結婚の参考書へようこそ !
このブログは、2006/5月より ~ 朝日新聞 ~ 福井版に連載しているものです。
ブライダルの仕事に携わり30年あまり・・その中でめまぐるしく変化してきた結婚の裏舞台を綴ってきました
この仕事に携わっている人、これから結婚される方の参考になれば幸いです (著者)
二拝の後 幸せ祈る
「伝統ある神社で本格的な結婚式を挙げたい」
というカップルのために、いくつかの神社を訪ねてみました。
今の時期 緑がまぶしく輝き、静寂に包まれて、ふだんの日でも気持ちが引き締まりますね。
それが結婚式ともなれば、もっと感慨深く厳粛に、心豊かに誓え合えると確信しました。
やはり、文化と伝統を重んじた 「きちんとけじめのある挙式を」 という方は神社の神殿での挙式を
お勧めします。
福井には1700あまりの神社があり、うち福井市内には377あるそうです。
足羽山の上にある足羽神社には、継体天皇が主祭神としてまつられていますが、ご神体は八角形の鏡だそうです。
またどの神社にも入り口には大きな鳥居があります。
鳥居の内側は神様がお鎮まりになっている神聖な場所ですから、結婚式でも鳥居をくぐる時は鳥居の前で15度のお辞儀をして頂きます。
鳥居は、天照大御神が天の岩屋にお隠れになった時に神々が鶏を鳴かせたとの話に由来し、その時の止まり木からかたどられています。
「鳥が居る」 とか 「通り入る」 から鳥居と呼んでいるそうです。
一説には、材質、構造も様々で60種類ぐらいあるといわれています。
時々赤い鳥居を見かけますが、朱色は生命の躍動を表し、また災厄を防ぐ色とも言われています。
神社に置かれている 「狛犬」 も赤い色と同じく邪気を払うという意味があります。
最近では神前結婚式にも、ご親族だけでなく、友人や知人も参列出来るようになりました。
ですから、一つひとつの意味を理解して、失礼にならないように気を配れるといいですね。
どの神社にも鳥居をくぐると、水がわき出ている 「手水舎(てみずや)」 があります。
挙式会場に入る前に、水の力を利用して身体の汚れやけがれを清めるための所です。
これにもやり方があります。 置いてあるひしゃくで、まず左手を洗います。
今度は持ち替えて右手を洗います。 続いて左手の平に水を受けて口をすすぎ、
残った水で、もう一度左手を洗い、さらに残った水でひしゃくの柄の部分を洗います。
神社でのお参りは 「二拝二拍手一拝」 ですが、2人の幸せを祈る瞬間は二拝した後、
胸の高さまで手を合わせ祈ってください。 願い事をするのはこのタイミングです。
そして、神様へのお辞儀は90度です。
これが 「拝」 です。 また結婚式のお礼は 「御初穂料」 とお書き添え下さい。
(ウエディング・プロデューサー)
永遠の愛記念植樹に託す
今月、県内で 代60回全国植樹祭が開催され、各地にたくさんの木々が植樹されました。
皆さんは、記念植樹をされた経験はあるでしょうか。
古くから折々に子どもが誕生した時、また入学、卒業、家の新築など、人生の節目に夢や希望、思い出を込めて記念植樹をされている方も多いでしょう。
日本になじみの深いサクラの木は記念植樹によく使われますね。
学校の校庭に植えられているのは、きっと開校記念とかに植樹をされたものだと思います。
やはり4月に咲く花が新学期、新入生をお迎えするのにふさわしい木です。
結婚式では 「結婚記念植樹」 として披露宴の中で和の演出として採り入れます。
1本の苗木を どなたかに贈って頂き、会場に ご両家のお庭の土を持ち寄って準備します。
そして土を まず新郎にミニ鍬で耕してもらい、続いてお二人が苗木にミニシャベルで土をかける――という共同作業です。 式後、木は新婚家庭のお庭へ植えなおします。
