山根基世さんは、NHKアナウンサーの先輩。
女性として初めてアナウンス室長も務めた。
『映像の世紀』や『半沢直樹』などの名ナレーターでもある。
朗読指導者の養成にも尽力している。
そんなレジェンドとサシで食事が出来るなんて、NHK時代には考えられなかったことだ。2人でゆっくりと話すのは初めてのことだ。
去年9月、山根さんの主宰する朗読会に呼んでいただいた。
今度は、今年11月ボクが主宰する朗読会に山根さんをゲストで迎える。この日はその打ち合わせ。
何しろ、初めて話すので、お互い知らないことばかり。
ここでは書けない内緒話もあった。
嬉しかったのは、中西龍さんとの縁だ。
ボクが、NHKに入ったのは、龍さんと出会ったことがきっかけだと話したら、「私も龍さんには鍛えられたわ。仕事場以外で」と山根さん。
山根さんは、昭和46年、NHKに入ると、大阪放送局に赴任した。
毎晩のように、龍さんに、呑みに連れていかれた。
酒豪で知られる山根さんだが、龍さんに鍛えられて強くなったのかもしれない。酒の席での人生勉強が、ナレーションに役立ったことだろう。
ボクも、龍さんから「夢の一期よ、ただ狂え」と教わった。
人生は幻のようなものだ。ならば我を忘れて何かに興じたらいい。
室町時代の閑吟集のことばを紐解きながら、羅針盤としてくれた。
酒を飲むときも、マイクに向かうときも、どんなときも、龍さんは我を忘れてのめり込める人だった。
山根さんと、龍さんの話が出来て嬉しかった。
11月5日、山根基世さんをゲストに迎えての『いのちの絵本』。
富山県射水市の大島絵本館で開催だ。
そういえば、中西龍さんも、ムラカミも富山放送局が初任地だ。