今の私を形作るもの③ | nobumiさんちのおねえさんの天然石の話

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水晶やパワーストーンと日常のあれこれ

またしても、前回からのつづき
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デザイナーになる夢は閉ざされ、教師にもなれず、途方に暮れた。
かといって、前回のように、ニートになるわけにはいかない。
生活がかかっている。

私は、私が出来そうな仕事を、片っ端から申し込んだ。
しかし、私に出来るのは、絵を描く事と、英語のみ。
そんな仕事がどこにある?

贅沢は言ってられない。
闇雲に受けた仕事のうち、ある書店が採用してくれた。
ニート時代に勉強した、POPの技術のおかげだった。
なんでもやっておくものだ。

書店の仕事はアルバイトだった。
時給730円。
決して割のいい仕事ではない。

思いがけず、仕事は楽しかった。
友達もたくさんできた。
学生時代に戻ったように、私は遊びまくった。
居心地がよかった。

しかし、しばらく経つと、私は焦ってくる。
このままで、いいのだろうか。
妥協した人生を歩みそうな気がする。
楽しければ、それはそれで、いいような気がしないでもないが。

何かしたいけど、何がしたいのかわからない。
闇雲にではあるが、何かしたいと思った。
何をすればいい?
幸運にも、ここには本が溢れていた。

知りたいことは、必ずどこかに書いてある。
人生の参考書は、棚に売るほど詰まってる。
時給730円のバイトは、それ以上の価値があった。

今度こそ、ミスするわけにいかない。
バイトを続けながら、仕事を探し始めた。
自分で事業を起こしたいと思うようになっていた。

大手の会社に入っても、私はコマに過ぎないだろう。
個人経営の小さな会社で、私は社長の手足になろう。
きっと何かが見えてくる。

ハローワークで見つけたある会社。
全国を回って、雑貨を販売するという。
今にして思えば、こんな仕事、ハローワークが紹介する仕事ではない。
私の催事屋人生の始まりだった。

どんな仕事なのか、イマイチ理解できてない私が出社したら、そこには綺麗なお姉さんがいた。
背が高く、スレンダーな美人だった。
彼女もできる仕事なら、そんなに怖いこともないだろう。

意に反して、仕事はハードだった。
販売の仕事と思いきや、ほとんどが体力勝負だった。

毎週のように、搬入と搬出を繰り返し、販売するヒマなんて、ほとんどない。
しかし、売上は伸ばさなきゃいけない。
そんなむちゃくちゃなっ!

仕事への慣れと反比例するように、売上は落ちていた。
給料が滞るようになった。
大丈夫か?この会社??

社長の考え方とのギャップに悩んでいた頃、本格的に給料が止められた。
こんな会社、未練はない。

しかし、行くところもない私は、ズルズルと仕事を続けた。
交通費と食費と、ホテル代だけは、支給されていた。
この3つがないと、仕事にならない。

そんな時、拾ってくれたのが、今の社長だ。
社長も同じような境遇だった。
社長というよりも、同志かもしれない。
彼の仕事を手伝うことにした。

給料がもらえるわけではない。
自分の分は自分で稼ぐ。
頑張れ、私。
事業を起こしたかったんだろう?

きっかけは、些細なことだった。
人あたりのいい社長に、多くの仲間が寄ってくる。
ある石屋さんと仲良くなった。

お金のない私たちに、多くの商品を仕入れることはできない。
委託で置いてくれと、石の置物を数点置いていった。

委託も何も、知識がなければ、当然売れるはずもない。
これは一体なんていう石なのか。
私の勉強が始まった。

元々社長は、風水の道具を扱っていたので、それについては少し知識があった。
石を調べると、風水と浅からぬつながりがあった。
ちょっと、ワクワクした。

誰の言葉だっただろうか。
「ワクワクする方に行きなさい」
そうすると、必ず成功するのだとか。
直接的な成功とは限らないが、必ず自分にとって、有益となる。

私の石選びの基準はココだ。
「ワクワクする」石。
石は俗に「呼ぶ」というが、それは石に限ったことではない。

人だって、仕事だって、人生だって、きっと何か呼ばれるものを感じているハズ。
呼ばれた方向に進んで、失敗したって、それは決して無駄ではない。
必ず自分にとって有益となる。

失敗と成功を重ねながら、今の私は成り立っている。
一見無駄に見えたものでも、後後自分に帰ってくる。
本屋でのバイトが、私を後押ししたように・・・。

絵やデザインの勉強をしていなかったら、私のブレスの配色はなかったかもしれない。
英語はほとんど忘れてしまったけど、オーストラリアに行かなかったら、グローバルな物の考え方はなかっただろう。
本屋でバイトしたことによって、「信美」の私がここにいる。

子供の頃、いじめられたからこそ、人の心の痛みがわかる人間でありたいと思うようになったし、劣等生であったからこそ、劣等生の気持ちがわかる。
給料も与えないひどい会社でも、催事のノウハウは教えてくれた。
人生、無駄なことなど、一つもない。

これらすべてが、今の私を作っている。
人生の方向は一つではない。

今、私が考えていることは、私が経験したことすべてを活用できる「何か」。
一つ一つは何の役にも立たなそうだけど、全部集めたら何かができる。
その「何か」を探したい。