昨日、今日と良いお天気で嬉しいですが、風がまだ冷たいですね。

 

備忘録となっているこの日記です。いってみましょう。

 

 

 

 

昨日の土曜日。私は富士高校の第26期同期会(第6回)に参加しました。会場は京王プラザホテル新宿 42階「富士」。

第5回は、平成29年に還暦を祝う会でした。第6回は、「本案内」「延期」「再延期」「再々延期」と続き、2年が経ってしまったそうです。清水君をはじめ、実行委員の皆様、本当にご苦労様でした。来年3月は富士高を巣立って50年という節目だそうです。高校1年生の6月に屋上から眺めた新宿にはオープンした日本一のノッポビル「京王プラザホテル」がそびえていたそうです。この日の会場です。私は富士高時代は楽しかったし、今でも懐かしく振り返ることができます。同期会で懐かしい方々にお会いできて、感慨深いものがありました。同期会にはできるだけ、参加したいと思っています!

 

 

今日の日曜日。私は美容院に行きました。髪の毛をシャンプーセットして頂きました。その後で喫茶「風味」に寄ってランチ。ビーフシチューセットとホッとレモンティーを頂きました。

 

 

 

さて、私は森川芳州様が御詩集「泣いて笑って幼子よ」(土曜美術社出版販売)をお送りくださったので、読みました。

 

ここでは、6篇、ご紹介させて頂きたいと思います。

 

「二人だけの公園」

 

二歳半になった娘を私の実家に連れて行った

着いた途端に「アーちゃん帰る」

家に入るのを渋った

家の中に入っても「おとなしい子ね」「可愛い子ね」

などと皆に言われてもむっつりしたまま

姉の子供たちに「遊ぼうよ」と言われても

私にしがみついたままだった

 

帰りに近くの公園でブランコに乗せてあげた

娘は黙ったまま乗り続けた

「もう降りようか」と聞いたら

頭をコクンと下げた

ベンチに座って二人でチョコボールを食べた

「オシッコは」

「する」

ようやく言葉が出た

 

娘が余りひとと馴染まなかったのは

私が構い過ぎたからなのだろう

 

結婚して新居を構え

母にこれといった言葉を掛けることもなく

私は実家を後にした

いつか娘も私の手の届かないところへと

飛び立って行くのであろう

 

二人だけの公園は落ち着くのか

「帰ろうか」と言っても帰るとは言わない

ベンチで座り続けた

冬の暖かな陽は陰ろうとしていたが

 

「摑む」

 

息子も生まれて七ヶ月が経ち

ニギニギが上手になり

何でも摑むようになった

蛍光灯の紐を思い切り引っ張り

パチッと電気が切れて

辺りは真っ暗

何が起こったのか

薄暗闇の中で顔を左右に振って

 

直ぐには離れないほどの強さで

私の指を摑むことも

私の指を摑みながら

私の思いを汲み取ってゆく

 

一人で哺乳瓶も

支えられるようになった

お皿に載った食べ物も

懸命に掴もうとする

摑めたなら嬉しそうな顔をして

口へと持ってゆく

 

ジャラジャラとオシャブリを鳴らしたり

一人で遊ぶことも覚えた

遊ぶことを覚えたトックンは

もう

寝ることは大嫌い

手に触れたものは

何でも摑みながら

絶えず辺りを

キョロキョロと

 

「缶ジュース」

 

息子も一歳三ヶ月となった

歩き回るために

目も離せなくなった

一歳上の娘が缶ジュースを飲んでいたら

「トックンも」と言って欲しがる

 

零すので

妻がジュースを哺乳瓶に入れて渡したら

放ってしまった

泣きながら

娘の腕を引っ張って

「缶だよぉー」と

大きな声を上げる

 

缶ジュースを渡してあげたら

喜んで

口に当てて

飲み始める

 

