■正直に向き合う■
認知症の介護をしていると、
多くのスタッフが壁に突き当たると思います。
もちろん俺もそうです。
あまりにもその壁が高すぎるので、
何度も辞めたいと思ったりしました。
教科書や誰かが書いた介護の本では
「こうすれば良くなる!」
「対応が悪いから重度化する!」
「相手を受け容れろ!」
としょっちゅう書いてあります。
というより俺自身が、
とくにこういうブログで
そういうことも書いています。
しかし現実はどうですか?
うまくいかないことも多いと言うか、
むしろうまくいかないほうが
多いんじゃないかと、
感じるくらいに現実って厳しいですよね。
基本的に「○○で良くなる」というのは、
そういう場合もある、
という程度に受け取ったほうが良いと思います。
良くならないこともそれこそ星の数ほどあって、
ならば我々は無力なのか?
って感じてしまうし、
こんなことやってても何の意味もネーヨ!!って
思うことも人間なら当然です。
だって良くならないときは、
どうやっても良くはならないし、
あるいは一時的に良くはなっても、
結局低下し悪化していく、
そういう病気なのだから。
というよりも「認知症」に限らず、
「老いる」ということ自体がそういうことなのです。
だから教科書や介護理論を書く先生方が、
どんなお気持ちで書かれているかは
知る由もありませんが、
少なくとも現場を知っている俺から言えることは、
「とにかく人として向き合って、
その中で全力を尽くしましょう。
それでうまくいかなくても
誰のことも責める必要はない」
ということです。
そこに胸を張れるかどうか、
その一点に尽きると思います。
知識や技術が足りず全力を尽くせなかったなら、
より努力は必要でしょう。
そういうときはもっとがんばってください。
でも自分にできるすべてを出し切って、
人を一人救えなかったら?
それはもう本当に仕方ないんです。
だからこそ人ひとりの命はそれだけ重いのです。
簡単に助けられる、変えられるなんて
思うことのほうが、
実はおかしいのです。
認知症の介護に悩み、
イライラしときには怒ってしまうかもしれないし、
病気の進行をうまく抑えることもできないかも
しれないし、
ときには職場の仲間にまで当たってしまうかも
しれない。
みんな同じです。
俺もそうです。
相手…利用者を見ると同時に、
自分自身をよく見て、
それでも全力を尽くしている自分がいるのなら、
そんな自分も受け容れてあげてください。