何年前のことだったでしょうか。
いつもお買い上げ下さるお客様に、サービスでストラップを作ってあげたときのことです。
基本的に私は、余り玉でストラップやイヤリングを作って、サービスしてあげる・・・ということを、比較的よくします。
もちろん、全員が全員にしてあげられるわけではありませんが、いつもお買い上げ下さるお客様には、何かしてあげたいと思うのは、人間なら誰でも思うことではないかと思うのです。
一般のショップなら、サービス券やスタンプカードといったサービスになるのでしょうが、人と人とのつながりですから、紙切れで終わらせるのは、あまりに淋しい感じがします。
もちろん、スタンプカードの案は、私たちのあいだでも何度となく提案されては来ましたが、様々な理由から、結局、一人ひとりに合ったサービスを・・・ということで、落ち着いています。
そんなわけで、そのお客様には、ストラップをサービスしてあげることにしたのです。
さて、そこには、何種類かの石がありました。
その中の、どの石で作ろうかと悩んでいたわけです。
「え~と、じゃあ、こっちの石はパワー系で、こっちの石は癒し系だよね」
「ええ~っと・・・はい、まあ・・・」
そこに、なんの石があったのか、正確には覚えていませんが、そのセリフにひどく引っ掛かりを覚えた記憶があるのです。
(パワー系と癒し系・・・?)
どういった意味だったのでしょうか。
癒し系というのは、おそらく、癒しを与えてくれる石のことを指したのでしょう。
ではパワー系とは?
自らのパワーを強くしてくれる石・・・という意味だったのでしょうか。
では、自らのパワーとは・・・?
なんとなく頭の中にクエスチョンマークが「??????」という感じではありましたが、曖昧な返事を残し、その場をやり過ごしました。
その後、特にその答えを求めることもなく、数年の月日が経ち、2台目のショーケースが店頭に並んだ時のお話です。
「そうだねえ・・・こっちのケースにはパワー系を入れて、こっちのケースには、癒し系を入れるって感じにしたらいいんじゃない?」
陳列に悩んでいる私を見かねた社長が、アドバイスをしてくれました。
ん?また、癒し系とパワー系・・・?
世の中の、石に携わっている人たちは、もしかして無意識に、石をパワー系と癒し系に分類していたりするのでしょうか。
もしかしてそれが、石の常識になってしまっているのでしょうか。
とするならば、私は、もしかしたらその常識に、ついていけてないのかもしれません。
だって、どれが癒し系でどれがパワー系なのか、わからないのです。
え?なんでそんなことわからないの?
石屋さんなのに。
そんな声が聞こえてきそうです。
癒し系はなんとなくわからないでもありません。
ブルーレースとかラリマーとか、癒しを与えてくれる石のことなんでしょうね。
でもちょっとまって。
癒しの石って、癒しのパワーを与えてくれる石のことではないの?
癒しのパワーって、結構強力なパワーだと思うのです。
ならばそれって、パワー系に分類されないの?
では、パワー系とはどういう石か。
例えば水晶?
水晶には、自らのパワーを強める働きがあるとされています。
でも水晶って、パワーストーンの基本の石でもあります。
これがパワー系なら、ほかの石も全て、パワー系になってしまいませんか?
では、頭で考えるのはやめて、感覚で見ていきます。
なんとなく、優しい波動の出ていそうな石を、癒し系の石とします。
で、強力な波動の出ていそうな石を、パワー系の石とするとします。
これは感覚の問題なので、人それぞれ感じ方は違うのでしょうが、私は「なんとなく」ラリマーを癒しの石に分類し、スギライトをパワー系の石に分類しました。
もちろんこれは、あくまでも「私の」感覚です。
あれ、でもちょっと待って。
ラリマーもスギライトも、世界の三大ヒーリングストーンと言われている石です。
ということは、どちらも癒し系の石ということになるのでは・・・?
う~ん・・・ますますわからない・・・・(-""-;)
他にも、同じアメシストなのに、色の濃淡で受ける感じが違ったり、同じヒマラヤ水晶に分類しておきたいのに、K2産のムーンクォーツだけは、他のヒマラヤ水晶と違って、優しい印象を受けたり。
(正確にはK2はヒマラヤではないんですけど^^;)
(※K2とはパキスタン北部あたりに位置する、世界で2番目に標高が高い山の名前。ヒマラヤ山脈を辿っていった先にあるので、ヒマラヤに分類されることが多いが、正確にはヒマラヤ山脈には属していない)
結局のところ、どう頑張っても、その2つに分類することが、私にはできないのです。
今度は、受動態か能動態かで、分類してみました。
このへんになると、なんだかわけわからなくなってきたかと思いますが、要は、その石のパワーを受けるだけなのか、それによって行動を起こすべきものなのか・・・ということなのです。
あまりにも難しく考えすぎてしまっているので、意味がわからないのではないかと思います。
癒しの石って、癒されて疲れが取れて、それでその石の役割は終わりですが(いや、本当は終わりじゃないんですけど^^;)、パワー系の石ってもしかしたら、その石のパワーを受けることによって、何かしらの行動が伴うもののことをいうのではないかと思ってみたわけです。
例えばタイガーアイやルチルクォーツなどは、その石を持っているからといって、棚ぼた的にお金が転がり込んで来るわけではありません。
働いて稼いで、それが気流に乗るというか、成功するというか、そういうパワーを与えてくれる石だと言われるわけです。
そうやって行動して初めてパワーが得られるような石が、パワー系なのかもしれません。
ところがここにも問題が出てきました。
天眼石などのような、魔除けの石たち。
これは、行動が伴う石ではありません。
かと言って、どう考えても、癒しの石とは思えません。
やっぱり、わからなくなってしまいました。
パワーストーンとは、その石のパワーを感じ、それによって自身のパワーもみなぎらせてくれるものではないかと思います。
そこには、なんの系列もありません。
癒しの石には、癒しのパワーがあるし、魔除けの石には魔除けのパワーがあります。
確かに、石によっては強く感じる石もあるでしょうし、それほど強く感じない石もあるかもしれません。
でも、スギライトなどのように、癒しの石と呼ばれる石だって、強力に感じる石があるのです。
そして、石には多くの意味があり、癒しの石だからといって、癒しのパワーしか持たないなんてことはありません。
アマゾナイトのように、希望を与えてくれたり、イライラを鎮めてくれるという、強力なパワーを持ってる石もあります。
結局私は、分類するのをやめました。
正確には、分類しているフリだけ、することにしました。
「なんとなく」の感覚と直感、そして石の意味、そして色。
そうやって「適当」に分けて、ガラスケース内に収まっています。
基本的に商品陳列は、関連性を持たせること。
書店でバイトしていた際に学んだことですが、時と場合にもよります。
これでも一応、基本は忠実に守ってるんですよ^^
そんなことより、大切なことが沢山あります。
癒し系だとかパワー系だとか、分類して見る前に、本来の石の波動を感じてあげてください。
ちゃんと石の声を聞くことができたなら、癒し系にもパワー系にも、分類することなどできない、全く違う次元の話だということに、気がつくことができるのではないかと思うのです。
そもそも「パワーストーン」って呼ぶくらいなんだから、
どれもみんな強力なパワー溢れる石たちなんじゃないでしょうか。
その強力なパワーを感じたら、分類するのが、きっとバカバカしくなりますよね。