立地がよければ既存不適格でも建替えられる? | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
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こんにちは! 廣田信子です。

 

昨日は、

最近は住宅に広さ求めない傾向がある

という話をしました。

 

ところが、ある年齢以上の人は、

なかなか頭が切り替えられません。

 

私もその一人。

広い住戸を供給することが生活を豊かにする

と信じられていた時代を経験してきていますので、

切り替えるのに時間がかかりました。

 

都心部の便利な立地の高経年マンションの方が、

 

うちのマンションは既存不適格で、

建替えたら今の床面積の8割しか建たないから、

建替えは難しい…というようなことをよく言われます。

 

今と同じ広さの住戸を建替え後も確保できないとなると、

建替えの合意形成は難しいというのです。

 

私もそうだろうな…と思って聞いていましたが、

でも、本当にそうでしょうか?

 

建替えを無事に成し遂げたマンションの

建替えコーディネーターの方の話では、

 

具体的に、どの広さの住戸が欲しいか希望を聞いたら、

予想に反して、今の住戸よりコンパクトな住戸を希望する人が

多かったと言うのです。

 

それは、建替えの話が出た直後のアンケ―トの結果とは

異なるものでした。

 

小さい住戸だと建替えの費用負担が少なくて済むから…

だけではないと思います。

 

高齢の方が、

片づけや、ものを捨てることができずにゴミ屋敷化する現象は、

都心の一等地のマンションでも起こります。

 

そこまでいかなくても、

1部屋、2部屋が物置になっている住戸もあります。

 

住み続けるということはものが増えるということです。

 

今の、ものがいっぱい詰まった状態から建替え後を想定すると、

同じ広さ、もっと広いスペースが必要のように思いますが、

 

仮住まいを契機に、いらないものを整理すれば、

1人、2人の老後の暮らしに、

そんなに広いスペースはいらないことに

気づくのでしょう。

 

あとは、不動産としての市場価値の問題です。

昨日の話のように、

今、狭い住戸がけっこう人気なのです。

むしろ、買い手も借り手も確保しやすいのです。

 

住戸面積は小さくなっても、

不動産市場にニーズがあって、

それなりの評価が得られるのであれば、

建替えの話は「あり」の可能性もあります。

 

既存不適格で、

建替えたら床面積が減って価値が下がってしまうから

建替えは難しい…の思い込みを外して、

 

時代のニーズに合った

コンパクトな間取りのマンションに建て替えて

㎡当たりの価値を上げる

 

という発想で考えてみると

新たな道が開けるかもしれません。

 

人が、住宅に求めるものが変わってきているのです。

 

たとえ、建替えで床面積が減ることになっても、

その立地を最大限に生かすプランを考えることで、

全体の市場価値を上げることができれば、

 

建替えの合意形成の可能性があるのではないでしょうか。

 

耐震性が確保できないが、

既存不適格だから建替えは無理…と悩んでいる

都心部の高経年マンションの方に、

 

発想を変えてみては…と、

ちょっとお伝えしたくなりました。

 

 

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