風の冷たさは暖かさへの予兆らしい。

三寒四温なんて言葉が意識させられるのはちょうどこんな季節で
小学校低学年、
梅の花も咲きに咲いて当たり前に桜の花を待つ頃、
黒板に書かれたその四字熟語には実感もなく
昔の人の云う言葉が現代にもまかり通るとは思いもしなかった。
風の止んだ帰路を辿りながら、暖簾をしまう店の前を早足で通り過ぎ、
大人になればなるほど、冬を楽しむ余裕もなく、
横断歩道の白と黒もただの記号になっていくものだなと寂しく思った。

大人の生活や習慣は嫌いじゃなくて、むしろ好きなのだけれど、
でも、幼い頃の景色の鮮やかさへの羨望がどこかで塞き止める。

経てきたものを失ったと思うか、培ってきたと思うかは人それぞれ。


共に暮らす母は僕にどちらを見て居るのだろう。

マリーローランサンの詩を思い出す。
歩みさえすれば、
歩みさえしていれば、
どの道も忘れ去られることなどない筈なのにと少し寂しい。
忘れてしまうこと程冷たいこともそうそうあるものではない。

時折、思い出した様に吹く夜風の方がよほど冷たい。




知り合いが広島に観光に出掛けて居て、
宮島で揚げもみじまんじゅうをトンビにさらわれた、と云うので
ふと子供の頃の話が思い出されて
それよりもあの鹿は凶暴でなかったかと同調を期待して問うたら
人に慣れて居て至極穏やかだったと云うので驚いた。

小さな頃、宮島の鹿に追い回されて石壁に追い詰められた挙げ句
持って居た駄菓子をむしり取られた思い出が鮮明で、
血まみれになって泣きべそをかいたのだと話して聞かしたけれど、
どうも語り口が悪かったのか
面白可笑しく話を作って居る様に思われて
取り合ってくれて居る感じがしなかった。

今思えば、
鹿の方も背丈の小さな子供の足元を見て居たのだと思う。

たまたま気性の荒い奴が群れを統治して居ただけかもしれないし、
動物学的にまだ解明されて居ないだけで
なにか引力的にそう云う日だっただけかもしれないけれど、
鼻息荒く執拗に攻め込んで来るあの動物こそが鹿、
そう認識してしまったせいで
修学旅行の奈良公園も少し気怖じしてしまったものだった。



幼稚園の年長さんの頃、スーパーの前で大型犬に噛まれたことがある。
今はもう犬種も忘れてしまったけれど、
口元に傷が残ってしまうくらい派手にガブリとやられてしまった。

当時治療に掛かった時の医師は
「男の子だから、髭も生えるし大丈夫」と
心配する母親に笑って語ったけれど、
相手先の飼い主の妙齢の女性はオロオロするばかりだった。
なんだか全て不思議で仕方なかった。

今ならその大人達の気持ちも全て理解出来るけれど、
「大きくなったら何になりたい?」以外には
将来とか未来なんて言葉は漠然として居て想像付かない時分に
顔に傷が残ることはなんでもないことだったし、
このおばちゃんが今ここで嘆いて居ることの方が不幸で
早く怪我を治さなくちゃいけないな、なんてことを
ただ
ただ思った。

翌日以降も犬好きは治るはずもなく、
近所の工場の犬を触りにいっては親を心配させた。



こんな云い方をしては寂しいし悲しいけれど、
あの鹿もあの犬も多分。
もう。
そう。

でもこうして心とか、体の一部に刻まれたことで
僕にとって重要な一部分になって居て、
この季節に決まって四字熟語を意識するのと同じ様に
忘れ去られることもなく生き続けてしまうのだと思う。


うまく云えてるか不安だけれど、
そんな風に生きたいな、なんて
この仕事をして居るとたびたび思う。

この筋肉痛は数日で消えてしまうけれど、
失うのではなく、培われて続いて行くものろうなぁ、
そんなことを思う。


三寒四温。



舞台「9ーナインー」
稽古自体は始まったばかりだけれど、
早くも筋肉痛の毎日が始まって居て、
動いた翌日に筋肉痛が来るなんて28歳も捨てたもんじゃないな
なんて思いながら過ごして居ます。

