昨日のフィギュアスケートのグランプリファイナル、男子シングルのSPは凄い闘いでしたね。昌磨君の完璧な演技には、つい見惚れましたが、マリニン君の4Aには度肝を抜かされました。今日は女子のSPを楽しみにしています。

 

 

備忘録となっているこの日記です。いってみましょう。

 

一昨日の水曜日。私は初台の詩のクラス「ひるま会」に参加しました。宿題の詩は「出雲大社」を書きました。俳句も付けました。秋深し出雲大社に神気満つ

それから、同人誌「ひるま会 6号」の編集を皆でやりました。刊行は2月の予定です。

 

 

昨日の木曜日。私は代々木の歯医者さんに行きました。2か月に1度のメンテナンスです。

当店のお客様の入りはボツボツと。黒い帽子のお兄さん、豚の角煮が上手なお兄さんも見えました。「日本の古本屋」からは、「モジュール化の終焉」「治療塔」「治療塔惑星」にご注文が入りました。ありがとうございます!私は本の相場を調べる仕事をしました。主人は本の発送と整理に務めました。

夜はテレビでフィギュアスケート観戦。昌磨君、優真君、佳生君、日本人選手の活躍が素晴らしくて、応援に気が入りました。フリーも頑張ってください。

 

 

今日の金曜日。当店のお客様の入りはボツボツと。豚の角煮が上手なお兄さんも見えました。「日本の古本屋」からは、「世界彫刻美術全集 第3巻」「画商の誕生」にご注文が入りました。ありがとうございます!私は1件だけ、登録しました。本の相場を調べる仕事をしました。主人は本の発送と整理に務めました。

 

今夜はフィギュアスケートの女子のSPの応援をテレビの前に座ってします。日本人選手、頑張れ!

 

 

 

さて私は鷹取美保子様が個人詩通信「あん No.59」をお送りくださったので、読みました。

 

ここでは2篇、ご紹介させて頂きたいと思います。

 

「手の人」

 

テレビ画面に映し出される

細く長い指

白鍵をすべり

黒鍵をたたく

 

ショパン国際コンクール

セミファイナリスト

角野隼人が

ピアノを弾いている

 

髪をゆらし

端正な顔に

時折浮かべる苦悩と

少しの微笑みは

司会者の心もとらえる

 

その指先から零れ落ちる

優しさと激しさが

私を遠い日に運ぶ

 

あっ

あの形の良い手を持つ人が

黙したまま 戻って来る

私の傍にすっと立つ

 

独奏は続き

部屋にショパンが溢れ

カーテンは耳を欹てている

花が一斉に咲き

硝子窓がわずかに震える

 

気配をさらに消しながら

優しい掌の人は囁く

「この部屋を、音の雫で満たしてはいけません。

ここは、私の寝所 となるのだから」

 

角野隼人が椅子から立ち上がる

私の肩先に

重さを失くした手が

そっと置かれる

 

あの日

頤に触れた ためらいの指

冬のポケットのような 安らぎの甲

禁じられた遊び を奏でる

アコースティックギターの

ピックの動きと弦の張り

ソーサーに

静かに置かれるコーヒーカップ

整えられた 薄桜色の爪

 

お勧めの本の

お気に入りのページの

隅を折るように

かろやかに

私の半身だけを 畳んで

私の手の人は

帰って行く

 

角野隼人が

深々とお辞儀をする

拍手は鳴りやまない

 

私の拠り処だった人は

黄昏時の白鷺のように

祈りの姿を見せ

今日も 光を纏い

黒い画面のなかから

あの温もりを覚えているか

と 幾度も問いかけてくる

 

 

「見送り」

 

「お客様をお見送りするときは、門の外で、お姿が見

えなくなるまで立っているのですよ。振り返ってお辞

儀をなさったら、より深くお辞儀をしなさい」

 

母の言葉が

風に乗って聞こえて来る

 

父が逝き

母が逝き

大きな門はなくなり

お客様も少なくなり

庭の樹々だけが

年ごとに幹を太らせ

枝を伸ばし続けている

 

番人のように立つ棕櫚の脇をぬけ

満天星の静かな呼吸にあわせ

母は 永遠の囁き人となり

気ままに 戻って来る

 

「お見送りの

ご挨拶を忘れてはいけません」

 

私の耳は

母の声で重くなる

溢れた声は

熟れた夏茱萸のように

耳朶の端で揺れる

 

「母さん、お見送りの仕方は十分教えていただきま

した。そろそろ、見送られるときの作法を教えてくだ

さいませんか。例えば、お辞儀の角度とか、誰に一番

先にお礼を述べるべきだとか、わからないことばかり

で、なかなか準備ができません」

 

おきをつけて や

おげんきで や

またおいでください を

母ほどの笑顔では言えないまま

歳を重ねてきた

 

礼儀正しく見送れるようになった頃

私は見送られる人となるのだろう

 

庭先に立つ娘の方を

一度だけふり返り

軽く手を振る

真っ白な景色のなかで

See you、だけを残して

娘の視界から

鮮やかに消えてみせようか

 

 

鷹取美保子様、ご恵贈ありがとうございました。

「手の人」 私の拠り処だった人 あの温もりを覚えているか と 幾度も問いかけてくる   ドラマの一シーンを見ているようですが 手の人への思い、祈りが強く感じられます。

 

「見送り」 見送られるときの作法、私も教えて頂きたいです。そろそろ、そんな年になってきたのかと・・・

 

 

ありがとうございました。ますますのご健筆とご活躍をお祈り申し上げます!