50戸未満の小規模マンションが半数以上! | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

 

マンション管理業協会に属する管理会社に

管理を委託している管理組合は、

どの程度の規模が多いと思いますか?

 

圧倒的に多いのが50戸未満のマンションです。

50戸未満が52.5%です。

 

小規模の高経年マンションで管理会社に委託していない、

マンションもかなりありますから、

 

マンションの半分以上は

確実に50戸未満のマンションだと言えます。

 

マンション総合調査では、

50戸以下のマンションが48.8%となっていて、

 

20戸以下が6.3%

21戸~30戸が 12.2%

 

です。

 

多くの方が、

50戸未満が半数以上、

30戸未満が20%程度あると知って、

 

ちょっとびっくりされるのではないでしょうか。

 

管理組合の理事長の半数以上は、

50戸未満のマンションの理事長なのです。

 

私が親しくしている管理組合の関係者は、

50戸以上のマンションがほとんどです。

 

浦安の管理組合連合会は、300戸といっても小さい方で、

500戸、800戸程度のマンションが多いのです。

 

ですから、

私は約半数以上を占める

小規模マンションの管理組合のことが

 

実感として、分かっていないのでは…

ということがいつも気になっています。

 

ただし、

管理組合の数は半数以上が50戸未満でも、

そこにある住戸数でいうと、

住んでいる人が少ないので、29.2%となっています。

 

それが、小規模マンションとの

接点の薄さの原因です。

 

高経年マンションの今後に、

大型のマンションは

厳しくとも、何らかの方策を考えるでしょうが、

 

役員のなり手にも苦労する

都市部の小規模マンションのことが、

どうしても気になります。

 

高経年の小規模マンションは、

管理組合運営が大変だと分かっているので、

住むために買うという人は限られます。

 

売買で持ち主が替わるより、

賃貸で貸される方が多いように思います。

 

それによって

居住する区分所有者はどんどん減っていって、

 

より管理組合運営がたいへんになるという、

状況に陥っています。

 

私が管理会社時代、もう四半世紀前ですが、

担当していた都内のマンションも

 

話を聞くと、その傾向があるといいます。

 

その状況で、

管理費、修繕積立金の値上げに耐えられるのかが

気になります。

 

管理会社が

きちんと説明していかなければなりませんが、

 

マンションを賃貸で貸している人は、

それが、即収入不足に繋がりますので、

あまり賛成はできません。

 

見た目がそれなりに管理されていて、

賃借料もとれていると、

急速な修繕積立金等の値上げには反対です。

 

住んでいる年金生活者にとっても

値上がは飲みにくいのですが、

 

そこを貸している外部区分所有者も

なかなか飲めません。

 

その状況の中で、

30年後まで考えた修繕積立金の額は決まりません。

 

自主管理で、長期修繕計画を持っていない、

総会も開かれていない…というようなマンションは

大変さが目に見えますが、

 

これは、

地方公共団体が頑張ってサポートしていくしかない問題です。

 

でも、一応、管理会社が入っていて、

ぎりぎり理事会があって運営している小規模マンションでも

実際は厳しい状況にあるのです。

 

そのことはまだ見えにくいけど…

確実にそこにあります。

 

 

では、管理会社の方はと言うと、

圧倒的に、

管理戸数3,000戸未満の管理会社が多いのです。

48.5%がそれに当たります。

 

でも、こちらも、戸数を見ると、

管理戸数3,000戸未満の管理会社の受託戸数は

3.2%という少なさです。

 

そして、

受託戸数30,000戸以上の管理会社は35社で9.9%ですが、

その管理戸数は、74.4%に上ります。


地方都市に行くと、

 

小規模なマンションが、

地元の管理会社の管理の下にあり、

長期修繕計画がつくれていないというような

事例も見受けます。

 

大都市部の住民の多くは、

大規模なマンションで

大手の管理会社が当たり前についているという

環境下にいます。

 

役員のなり手がいなくて、

もう理事会を維持できない。

 

内部居住の組合員も、外部居住の組合員も、

30年後を考えた修繕積立金の値上げに反対する。

 

そんな、

管理会社もどうしようない、

管理不全予備軍マンションのことも

考えなければなりません。

 

 

同じマンションでも抱える

事情がまったく異なるのです。

 

大型マンションで、自立管理を推奨するのは、

ほんとうに分かりますが、

 

その状況にない管理組合の方々もいることを

忘れてはいけないと思いました。

 

半数以上の理事長は、

高経年化と共に賃貸化が進む

小規模マンションの理事長なのですから…。

 

 

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