「私は原石が好きなんです」
そう言って、大切に持ち歩いている石を、見せてくださる方が、意外と多くいらっしゃいます。
お客様の宝箱の中を、こっそり覗かせてもらってるみたいで、なんだかくすぐったい気持ちです。
そして、袋の中から取り出された宝物を見せてもらって、あれ・・・・?
なんてことも、意外と多くあることです。
「原石」というのは、一体どういったものを指しているのでしょうか。
私たちの感覚からすると、「原石」とはすなわち、「加工されていない、自然なままの石」。
物によっては、多少、手を加えられているものもありますが、それも許容範囲内なら、まあOK。
薬品で表面の汚れや別の付着している鉱物を取り除いたり。
美しい原石は、意外とそういうことも、なされていたりするものです。
(あ、内緒だったかな?)
しかし、磨きなど、手を加えられているものに関しては、さすがに原石とは呼べません。
タンブルやさざれといったものは、明らかに磨き処理が行われています。
これを、原石だと思っている方が、実はすごく多いのです。
それをいうなら、ビーズなども、原石を丸く磨いて穴を開けたものなので、原石になるのではないでしょうか。
(ま、普通、これを「原石」とは呼びませんけど^^;)
ところで、水晶のポイントと呼ばれるものがあります。
ポイントとは、水晶の結晶の先端部分のこと。
ちょうど、削った鉛筆みたいな形をしています。
ところで、このポイント、原石でしょうか?
答えはNO。
これは、磨いたものです。
確かに、水晶の結晶体は、こういった形をしていますが、それをさらに綺麗に磨き上げて、販売されていることが、よくあります。
こうする方が、見た目も美しく、インテリアとしてもおしゃれです。
どちらがいいとか悪いとかのお話ではありません。
さて、ではこのポイント、磨いているか磨いてないか、見分けることができますか?
ちょっとしたコツで、簡単に見分けることができます。
まず、ポイントを手に持って、光に当てて見て下さい。
直接的に当てるのではなく、斜め方向から、表面を見るつもりで。
写真のように、表面がツルツルして綺麗なのは、磨いてある証拠です。
段差も傷も汚れも、な~んにもありません。
これは、レムリアンシードと呼ばれる、水晶の写真ですが、横にずっと、バーコードのようなヨコ線があるのがわかりますか?
これは、水晶の成長線です。
どんな水晶の結晶でも、この成長線は必ずついています。
(レーザー水晶に関しては、必ずしもそうとは限りませんが・・・^^;)
ちなみに、このバーコードがあるからといって、レムリアン水晶だと思っている方がいらっしゃいますが、レムリアンは、このバーコードの段差が著しいものです。
普通の水晶のバーコードは、段差がほとんどなく、手で触っても、わからない程度のものすらあります。
あ~ややこしい!
でも、磨くと、この成長線はなくなってしまうので、磨きかどうか、見分けるひとつの手がかりになります。
先端部分も然り。
磨いてあると、必要以上に綺麗になり、ツヤツヤ輝いています。
自然のものは、少なからず、段差などができてしまうものです。
大昔撮った写真が、まさか、こんなところで活用されるとは、思いもよらなかった1枚。
ちょうど先端部分の表面を捉えています。
いったい私は、何を撮りたかったんでしょうねぇ・・・?(笑)
どちらにしても、見分けるコツは、表面を光に当ててみること。
どんなに綺麗に見えるものでも、磨き処理のなされていない、天然のままの原石ならば、必ず成長線や段差があるものです。
綺麗であればあるほど、その段差が少ないというだけの話です。
昔は、美しいものこそ一級品だという風潮があり、それは石の世界にも当然の如く、思われてきました。
今でも、美しいものが良いものであることに、変わりはありませんが、その価値観が少しずれてきているようです。
特に、石の世界では、自然のままで美しいものは、もちろん素晴らしいわけですが、手をかけて美しく仕上げたものを、良しとしない風潮になってきています。
なので、磨き上げた水晶を好まない人が増え、逆に少々いびつでも、天然の味を大切にした、自然の芸術を好む方が増えています。
これも、時代の流れでしょうか。
(ちなみに、私も自然のままの原石が好きです^^)
もちろん、これも好みの問題なので、どちらでも一向に構いません。
染めたり磨いたりするのは、日本の伝統工芸でもあるので、せっかくの技術を大切にしたいと思う気持ちもあります。
どちらにせよ、自分が求めているものは何なのかを明確にすると、選ぶ石もまた変わってきます。
そして、石を選ぶ際に、ほんの些細なことが分かっているだけで、選ぶのが楽しくもなってきます。
磨いてあるものがいいのか。
磨いてないものがいいのか。
どちらにもそれぞれ、いいところ悪いところがありますから、ご自身の好みで、お好きな方をお選びください。
どちらを選んでも、決して間違いは存在しません。
ただ、知らないで選んだら、後後のショックが大きくなることも、あるでしょう。
磨いてあるかないかがわかるだけでも、選ぶときの幅が広がります。