料理の鉄人、イタリアンの山田宏巳シェフ。
たまたま前日にシェフとご一緒させていただく貴重な機会をいただきました。そういえば、失礼ながらシェフのお店を訪ねたことがないなぁと思い、「ヒロソフィー銀座」を訪ねようにも昨年末に閉店。いまは、青山で新しいお店を準備しているそうです。もう料理人人生50年なのだとか!いつまでも精力的に活動されており、尊敬の念が絶えません。前置きが長くなりましたが、本日はかつてヒロシェフが代表兼総料理長を務めた『リストランテ・ヒロ』を訪ねます。
まずは「アンティパスト」からご紹介。烏賊墨のクロケッタを中心に、周辺を毛蟹とハーブのジュレ、ジャガイモのスープ、桜鱒のカルパッチョとキャビア、蒸し鮑とカラスミ、海水雲丹とヴィシソワーズ、生ハム、ブッラータチーズとフルーツトマトと豪華な前菜が並びます。料理の開始の合図は、味覚に視覚に楽しいもの。
続くのは、「甘鯛の鱗焼きと山菜のミネストラ」。鱗はパリパリ、身はふわふわな仕上がり。安定感の高い料理ですね。ミネストラとは、いわゆるミネストローネと同じで野菜のスープのこと。野菜は、うるい、タラの芽、ふきのとうなどの春野菜で作られていて、これぞ日本のイタリアンって感じです。
パスタは「筍とカラスミのスパゲティーニ」。こちらも日本の旬をとらえた筍が登場。カラスミがあると主役がとられがちだが、双方ともいい具合に主張がある印象です。からすみの強さに負けることなく、筍の甘みが伝わってきます。
そして、メインをはるのは30日熟成の熊本の「赤牛」。白黴がナッツ香を作り出してまろやかな味に。しかも、薪焼きによる近赤外線、遠赤外線の力で中はジューシーに外はクリスピーな仕上がりになっております。
シャーベットの滑らかさを保ちつつ、果肉のジューシーさを併せ持ちます。これは最後まで楽しめるディナーになりました。