役員の資格要件をどこまで広げるか | 廣田信子のブログ

廣田信子のブログ

マンションコミュニティ研究会、MSC㈱代表廣田信子より
日々のマンション生活やお仕事に、また人生にちょっとプラスになるストーリーをお届けしています。
一人ひとりが自分らしく活躍しながら、力を合わせることで豊かに暮らす、新しいコミュニティ型社会を目指して・・・

こんにちは! 廣田信子です。

 

前回の役員の人数とともに

管理組合によって工夫が必要なのが役員の資格です。

 

フォーラムで、

「管理組合で役員資格を自由に決めていいのか」

質問がありました。

 

これも、区分所有法には規定がありませんので、

管理規約で自由に決められます。

 

平成23年改正まで標準管理規約では、

マンションに居住する組合員(区分所有者)が条件でしたから

そのような規約になっているマンションも多いと思います。

 

今の標準管理規約では、

シンプルに「組合員」というのが条件です。

マンションに住んでいるかどうかに関わらず

組合員には役員資格があるというものです。

 

実態に対応して、

役員の範囲を組合員の配偶者や一親等以内の親族(親、子)

に広げているところもあると思います。

 

慣習的に、役員は区分所有者の名前でも

実際は奥さんが理事会に出ているという実態があるマンションも

まだまだあります。

 

しかし、管理組合内で意見対立が生じた場合、

規約上役員資格がない人が決めたことは無効ではないか

というような問題に発展してしまいますので、

 

慣習にしておかないで、

必ず管理規約を実態に合わせてくださいね。

 

これは、管理会社の方にもぜひお願いしたいです。

 

 

また、高齢化が進んだマンションでは、病気がちだったり、

認知症になる組合員が出るのも当たり前です。

 

で、前回の記事のように、

輪番で役員に当たっても理事会に出てこられないという状況が

増えてしまいます。

 

子供世代に親の代わりに理事をやってもらえるよう

規約を改正して、

むしろ、積極的に働きかけることも重要だと思っています。

 

遠方にいる場合は難しいでしょうが、

意外に近くに住んでいるケースも多いのです。

 

若い役員は理事会を活性化しますし、

 

いずれはそのマンションを相続する人に

管理組合運営に関わってもらうことは、

将来のためにもプラスが大きいですから。

 

そして、

子供が親のマンションの人たちと積極的に関わるのは、

一人暮らしの高齢者の見守りにもつながります。

 

 

また、

生活の場であるマンションでは、

女性の理事の役割も大きいのです。

 

今の高齢世帯では、

まだまだマンションは夫の単独名義のことが多いので、

区分所有者にこだわっていると

女性の人材が活用できなくてもったいないですから、

ぜひ検討してくださいね。

 

理事会はバランスがとれているのが大事だと

私はいつも思っています。

 

多様な価値感を知るという意味でも、

役員の範囲を広げることは意味があると思います。

 

 

一方、

居住していない組合員も、

規約で役員になるのが可となっていれば、

当然、役員の資格を持ちますが、

 

民泊問題のように、

今後、住んでいる組合員と、

資産として保有している外部の組合員とでは

利益が対立する場面も増えてくると思われます。

 

外部の組合員にも

役員としての仕事を平等に分担してもらいたい

という発想だけで役員資格を考えるのは、

ちょっと心配です。

 

少なくても、外部組合員は半数未満とするような

歯止めも必要ではないかと思います。

 

そこに暮らす人たちの安全、快適を第一に考えるという意味で、

23年の標準管理規約改正前の

「現に居住する組合員」という条件にも

大きな意味があると改めて思います。

 

 

---------------------------------------

ランキングに参加しています。
クリックしていただけると励みになります!



マンション管理 ブログランキングへ

にほんブログ村 住まいブログ マンション管理へ
にほんブログ村

---------------------------------------

Facebookでもお届けしています!
→ Facebook