久しぶりに、仲良しの掛け軸屋さんと一緒にお仕事をしたときのお話です。
この掛け軸屋さんは、以前ブログにも書いたことがあったと思います。
いつもきちんとスーツを着こなし、環境を整えることをとても大切にしている人です。
それと同時に、健康にも大変気を使っています。
お酒もタバコも一切やらず、毎日夜、ウォーキングを日課としているそうです。
子供のことを考え、空気の綺麗な土地に引越し、病気などとは全く無縁の生活を送ってきたといいます。
その彼が、先日ホテルに宿泊していた際に倒れ、救急車を呼んだというのです。
疲れからきたのか、少々体調が良くないことは気がついていたものの、まさか倒れるほどひどい目に合うとは思ってなかったそうで、人生で初めての経験に「死」を意識したといいます。
携帯電話には、自宅の電話番号を表示させ、救急車で運ばれている間に、家族に連絡を取ろうとしたそうです。
「今までありがとう」
と。
子供の頃から入退院を繰り返し、病院が第二の我が家のように育った私からしてみたら、大げさ以外の何者でもありませんが、本人にとってみれば至って真剣です。
確かに、病院などというところにお世話になったことのない人からしてみたら、そんなものなのかも知れません。
彼に私が会ったのはその数日後の話で、まだ全快とは程遠い、病み上がりの状態でした。
そんな話をした翌日だったでしょうか。
夕方になり、販売も一段落、お客様も少なくなって閉店間近の時間帯。
何気なく店先に遊びに来た彼と無駄話して遊んでました。
そこに置いてあった、水晶のツボ押し棒。
つい先日、ブログで紹介したばかりでした。
彼は掛け軸に関しては博識ですが、石についてはそれほど知識はありません。
「それでも、これだけはわかるよ、石って握ったら冷たいんだよね・・・」
何気なく握った水晶のツボ押し棒。
彼の手の中で「パキ」と音を立てて折れてしまいました。
流石に彼も驚きました。
「ごめん!まさか、折れるなんて・・・。そんな力入れてなかったのに」
水晶のツボ押し棒は、その名のごとく、ツボを押すために作られているのですから、当然そんな簡単に折れるものではありません。
仮に力自慢が折ろうと頑張ってみても、無駄なあがきというものです。
それが、片手で握っただけで簡単に折れるでしょうか?
その日のお昼頃、女性2人組が水晶のツボ押し棒を見ていました。
私も接客につき、説明していたところでした。
彼女たちは手のひらのツボを押してみたりと、一通り遊んではいましたが、結局何も買わずにお帰りになりました。
その際にも落としたりしたわけでもなく、力を込めてツボを押したりはしていましたので、少なくともその時は何の変化もなかったでしょう。
その後もそれは店先に置かれたままになっていました。
彼が触るまでは・・・。
掛け軸屋の彼は、本当に申し訳なさそうに恐縮しきりでしたが、私は笑い飛ばしてこう言いました。
「Sさんの瘴気を吸ってくれたんじゃない?」
水晶は悪いものを払うといいますが、吸収するともいいます。
病み上がりの彼の瘴気を吸って、折れたのではないかと私は考えます。
そうでもないと、説明がつかないのです。
「よかったねえ、水晶が悪いものを引き受けてくれたんだよ。体も楽になるんじゃない?」
健康そのものの彼が「死」まで覚悟したほどの病気(?)は、確かににわかに信じがたい話でした。
倒れた位で死ぬとまで思うか?普通・・。
それでもそう思ってしまうくらいに彼を弱気にさせたものが、あったのだとしたら・・・?
叩いてもビクともしない水晶の棒くらい、簡単に折ってしまうかもしれませんね。
どうせ一度はなくしたと思っていたものだもの。
彼の瘴気を吸うために、出てきたものかもしれません。
水晶のツボ押し棒の1つや2つ、彼が元気になるのなら、いくらだって折ればいい。
いや・・・あんまりたくさん折られても困るんですけどね・・・^^;