認知症とストレスと現実 | NobunagAのブログ

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■認知症とストレスと現実■
 
認知症の方によけいなストレスを与えると、
症状が悪化すると言われています。
 
実際に仕事で介護をしていても、
それは顕著に感じます。
 
だから相手の言うことを否定したりせず、
ひたすら相手に合わせてあげて、
できるだけその人にストレスを与えないように
してあげたほうが、
認知症の進行は多少抑えることができます。
 
もっともそれは介護者にとっては、
非常にストレスですけどねw
 
教科書的な話と、
現実とは差があるわけで、
とくに家族介護者にはそこまで
無理をしろとは言えません。
 
われわれが我慢できるのは仕事だからです。
 
 
 
さて、ここからが本題なのですが、
グループホームは認知症の人が、
共同生活を送ってお互いにできない部分を
補いながら生活することで、
認知症の進行を遅らせようというのが、
目的のひとつです。
 
しかし、現実にはとても困難です。
 
「認知症の人にストレスを与えるな」
 
と書きましたが、
 
「認知症の人に、
認知症の人がストレスを与える」
 
ことを防ぐのが難しい。
 
スタッフ対利用者なら良いんですよ、
こっちが我慢して合わせればいいのだから。
 
しかし利用者対利用者はそうもいかない。
 
昨日も書きましたが、
70代、80代の認知症の人は、
90代の認知症の人を敬ったりはしません。
 
誰もが
 
「私を見て!私の話を聞いて!
あの人より私を介護して!」
 
という感じです。
早い者勝ち、もしくは先に困らせた者勝ち、
みたいな世界になってしまいます。
スタッフは困る人から先に
対応せざるをえませんからね…
高齢で動けない方のほうが、
後回しにされます。
 
まぁ、そのあたりは結局スタッフのウデの
見せどころでもあり、
そういうことが不公平やトラブルにならないように
うまく立ちまわるスキルも必要なんですが。
 
 
しかしもっと単純に、
認知症の人がおこなう、
ごく単純な作業的行為こそが、
他の人に多大なストレスを与えることがあります。
 
ひたすら定期的なリズムで机をたたくとか、
変な声をあげつづける、とかそういう行動ですね。
 
これ、普通にしてても聞いてるほうは、
すごく気になるんですが、
24時間一緒にいる方にとっては、
もう、それはすごいストレスなんですよね。
 
もし自分だったらと想像してみてください。
 
ただでさえ自分も認知症で
頭がもやもやしてるのに、
一日中机をたたく音や、
夜になってもとなりの部屋から
壁やベッド柵をたたく音がずーっと聞こえてたら、
耐えられると思いますか?
 
スタッフは仕事さえ終われば解放されますが、
そこで暮らすしかない利用者にとっては逃げたくても
逃げられないわけで。
 
もちろんそういう行為をする人には、
その人なりの理由はあり、
それを解析するのがスタッフの役目でしょと、
専門家の人は言います。
 
でもね、解析なんかできたって、
止めることは非常に難しいですよ。
 
教科書と現実の違いはそこです。
 
「アセスメントをしろ」
「原因を探れ」
「相手の立場になって考えろ」
 
すべてやってます。
 
しかし全部解決できるわけではない。
 
たとえばピック病ならば机をコンコンやるのは、
原因云々というより病気特有の症状として
そういう行動があるので、
原因分析とかそういう問題でもないんですよ。
 
さまざまな症状を持つ人が…
それも在宅で暮らせないくらい、
重度の症状がある人が、
9人や18人集まって
本当にお互いに支え合う生活が
はたしてできるでしょうか?
スタッフはしっかりその間を
取り持って支援できるでしょうか?
(するのが仕事ですが…)
 
もちろん施設に馴染んで上手くいく人も
実はいっぱいいます。
それはいい。
 
だけどそこに適応できない人も
確実に存在するんです。
 
苦痛の声を挙げたくても、
あげられない人がいる。
 
認知症の人が、
認知症の人だらけの施設に入って、
もっと認知症がひどくなる場合も
確実に存在しています。
 
理想論だけを振り回して、
現実にフタをしてはいけません。
 
認知症に対してベストな対応は、
おそらく1対1です。
9人いたらスタッフ9人がベストです。
でももちろんそんなに人手はいないし、
そこまでスタッフを使えるほどの
介護報酬は国から出ません…。
 
このような事実をあえて無視しながら
国はグループホームに
看取りのような
重度化への対応まで求めていますが、
どこまで現実をご存知なのか不思議でなりません。
 
紙っぺらの実地指導ではなく、
しっかり現実を見て、
利用者のために、
ひいては未来の自分たちのために
お互いに何が必要なのかを
まじめに考えていけないものでしょうか?
 
認知症の専門家を自認する方にしても
実際に認知症の方に殴られたり、
何時間も徘徊に付き合ってから
物事をしゃべっていますか?
 
グループホームを認知症介護の
切り札にしたいなら、
もっともっと具体的に
グループホームが抱える問題に、
理想のケアとそれがうまくいかない現実に、
もっと目を向けて解決方法を探らないと、
被害をこうむるのは利用者であると同時に、
年を取った自分たちなのです。