論語知らずの論語塾102~反面教師 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

論語には、孔子が嘆いたりぼやいたりしているものもある。

この日習った章句もそれ。

 

()(のたま)わく、

 古者(いにしえ)(たみ)三疾(さんしつ)()り。(いま)(ある)いは()()きなり。

 (いにしえ)(きょう)()(いま)(きょう)(とう)(いにせ)(きょう)(れん)(いま)(きょう)忿(ふん)(れい)

 (いにしえ)()(ちょく)(いま)()()のみ。 (陽貨篇)

 

昔は人々が陥りやすい欠点が三つあった。

が、反面それに伴う長所もあった。

しかし今はそれすらなくなってしまった。

昔の「狂」とは志が大きくわがままなところがある反面、

小さいことにこだわらないよさがあった。

ところは今の狂は気ままででたらめである。

昔の「矜」とは誇り高いが、反面、角が立つところがあった。

でも今の矜はただ角が立っていて、人と争うことしかしない。

昔の「愚」は何の作為もない反面、馬鹿正直なところがあった。

しかし今の愚は偽りを言い、ずるさのみしかない。

反面教師になればいいのだが…。

 

小さなことにこだわらない、誇り高くて、お人よし。

なかなか、そんな人いない。

自分勝手で、喧嘩っぱやくて、愚かで性格が悪い。

そんな人ばかり。

孔子でなくても、ぼやきたくなる。