零さないように

妻が傍らから

缶ジュースを支えてあげたら

また泣き声を上げて

妻の手を払う

 

上手に飲めず

零してしまっても

息子のトックンは

一人で飲まないと

気がすまないのです

 

「ただ甘えていた日々の歌が」

 

乳飲み子よ

お前の瞳の中に

遥か昔の私がいる

 

純真なこころを

ずっと以前に

遠いところに置き忘れてきた私には

いたいけな赤子の一挙一動が

澄んだ響きとなって

私のこころを貫く

 

甘える

泣きわめく

疑いを持つこともなく

そんな場所に帰れるならば

帰りたいと思うのだが

 

辛すぎる

痛みは

感じてしまったなら

一歩も動けなくなる

 

薄暗い茶の間の奥の四畳半

破れ障子から射す微かな光

乳児期

来る日も来る日も

思い煩うこともなく

夢を見ていたのでは

その夢は

輝いていたことであろう

 

「カタツムリ」

 

カタツムリやバッタやコオロギ

何処へ行った

山々が切り崩され家々が建つごとに

故郷は遠のき

今では幼い頃の記憶の中でしか思いだせない

 

あっちの山はうさぎ山

こっちの山はトンネル山

蝉やカブトムシが飛び交う山の中を

虫取り網を片手に竹籠をぶら下げて

兄たちと駆けずり回った

「オーイ、オーイ」と母が

雲の彼方で呼んでいる

元気でいるかと呼んでいる

 

蛙の鳴き声も聞こえなくなった

トンボや蝶も見かけなくなった

山や小川が忘れられないと

遥か昔に帰ったか

 

蛍が飛び交う蚊帳の中で

姉や妹たちとはしゃぎ回る夢を見た

「ヨシクニ、ヨシクニ」と母が

大きな提灯をぶら下げて

闇夜の彼方で呼んでいる

ぐっすり寝たかと呼んでいる

 

ベランダでカマキリの幼虫を見かけた

おそらく

もう見ることも無くなるのだろう

 

「ひかりびとたちよ」

 

歳をとり

早足で歩くことができなくなった

酒も余り飲むことができなくなった

陽が眩しく感じられるようになり

ひとりで音楽を聴くことが多くなった

むかしのことが

懐かしく思いだされるようになった

一緒にキャンプに行ったね

一緒にカラオケを歌ったね

 

ひとには

それぞれの人生がある

賀状だけのやりとりになり

そして

訃報の知らせが

 

見守り続けてくれた母よ

こころ弾ませてくれた息子よ

あなたたちのことを思うと

涙が出てきて止まらない

 

ひとは

誰かの思いを受け継いで生かされ

そして

やがて一条の光となってゆくのであろう

 

ひかりびとたちよ

何処かで

また

会いたいね

 

 

森川芳州様、ご恵贈ありがとうございました。

「二人だけの公園」 二人だけの公園は落ち着くのか 「帰ろうか」と言っても帰るとは言わない  父と娘の貴重な時間ですね。

「摑む」 遊ぶことを覚えたトックンは もう 寝ることは大嫌い トックンは遊びを覚えて嬉しかったのでしょうね。

「缶ジュース」 トックンは零しても、一人で缶ジュースを飲みたかったのですね。

「ただ甘えていた日々の歌が」 乳飲み子よ お前の瞳の中に 遥か昔の私がいる  誰にも乳児期はありますね。我が子を見ていて、遥か昔の自分に思いを馳せるのですね。私も帰れるなら帰ってみたいと思いますが。

「カタツムリ」 本当にカタツムリやバッタやコオロギは何処へ行ったのでしょうか?故郷は遠のきますね。淋しいですよね。

「ひかりびとたちよ」 ひかりびとたちよ 何処かで また 会いたいね  本当にそうですね。私も父や母をはじめ、ひかりびとたちに会いたいです。

 

ありがとうございました。ますますのご健筆とご活躍を祈念致します!