ずっと客席から観劇する側だったのケイダッシュステージなだけあって、
出演してお届けする側になれて気合いは充分。
鈴木省吾さんや、柏進さんと同じステージに立てることも嬉しくて、
久し振りから初めましてのキャストも徐々に和気藹々になってきて、
皆で汗かいて男らしくて爽やかな作品に近付いて行きました。
若干一名、毎日筋肉痛気味ですが、
筋組織が壊れて痛いのも、筋肉の成長する兆し。

お届けする作品を至高に出来るようカンパニー一丸となって闘っております。
是非是非、劇場で僕たちの勇姿を目撃して下さいね。



さてさて、日も明けて本日14日は
BARABAN NIGHTです。
周囲から噂に聞いて居たBARABANに初出演とあってドキドキです。
バレンタインデーの今夜、
僕たちからの誠意一杯の愛も作品への愛の語らいも両方とも
余す所なく聞き取って下さいね。



2月14日(木)

『BARABAN NIGHT!42th!~Valentine Special!~』-チョコレートをどうぞ!-

【出演者】

18時40分
前説:BARABAN登場!

※前説途中から、先日終了した舞台『ライチ☆光クラブ』に出演していた女優半田杏が久々にバラバンでソロ曲を披露します!

19時00分
①『bambino』メドレー(伊藤陽佑&水谷あつし)
※あの伝説の舞台『bambino』の劇中曲を、竜太役の伊藤陽佑とマスター役の水谷あつしでお贈りいたします。

19時15分
②ハレルヤシスターズ
※まつことマヤの超メガトン級コンビ、ハレルヤシスターズの重量感あふれるコーラスに圧倒されてください!「圧力に負けないで!」

19時40分
③『9 ‐ナイン‐』出演者チーム(橋本真一 河原田巧也 向山毅 上杉輝 田中伸彦 花田俊 北村諒 齊藤稜駿 柏進 鈴木省吾)
※3月に上演される噂のボクシングの舞台『9 ‐ナイン‐』の出演者が稽古中にもかかわらずバラバンに参加!稽古中のエピソードなど大爆笑トークを披露します!

20時20分
④Jun-Xion(木野村温子、佐島大介、リュウイチ、那月美)
※三浦涼介のバックダンサーとして活躍しているJun-Xion。活躍の幅を広げている4人の個性的なダンスパフォーマンスに注目!はたしてR・Mは登場するのか!?

20時35分
⑤『ダブルブッキング!』出演者チーム(松岡卓弥 林修司 折井あゆみ 福井啓太 マッチョ 柏進 水谷あつし)
※先日終演した大評判の舞台、3劇場連動同時上演『ダブルブッキング!』のDVD発売を記念して、バラバンナイト特別編集バージョン(8~9分)を上映し、出演者チームによる、思い出話、?爆笑トークショーをお贈りいたします。

21時15分
⑥LITO(伊藤陽佑)
※LITO、今年初の『バラバンナイト!』に登場!バレンタインバージョンのLITOサウンドに酔いしれてください!

開場18:00 /開演 19:00

[一般] 前売 3,000円 (ドリンク500円別) /当日 3,500円 (ドリンク500円別)
[KSB会員] 前売 2,500円 (ドリンク500円別) /当日 3,000円 (ドリンク500円別)
※KSB会員は、要画面提示。※お一人様一枚のみ
ASTRO Shop・web・Tel予約にて1/25(金)13:00より発売

ASTRO HALL 03-3402-3089 
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-32-12 ニューウェイブ原宿 B1

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販売期間: 1/25(金) 13:00 ~ 2/13(水) 20:00まで
・ASTRO HALL店頭
・ASTRO HALL Webフォーム予約 http://www.astro-hall.com/ticket/

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