その様子は、ウエディングケーキをお二人で入刀するシーンと似ていますが、よりほのぼのとした雰囲気で、とても温かいご家庭が想像できますね。 結婚という大切な日を末永く残し、木はご夫婦とともに成長する。 カタチに残るステキな演出です。 見るたびにその日の思い出がよみがえり、また経過した日々も実感できると思います。
何かを育てる・・・・・ということは、そこに愛情を注ぐということです。
毎年花を咲かせ、実をつけると、心が幸せな気分になり、自然の摂理に感謝も芽生えます。 時には記念植樹が心のささえになり、励ましてくれることもあるんですよ。
結婚記念植樹では、真夏に100日以上咲き続ける生命力から幸せが長く続くようにとサルスベリを選んだり、厳しい冬に耐えて咲くおめでたいウメの木、また千年を経ても変わらぬマツに永遠の愛を託して植樹されたりするかたもいらっしゃいます。 ほかに銀婚式、金婚式まで仲良くということで、キンモクセイというのもありました。
私は今年2回植樹をしました。
1本はわが家に。 孫の成長記念植樹でサクランボの木 「佐藤錦」 を植えました。
もう1本は足羽山に継体天皇生誕1500年記念桜の木記念植樹に参加した時です。
小さな苗木から、やがて緑の葉をつけ、たくさんの思い出とともに育っていく
記念植樹 をお勧めいたします。
地球温暖化の防止に役立つかもしれません。
(ウエディング・プロデューサー)
和装姿に感じる伝統
先日、久しぶりにこの秋のお客様の衣装合わせに、ご一緒させて頂きました。
花嫁のお母様や祖母様も加わって花嫁衣裳を選ばれているのを見て 「金襴緞子の帯しめながら、花嫁御陵・・・・・」 という童謡を思い出してしまいました。
生まれた頃から花嫁姿に夢を重ねて育てていらしたのでしょうね。
欧米化された結婚式のスタイルが続き、ウエディングドレスばかりのお衣装選びが多かったのですが、
あらためて何百万の制作費、何十工程もの人の巧みで300日もの時を重ねて完成するという絢爛豪華な色打ち掛け、西陣織や唐織、友禅の美しさに一着の重みを感じました。
また、花嫁衣裳には様々なおめでたい模様が施されていますが、 「鶴文様」 や 「花車」 「御所車」
「鳳凰」 など一つ一つ意味があり、それを知ると、さらに和装への関心が高まり納得して お召し頂けると思います。
中でもすそを引いた昭和初期の黒振袖は、最近の花嫁さんに人気なのですが、これは大正から昭和初期にかけて庶民の花嫁衣裳の定番でした。
もともとは江戸時代の御殿女中の装いだったものです。 和装は日本の民族衣装の伝統の中で培われてきたので、昔から受け継がれ、育まれてきた様々な決まりごとや、約束ごとがあり、それらのひとつ一つには道理にかなった意味や言い伝え、習慣があります。
室町時代、花嫁は2日間白無垢で過ごし、儀式を終えた後の3日目にやっと綿帽子を取り、色物の着物に着替えました。 それが江戸時代になり簡略化されて、婚礼当日儀式が終わるとすぐに色物に着替えるようになりました。
祝宴になって色物を着る風習は、娘時代へのお別れの意味を込めて赤色のきものに着替え、何回もお色直しをし、最後に黒振り袖に着替えたといわれています。 これが、今の 「お色直し」 という言葉で残っています。
白無垢の挙式に被る 「綿帽子」 は文字通り、真綿を引き伸ばして頭に被ったものが原型で、外出時のほこりよけとして使われていたものが、受け継がれてきています。
最近の花嫁は和装でも髪は洋髪(かつらをつけない)を希望されますが、でもやはり、白無垢にはかつらに綿帽子、黒の引き振袖には、かつらや角隠しというのが、日本の花嫁らしくていいですね。
(ウエディング・プロデューサー)
