村上隆、もののけ、京都 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

現代美術家の村上隆さんは、本郷高校の後輩だ。

彼は、1980年の普通科卒業だから、ボクより8年後輩だ。

村上隆さんは、本郷学園100周年(2022年)に当たって、こんなコメントをしている。

『私は、本郷高校において、超ド級の落ちこぼれでした。 しかも、私が在籍中の本郷高校は、お世辞にも学力が高い学校ではありませんでした。サッカー、ラグビーが強く、こち亀の秋本治さんの出身だ!と誇りにする芸術芸能系が強く、そして学ランも、ボンタン、ハイカラーなど、ツッパリ漫画そのマンマのスタイルで、町中をブイブイ歩いていたのです。

私はそんな学校の一学年550人居て530番以下の劣等生で、 代々木の塾に通っている時、羽目を外した姿を見つけられて、ドヤされながらも、なんとか卒業させてもらい、東京藝大受験を二浪して合格。そういった思い出のつまった我が母校を深く愛しております。

正直、世界はソーシャルメディアの普及で混沌としていますが、そんな中、国の政治力・軍事力の強い・弱いではなくて、純粋にクリエイティブなところの面白い・面白くない、という所で、私達、個々人が生きる人生の価値が決定され易くなったと思っています。

僕の知っている頃の本郷高校は、スーパークリエイティブな学校でしたので、皆さんのクリエイティビティを伸ばして、日本に住み暮らしながらも、世界に影響を及ぼせるような、楽しかったり苦しかったり、感情に激しく訴えるようなものを創造していけるような人々になって下さい。

「お金を稼ぐ」とか、「権威や地位を守る」とか、そういうことよりも「人を喜ばせる」ということが、この世界で一番大事だと思うのです。そうしたら毎日ドタバタして、ふり返れば、生きがいのある日々を生きたな、と思って死ねると思いますよ!』

これからを担う後輩に向けて、飾らない口調で素晴らしいメッセージを送っている。

 

現代美術の最前線で活躍する村上隆さんの大規模な個展が、いま開館90周年を迎える京セラ美術館において開催されている。

主に海外を中心に活動してきた村上さんにとって、国内で8年ぶり、東京以外で初めての大規模個展だ。

 

村上隆さんは、日本の伝統的な絵画表現とアニメや漫画、ゲームに代表される大衆文化を結びつけた。それだけでなく、日本人の感性や社会の様相、さらには資本主義経済や政治、宗教をもフラットに捉え、あらゆる手法を用いて創作活動全体に取り込み、多種多様な作品を生み出し、アートの価値や本質的な意味を問いかけてきた。

 

このたびの展覧会「村上隆 もののけ 京都」は、村上さんが、活動初期から深い関心を寄せてきた江戸時代の絵師たちが活躍し、今なお、あらゆる芸能と芸術が息づき交わり合うここ京都を舞台にしている。新たに描きおろした超大作をはじめ、代表的なシリーズ、国内初公開となる作品など、大多数が新作となる170点で構成されている。

 

大学で日本画を専攻した村上さんは、江戸時代の絵師たちから大きな影響を受け、自身の作品に取り入れてきた。
展覧会では、江戸時代に京都を中心に活躍した絵師たちの代表作を再構築した新作が多数展示されている。

災いをもたらす邪鬼を踏みつけている高さ4.3メートルの赤の《阿像》と青の《吽像》は、東日本大震災をきっかけに制作され、自然災害、疫病、戦争といった様ざまな災厄から人々を守ってほしいという祈りが込められている。
京セラ美術館の中央ホールに堂々と展示してある。

 

神社仏閣、祭りや遊里、歌舞伎や浄瑠璃に興じる人々など、京都のさまざまなシーンが描かれた岩佐又兵衛の「洛中洛外図屏風(舟木本)」(江戸時代・17世紀)。これを引用し、村上が書きおろした全長13mにもおよぶ現代の「洛中洛外図」。

風神雷神図は、俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一らによってほぼ100年おきに模写されてきた。抱一の風神雷神図から200年経つ今、村上隆がこの画題に向き合った。

 

1000年以上の歴史をもち、四季折々の伝統行事に彩られた平安の街。祇園祭、五山の送り火、茶道や華道といった国内外の人々に親しまれ続ける「京都」の伝統文化や、京都を主題とする文学作品などから着想して描きおろした作品の数々を初公開。村上隆が案内する「古都」への入口!