AIが国の施策をリードする日も近い? | 廣田信子のブログ

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マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
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こんにちは! 廣田信子です。

 

先週、

NHKスペシャル「AIに聞いてみた どうするのよ! 日本」

の「健康寿命」に関するAIの分析を取り上げました。

 

「健康寿命」の鍵を2つ目まで書いたのですが、

もう一つ残っていました。

 

ちょっと日が空きましたが、

3つ目の鍵も

たくさんの気づきをくれましたので、

書いておきたいと思います。

 

番組では、3つ目の鍵を、

「ピンピンコロリには泥棒を捕まえろ」

と謎の言葉で表現。

 

今度は、AIが、

高齢の方が亡くなるまでの最後の10年間、

どんな生活や行動をしていたか…を

遡って分析したものです。

 

具体的には、

亡くなった方が、直前の調査でどう答えていたか、

さらにその3年前はどうだったか、さらにその3年前は…

と関係性を見ていきます。

 

そうすると、

亡くなる直前まで元気な「ピンピンコロリ」ルートと、

長い不健康な期間を経て亡くなるルートにはっきり分かれるのです。

 

では、この2つのルートでは何が違うのか、

膨大な関係性を見ていくのです。

 

そうすると、2つのルートで、

亡くなる直前の調査では、

健康かどうかという「体」の状態の違いが大きいのですが、

(これは当たり前ですよね)

 

その3年前の調査では、

「心」の状態の違いが大きく表れています。

 

そして、さらにその3年前になると、

「地域コミュニティ」に関する違いが大きく表れ、

特に治安上のことが密接に関係しています。

 

「自分の住んでいる地域が安全だと感じている人」は、

その後ピンピンコロリルートに繋がり、

 

「自分の住んでいる地域は安全じゃないと感じている人」は、

その後、長い不健康期間をたどるルートに

繋がりやすいというのです。

 

とにかく、AIが分析すると、そういう関係性が出るのです。

 

それで、

地域を安全にすることが健康寿命を延ばすという意味で、

「ピンピンコロリには泥棒を捕まえろ」

と言っていたのです。

 

で、また、研究者の方々も、私たちも、

治安がよくなると健康寿命が延びる…ってどうしてだろうと

AIの出した結果の意味を考えることになります。

 

番組では、

男性の健康寿命が全国12位から2位にジャンプアップして

注目の埼玉県を調べています。

 

県庁の担当部署に聞いても、

健康のための取り組みはしているけど、

なぜ、急に健康寿命が延びたのかは分からくて、

調査中と言います。

 

じゃあ、本当に治安と相対関係があるか調べてみると…

 

埼玉県の犯罪認知件数は年々増え続け

2004年にピークとなったのですが、

 

防犯に力を入れ、

防犯ボラティア団体を増やしたことで、犯罪が減り始め、

今はピークの1/3まで減っています。

 

1/3ってすごいですよね。

埼玉県は防犯ボランティア団体の数が全国一位です。

 

暮らしている方々も

治安がよくなり、ゴミのポイ捨てもなくなり、

環境がよくなったと実感しているようです。

 

治安と健康との関係についてインタビューすると、

 

治安がよくなると、外出しやすくなり、

よく歩くようになるから健康になる。

 

治安がよくなると、心配ごとがなくなり、

ストレスが少なくなるから健康になる。

 

という返答が…。

 

で、調べると、

自分の住んでいる地域は安全じゃないと思っている人は、

安全だと思っている人に比べて心臓病リスクが高い

という研究論文もあるとのことです。

 

安全と健康に関係があることは、

そんなに意外ではなく、納得でしたが、

 

印象的だったのは、埼玉県の、

健康に関する担当部署の方と、

防犯に関する担当部署の方が集まって話す中で、

 

お互い、それぞれで対策をしていて、

健康と防犯が関係があるとは考えてもみなかった。

 

これからは、もっと部局の壁を超えて、

解決策を考えていけたら…という職員の方の声です。

 

ほんと、

役所の縦割りには、無駄が多いな~と感じることも多いけど、

 

AIが、そんな大人の事情に関係なく、

分析をしてくれることで、

 

役所の縦割りが少しは解消できるかも…と、

また、AI分析の効果を感じました。

 

 

さらに、

貧富の差が広がることと治安の悪化は

密接な関係があることはっきりしていて、

 

貧富の格差が大きいところでは、

お金持ちも含めて健康寿命が短くなっているという

データもあるそうです。

 

改めて、社会は様々な要素が絡み合ってできていて、

ある部分だけをよくしようと思ってもダメで、

 

弱い立場の人にもやさしい社会をつくることが、

安心して暮らせる社会に繋がり、

それが、みんなの健康寿命を長くする…

 

というような連鎖の中にいるだと、

改めて思いました。

 

だったら、

膨れる一方の高齢者の医療費・介護費を減らそうと思ったら、

高齢者に限らず、

社会の中で生きにくい人を幅広く支援する予算を増やすことが

一番有効的ということになります。

 

こんな発想、

いろいろな思い込みがある人間には無理で、

AIの判断の方が適確で公平…。

 

施策を考えるには、まずAIの分析…という未来も

近いのかもしれません。

 

 

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