PIW鹿児島。宇野昌磨君、新プロだったんですね。The Spectre とか。真凛ちゃんの振付?すごくカッコいいとか。そのうち、見られるかなあ?

 

備忘録となっているこの日記です。いってみましょう。

 

 

 

昨日の土曜日。私は日本詩人クラブの7月例会に主人と参加しました。会場は今井館聖書講堂。まずは、「新しい詩の声」授賞式。最優秀賞は 角 朋美さん「湖の箱」 優秀賞は いのうえあきさん 「象の居る川」 黒田ナオさん 「穴」 竹之内 稔さん

「oto ri」でした。おめでとうございました!

 

それから、「三賞受賞者記念講演」で 日本詩人クラブ新人賞の井嶋りゅう氏の「津軽と私」 日本詩人クラブ詩界賞(特別賞)の棚沢永子氏の「出会いを大切に」  どちらも興味深い講演でした。ありがとうございました。

 

例会の後は懇親会で、私は主人と一緒に参加しました。鍋をつつきながら、詩人の皆様と色々、懇談できて楽しかったです!ありがとうございました!

 

 

今日の日曜日。私は所要があって、下高井戸に行きました。西友で買い物をしたら、全部、無人レジであわてました。スタッフの方が丁寧に説明してくれたので、助かりました。世の中の流れが早くて、ついていくのが大変です。

所要をすませ、美容院に行きました。髪の毛をシャンプーセットして頂きました。その後で喫茶「風味」に寄ってランチ。ボルシチセットとアイスコーヒーを頂きました。

 

 

 

さて私は井上正行様が御詩集「目」(アオサギ)をお送りくださったので、読みました。

 

ここでは、5篇、ご紹介させて頂きたいと思います。

 

「眼の奥」

 

息が詰まるほどの

安らぎに満たされた空に

鳥は飛ばず

雲も流れず

ただひたすらに

凪だけがある

 

私はいつも

そこに佇んでいる

ということに

ふと気づく

 

怖くもない

優しくもない

不思議でもない

悲しくもない

安らぎでもない

場所に

 

巨大なトルソー

そこから落ちる

涙は

大海原の

しぶきになり

水面は真珠色に

凍っていく

 

そして

光の予感とともに

溶ける景色

そこで言葉を刻む衝動に駆られる

閉ざされた眼の奥から視線を感じる

 

見つかってしまう

その前に

 

知ってしまったことを

書き留めておきたい

 

景色は片方の目でしか見れないということ

元々目は一つしかなかったということ

一度見た夢はもう二度と誰にも見られないということ

 

 

「鏡」

 

誰かの感情が洗面所で凍っている

最近の鏡は青ざめた日常しか映していないから

そろそろ消費期限なのだと思った

最後に取り替えたのはいつだったか

 

いくら考えても思い出せなくて

ネット通販で鏡を検索したけれど

どこにも消費期限が書かれていなかった

 

世の中はますます不親切になっていく

新しいのか古いのか

そんなことお構いなしに

物が売れればそれでいいのだ

 

だけど私は知っている

たくさんの光を浴びると鏡は腐る

だから私は真っ暗の洗面所で

少しずつお湯を流して

ゆっくり顔を洗うし歯も磨く

 

そうすれば

ほんの少しだけのひび割れで

済ますことができるから

 

 

「台所」

 

なんとなく

台所に立っている

 

真っ赤な桶の中に

澄み切った

水がなみなみと

ある

 

底には

お茶碗とお箸が

沈んでる

 

白熱灯に照らされた

水海に

舟を浮かべて

ただただ漂う

私がいた

 

母が入院した日

(ああ 座礁しそう)

父と舟を漕いだ

 

レトルトカレーを作った日

(大きな満月が沈んでる)

父と目を見合わせた

 

ハンバーガーを食べた日

(今日は水が枯れてるな)

独りぼっちの風が吹いた

 

寿司の出前を頼んだ日

(細い木も沈んでる)

青と黒のお箸が四本沈んでた

 

ピッ

チョン

カチャッ

 

父の寝息以外何も聞こえない

黙った部屋で皿が鳴る

深夜2時になっていた

 

泡だらけのスポンジを

何度か握り

残った茶碗を

すくいあげる

 

我に返ったはずなのに

 

私は水面に

今なお独り航海をする

 

母の姿を見つけた

ような気がした

 

「写真」

 

白いランニング

パンツ

 

死んだ人の写真

小さな私が写ってた

こんな笑顔で笑うんだ

気づけなかった

「集大成だね」

そういって見送った

小さくなったじいちゃん

消えいるような声をかけた

 

この世にはもう存在しないものばかりが写っていた

じいちゃんちのみかんの木

古いアパート

錆びた欄干

駐車場

時間

季節

地面

 

しっかりと手をにぎっていた

夏だった

父はいつもの笑顔で

ほら笑ってといい

私じゃなくてじいちゃんがにっこり笑って

まあいいやぱちとシャッターを押し

でもまだ笑顔のままのじいちゃんを見て

写真の中の私もにっこり笑って

家に入って行った

家にはばあちゃんが

椅子に座って

古い台所で

何か温かいものを

作っていた

 

それにしたっていいピース

チョキじゃない

ピースはランニングに似ている

 

 

「森」

 

あなたの肌に触れてきた

小さな頃からずっと

こわばってしわしわでも

さわっていたかった

 

日差しを浴び

風に吹かれて咲っていた

朝も夜もにぎやかだった

 

ひとり病にふせっていても

手と手を合わせて擦るとき

あなたの咲う声が聞こえた

 

あなたは拍手も上手かった

ひとり燃え

灰になって消えていく

その時でさえ

ぱちぱちぱちぱちと

手を叩き

あたりをぱっと明るくし

私の心をじんわり濡らした

 

鳥が住み

虫が住み

あなたのえくぼ

私もかつてはそこにいた

 

今は遠くにいるようだけど

かすかな声がこだましている

 

 

井上正行様、ご恵贈ありがとうございました。

 

「眼の奥」 知ってしまったことを 書き留めておきたい 景色は片方の目でしか見れないこと 元々目は一つしかなかったということ 一度見た夢はもうニ度と誰にも見られないということ   そうなんですね。私もよく書き留めています。

 

「鏡」 誰かの感情が洗面所で凍っている  それは不味いですね。真っ暗の洗面所で 少しずつお湯を流して 少しだけのひび割れで済むのなら そうせざるを得ませんね。

 

「台所」 お母様の入院でお父様と二人、大変だったのでしょうね。 私は水面に 今なお独り航海をする 母の姿を見つけた ような気がした   私も今なお亡き母の姿を見つけた気になることがあります。

 

「写真」  写真は今なお昔のことを雄弁に物語るのですね。 それにしたっていいピース  写真が眼前に浮かぶようです。

 

「森」 こわばってもしわしわでも さわっていたかった あなたの咲う声が聞こえた あなたは拍手も上手かった 私の心もじんわりしてきました。何だか懐かしくなるような詩ですね。

 

 

ありがとうございました。ますますのご健筆とご活躍をお祈り申し上げます!