フィギュアスケートのインカレ、女子の優勝者は青木選手でしたね。おめでとうございます!

 

 

備忘録となっているこの日記です。いってみましょう。

 

 

 

 

昨日の月曜日。私は所要があって、大塚に行きました。それから、

「詩と思想」新年会に出席しました。場所は神保町の学士会館。第32回「詩と思想新人賞」(受賞者・一史さん)の贈呈式も行われました。おめでとうございます!また、懐かしい皆様の顔ぶれも見て嬉しかったです。毎年、この新年会に出席することで、新しい年が来たと認識できるので、嬉しいです。年初の地震、飛行機事故と続き、おめでとうと言うのは憚られるのですが、懐かしい方々にお会いできるのは、嬉しいです!

 

今日の火曜日。私は所要があって、ドコモショップに行きました。

当店のお客様の入りはボツボツと。「日本の古本屋」に登録していた「英語基礎語彙の研究」「新編日語外来語辞典」が店頭で売れました。また、お電話で「更級日記」にご注文が入りました。ありがとうございます!私は本の相場を調べる仕事をしました。主人は本の発送と整理に務めました。

 

 

さて、私は川口千恵子様が御詩集「催花雨」(土曜美術社出版販売)をお送りくださったので、読みました。

 

ここでは、6篇、ご紹介させて頂きたいと思います。

 

「催花雨」

 

花の咲き出す頃に降る雨

催花雨

一雨ごとに暖かくなり

地面の中では

球根がそっとふくらむ

 

  大地は赤し チューリップのごとく

  この国の幼子のかんばせに

  悲しみのチリが降り積もる

 

若者が歌うアフガニスタン民謡

 

アフガニスタンに雨が降る

たっぷりと血を吸った赤い大地

涙のような雨つぶがしみ込む

 

春を待ちこがれる

催花雨

  人生に幸不幸はない

  明と暗があるのみ

  大地は赤し チューリップのごとく

  この国の幼子のかんばせに

  悲しみのチリが降り積もる

  母達は 我子を失くし

  若者は 生きて帰らず

          (アフガニスタン民謡)

 

「バオバブの木陰で」

 

バオバブ

アフリカの大地

空に向かって凛然と立つ

 

聖霊の宿る木

 

強烈な太陽から人々を守る

幹には水を蓄え

実は食料となり

樹皮も薬やロープになる

古代から

人々の生活そのものである

 

バオバブの木陰に休む幼子

あれは疲れ切った少年兵

 

アフリカのモザンビーク

拉致された時わずか六歳

世界最年少の少年兵

つぶらな瞳が見てきたもの

決して語ることなく十数年

胸の奥底に封じ込められた

少年兵は父となり

子どもたちが

自分が少年兵と呼ばれた年になった

今少しずつ語り始めた

かつて少年兵だったことを

 

バオバブの木に

風が通り過ぎる

ヘチマに似た

大きな実が揺れている

 

「ラテンのノート」

 

ノートを見てリズムを取っていた

あれっこの駅どこ? あっ守谷

慌てて乗り換え胸を撫で下ろした

 

ラテンの歌詞ノート

上にカタカナでルビを打ち

下に意味を書いた

手間暇かけて作ったノートがない

 

「北千住に届いています」

「本当 嬉しい」・・・・が

つくばからざっと二時間

往復二千百円 ノート十九冊分

作り直した方がいいのかも知れない

 

「切符でますよ」

「えっ」

電車の忘れ物で初めて切符を貰った

翌日取りに行った

 

ノート一冊届けてくれた人

一度は見捨てようとした私

切符を出してくれたつくばエクスプレス

 

帰って来たのは何よりノートの意志

「帰りたい きっと迎えに来てくれるさ

歌をうたって待っていよう」

  私の家のドアは開いているわ

  心のドアもすべてオープンにしたの*

ラテンのノートの歌声

呼び寄せられたような気がした

 

     *『おいしい水』 ボサノヴァ ポルトガル語の歌

       アントニオ・カルロス・ジョビン作曲

       ヴィニシウス・ヂ・モライス作詞

 

 

「約束」

 

とみちゃんが学校を休んだ

本当に実行したんだ

ごめんね 私はできなかったよ

 

あと一人休んだら学級閉鎖

私達は約束した

あした休もう

 

強く思った

翌日母に学校へ追いやられた

ほかの三人も休ませてもらえなかった

とみちゃんだけが休んでいるのを知った朝

とみちゃんみたいに

約束を守れる人になりたい

放課後とみちゃんの家に行った

とみちゃんは

インフルエンザにかかっていた

小学五年の冬だった

インフルエンザの季節に思い出す

ちょっとおかしなあの熱い決意

あれからかもしれない

約束に妙にこだわる私がいる

 

 

「私には詩がある」

 

ーー大丈夫?

問いかけられ

ーー私には詩があるから大丈夫

と 答えた自分に

私は驚いた

 

ちょっと照れて

そして

一人静かに感動した

私には詩がある

 

「雨の日に」

 

外は雨

素足に畳がひんやり冷たい

しんとした部屋の中

遠い日を想う

 

父は特攻隊の生き残り

出撃が近づいた時に戦争が終わった

どこかに父の名前が

赤く刻まれた石碑があるらしい

もっときちんと話を聞いていれば

と 今は思う

 

会社を辞めた後 七年の浪人生活

毎年資格を取るたび

また新たな資格に挑戦し続けた

五十歳で法律事務所を開設

もっと楽にいいかげんに

なまけ者で生きて良かったのに

 

外の雨

音もなく降り続ける

 

 

川口千恵子様、ご恵贈ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「催花雨」 花の咲き出す頃に降る雨 催花雨 若者が歌うアフガニスタン民謡 人生に幸不幸はない 明と暗があるのみ

そうかもしれないですが アフガニスタンの大地は悲しいですね。

「バオバブの木陰で」 拉致された時わずか六歳 世界最年少の少年兵 子どもたちが 自分が少年兵と呼ばれた年になった

壮絶な人生ですね バオバブの木はそれを見てきたのですね。

「ラテンのノート」 戻ってきて良かったですね。帰って来たのは何よりノートの意志 そうだったのですね。

「約束」 とみちゃんは インフルエンザにかかっていた ちょっとおかしなあの熱い決意 約束に妙にこだわる私がいる ちょっとおかしみもあるエピソードですが、約束にこだわるようになったのは、いいことだったのかも・・・

「私には詩がある」 詩があるから大丈夫と答えられるって凄いですね。一人静かに感動する気持ち、わかります。

「雨の日に」 五十歳で法律事務所を開設 素晴らしいです!私の父も兵隊として朝鮮に渡る前に終戦を迎えました。戦争の話はあまりしませんでしたが・・・

 

ありがとうございました。ますますのご健筆とご活躍を祈念致します!