぶ
権利があります。
 
自分でできない人なら、
お手伝いしてあげるのが仕事です。
 
包括支援センターにつなげる場合にも、
ただそこへ行けなどと言わず、
 
「相談しやすいように、
私から包括さんに話を通しておきますね」
 
と伝えて事前に包括支援センターには
こういう人が行くから、
ぜひ助けてあげてくださいとお願いします。
 
なぜそこまでするんでしょう?
 
それは
 
「困っているときに誰も助けてくれないつらさ」
 
を知っているからだし、
 
「誰かが助けてくれたときのうれしさ」
 
も知っているからです。
 
そして一番大事なのは、
そんな心情的なこと以上に、
それこそが「地域密着型施設」の
ケアマネの役割、
それがグループホームだと
思っているからです。
 
自分の住む地域の、
おじいちゃん、おばあちゃん、
あるいはその家族が
こんなに困っているのに、
なぜ見て見ぬふりができるのか。
なぜ伸ばしてきてくれた手を
振り払うのか。
 
同じ地域に住む、
仲間じゃないかと思うんです。
 
仕事を超えて、
そう感じます。
 
だからそれが仕事として
できることには
喜びも感じます。
 
たとえ給料が低くても。
 
だからそういう意味では僕は全力です。
 
休み時間がない日もしょっちゅうあるし、
それでも現場のこともやりたいし、
とくに認知症の人は悪化しやすく
介護が大変な夜の様子も
自分で確認したいから、
夜勤は他のスタッフよりも多くやってる
月すらよくあります。
でも明けの日にも仕事が入れば、
それも入れますから、
必然的に誰よりも休み自体が
少ないです。
 
男ですが利用者のごはんも作るし、
もちろんトイレ介助も、
便の片付けもなんでもします。
 
受診もできるだけ付き添うし、
家族がしてくれる場合にも、
先生あてに手紙を書いたり、
電話でやりとりもします。
必ず一方通行にはしません。
 
医者はこわくて気難しい先生も多いですが、
人を救うのにそんなことは
言ってられません。
 
そのうち先生のほうも、
慣れてくれますw
 
下手するとケアマネとしては
もっとも大事とされてるいうか、
いちいち実地指導でつっこまれる
書類なんかはほぼ後回しです。
なぜなら紙より人間が大事だからです。
 
いろいろ言われたら言うことができます。
 
「仕事の結果なら、
ここにいる利用者さんを見てください。
それがすべてなんで」
 
と。
 
僕は全力を尽くしているし、
スタッフもがんばっています。
 
そういう施設だってたくさんあると思います。
 
そうじゃない施設もあるのかもしれないけど、
少なくとも同じことをしてない人に、
誤解をされるのは残念なことです。
 
グループホームが本来の役割を
果たしているということは、
地域にとって貴重な財産になると思います。
 
完璧な施設はありません。
 
うちも全然完璧じゃないです。
 
まだ道の途中です。
 
だけど続けているから
良くできる、
未来もあるのだと思います。
 
今、それを続けている人全員に、
僕はエールを送りたい。
 
グループホームには、
ちゃんと存在する意味も、
必要性もあります。
 
もし今の瞬間がダメでも、
一年後、五年後はどうですか?
 
続けていた人にだけ
結果は訪れます。
 
よく自分の施設をダメだダメだと
言いながら仕事をしてる人がいますが、
何がダメかといえば、
ダメなことをわかっているのに
変えようとしないその人にこそ
原因があります。
 
研修なんかに行っても
自分の施設のダメなところ自慢を
するタイプの人がいますが、
 
「そんなこと言う前に
変える努力をしなさいよ」
 
と思います。
 
それをしてない自分のカッコ悪さに
気づいてほしいものです。
 
やらない人ほど
他者を批判します。
 
やってる人は
その苦労を知ってるから
簡単に批判をしません。
 
もっとみんなでがんばって、
ダメなところも補い合って、
自分たちの地域が良くなるように、
将来認知症になったときの
自分のためにも、
グループホームの役割を
胸を張って果たしていきましょう。