「防災お茶会」お勧めです | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

 

9月1日の「防災の日」が近づきました。

今年は日曜日ですので、

地域で様々な取り組みがあると思います。

 

マンションでの防災訓練も、

秋に行われることが多いと思います。

 

防災訓練のメニューがマンネリになって、

参加者も減ってきて…という悩みを聞きます。

 

そういうマンションにお勧めしたいメニューがあります。

 

特に、

何をやっても人が集まらないと悩んでいる

小規模マンションにお勧めです。

 

それは、

防災マップ作りのワークショップ(お茶会)です。

 

通常、災害時に支援が必要な人には、

事前に届け出てもらって、

 

普段は、それを封筒に入れるなどして厳重に管理して

災害時には、責任者がその名簿を取り出し、

助けが必要な人のところに援助に向かう…

 

というようなマニュアルになっていると思いますが、

 

しっかりした体制ができているマンションでも、

これが機能するのは、かなり時間がたってからです。

 

しかも、届け出のない住戸は漏れてしまいます。

 

非常時には、

普段顔を合わせることが多い、同じフロア―や

同じ階段やエレベーターを使う範囲の人たちのことに

それぞれがどこまで気を配れるかということが

とても重要になります。

 

届け出があるなしに関わらず、

近くの人を自然にサポートできることが大事なのです。

 

お茶会での情報交換には、そういった意味があります。

 

別に、名簿になっていなくても、

氏名がわからなくてもいいのです。

 

どの住戸に、

声掛けや手助けが必要かもしれない人がいる

ということを、

 

おしゃべりの情報交換の中で、

認識するのです。

 

「いざ言うときの助け合いを考えるお茶会」

 

というような企画で、

女性にたくさん来ていただけるよう、

おいしいお茶やお菓子を用意しましょう。

 

で、マンションの簡単な構成図に、

部屋番号を書き込んだ用紙を用意しておきます。

 

そこに、それぞれが、自分の近隣で、

いざというときは声掛けをしようと思う情報を

住戸番号のところにメモとして書き込むのです。

 

何のための情報交換か、その意味を最初に確認して、

あとはリラックスした雰囲気の中で楽しく進めます。

 

大型マンションの場合は、

棟や階のグループで集まります。

 

さて、例えば…

 

Aさんが…

 

うちのお隣(〇号)は、先日奥さんが亡くなられて、

90歳のご主人が一人暮らしで、

ときどき娘さんがきているみたい。

 

というと、

Bさんが…

 

そう、あそこの娘さん、うちの子供と同級生だけど、

市内の〇〇マンションにいるから、そこは安心だけど、

 

都心にお勤めだから、

交通機関が止めれば、すぐには駆け付けられないから、

災害時の声掛けは必要だと思う。

 

Aさんが…

 

私が声掛けしようと思うけど、

うちも日中は、全員が留守にしていることが多いから、

誰かにフォローしてもらえたら…。

 

そうすると、Cさんが…

 

下の階だけど、階段ですぐだから、

家にいたら、私が声掛けできるわ。

 

というように、

それそれが持っている情報が集まると、

 

どこに、手助けが必要かもしれない人がいて、

誰が何をできるかが立体的に見えます。

 

さらに…

Dさんが…

 

〇号室の〇〇さんのところは、

奥さんが脚を骨折してから車イスが必要になって、

車イスで移動されているわね。

 

Eさんが…

 

〇〇デイケアセンターのお迎えの車が来ているので、

待っているときに、ちょっと立ち話をしたら、

週2回、奥さんが通っているみたい。

ご主人も持病があって病院に通っているって。

 

Fさんが…

 

じゃあ、エレベーターが止まったら、

いろいろサポートが必要になるわね。

私が近くだから、緊急時には状況を確認して管理組合に伝える。

夫や息子にも言っておかなくちゃ。

 

さらに…

Gさんが…

 

〇階に新しく引越して来た〇〇さんのところ、

最近3人目のお子さんが生まれたばかりで、

移動が大変そうだった。

乳幼児3人連れて避難できないから、絶対にサポートが必要。

 

Hさんが…

 

上の2人は、〇〇保育園だから、

保育園のママ友はいるだろけど、

災害時、小さな子供がいるところは自分のことで目いっぱいで

なかなか他まで助けられないから、

私たちがサポートしなくちゃって思っているの。

 

 

そんな会話のワークショップです。

 

ある程度、個人の情報も交換することになるので、

進行役(ファリシテータ―)は、

災害時のサポートという目的からずれないようにし

あまり個人の事情に踏み込み過ぎないように

気を付けて進行します。

 

何となく気になっていても、

自分がどこまでするべきなのか…みんな迷っています。

 

こうやって集まって話すことで、

やるべきことが見え、連帯感が育ちます。

 

自分だけでは知りえなかった情報も聞くことができ、

 

いざというときは、自分の身近な人に声を掛けよう

という意識づけになります。

 

このようなお茶会に参加した

防災担当理事の方が、

 

みんな無関心で名簿も提出してくれないので、

誰を助ければいいのか分からず前に進めなかったけど、

 

こんなに、個々の人が報を持っているんだ…と驚いて、

考え方が変わったと言われました。

 

で、

どこにどんな助けが必要な人がいるか(いそうか)…を

マップに記載して完成させると、

本格的なワークショップになりますが、

 

個人情報の問題もあるので、

あくまでお茶会のおしゃべり情報で、

自分が、何かできそうなところだけ、

それぞれが自分のマップにメモするという形で

終わっていいと思います。

 

大事なのは、おしゃべりの中で、

身近なところにいる助けが必要じゃないかと思う人の存在に

それぞれが気づいて

いざというときに、迷わず行動できることですから。

 

防災お茶会、お勧めです。

 

 

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